上 下
207 / 295
イシス王国&ドルイド王国編

過去と未来

しおりを挟む
【会議室】
「皆さん、ご足労様にゃん。早速診察結果を発表するにゃん。アドルさんの記憶が戻らない理由それは…記憶媒体である脳の1部がshortしてるにゃん。強過ぎる衝撃をもらった時に、焼き切れた感じみたいになってたにゃん。それと…
その時に感じた恐怖がデカ過ぎたみたいにゃん。生き物は誰でも怖過ぎる経験をすると、自我を保つ為に記憶に蓋をする事があるにゃん。その2つが原因と思うにゃん!」

「脳のダメージと恐怖心…」

理由を聞かされたアドルは、下を向いて考え込んでしまった

「アドルぅ…」

アリスは、そんなアドルに寄り添う

「それで、どうしますか?治しますか?治療するには損傷している脳の部分の修復手術と、強い精神力が必要だにゃん!…でも、損傷しているのは極一部にゃから、このままでも普通の人と変わらずな生きていけるにゃん…」
 

「直せますの?」

サーシャの問いに答える小町

「はい、治す方法はあります!ですが、今も、そしてこれからも生きていくには支障が無いようです。記憶の再生は1度忘れていた事を、ほぼ全て思い出してしまうでしょう…中には本当に思い出したくない事もある筈です。それでも治しますか?」

「確かに、その通りだろうね。現に今、姉さんとアドルさんは傍から見ても仲睦まじく付き合ってるよね
何かを思い出したが故に…2人の付き合いに大きな支障をきたす可能性もあるんだよ?」

カルーアの指摘は的を得ていた。アリスはアドルとの関係を続けたいのなら、手術しない方を勧めるべきなのだが…

「そっかぁ…思い出す事が全て良い事ばかりじゃないんだねぇ…アドルどうする?」

アリスはアドルを見つめた。純粋無垢な彼女は、自分の事よりもアドルの考えを尊重しようとしていた。また、アドルも必死に考えていた

「あの…少し考える時間を頂いても?」

「えぇ、構いませんよ。急ぐ事でもないようですし…」

後はアドルの考え次第だった。明日の朝には返事をすると言い、とりあえずこの話は終わった



【訓練所】
そこにはカルーアとサーシャが居た

「行きますの、お姉様!」

「遠慮なくおいで!」

カルーアが対物結界を張り、サーシャが魔法で強化した鉄球を投げつけていた

「それ、何してるの?」

ミクイが姿を消さずに、2人の訓練を見学していた

「わたしは極大魔法が使えるけど、魔力総量や耐久性に難があるからね」

「サーシャも回復だけでは、お姉様達の手助けとしては不足なのですの!」

「なるほどねー」

「ところで、キミはあの異世界勇者のパートナーなんだろ?付いてなくて良いのかい?」

ミクイは王都クラウンから、勇者優輝のお目付け役を任命されているのだが…最近は気に入ったサーシャにベッタリだ

「アドルさんと、何か話し込んでるよ」

「そうなんですの?でも、隙あらばサーシャの身体を触ろうと様子見してるのはやめて欲しいですのw」

「あ、バレてましたか」

優輝に気を使っての行動なのか?自分の欲求を優先しただけなのか?どちらなのかは分からない。もしくは、両方なのかも知れないが…真っ直ぐに元気に生きるミクイの姿に癒されるカルーアとサーシャ



【中庭】
「呼び止めてすまなかったね」

「いえ、アドルさんからアテにされるなんて、滅多にない事ですから俺で役に立つなら遠慮なく」

アドルが優輝に話し相手になって欲しいと、呼び止めていた

「キミは【消去の魔女】に、向こうの世界での記憶をあげちゃったんだよね?不都合な事はないのかい?」

「えぇ、特にないですね…最近、少しずつ思い出すのも難しくなってきてるのですが…どうやら部分的のようで、覚えている事は色々ありますよ
それよりも…これからの人生に生き甲斐を得ていきたいと思ってるから、問題ありません!」

「そうか、そうだよね。大切なのは過去よりも未来だよね…すまなかったね、ありがとう助かったよ」

「お役に立てたなら良かったです」



【大浴場、女湯】
夕食をご馳走になった後、三姉妹は大浴場に来ていた。アドルを心配しているアリス

「アドルさんの事が心配かい?」

「うん、記憶…戻った方が良いんだよねぇ?」

「うーん、難しいですの」

三姉妹はコレといった答えが出せずにいた

「お邪魔しますね」

三姉妹に話しかけてきたのは、王女の小町だった

「アドルさんの事で悩んでいるのですか?」
 

「そうなの、記憶ってやっぱり戻った方が良いよねぇ?」

沖田小町はアリスの横に来ると、身体を隠していたタオルを取った。王女でありながら引き締まった健康的な身体をしている

「鍛えてますのね」

王女とはいえ、剣士のアリスとひけを取らないくらいに、細身でありながらシッカリ筋肉を蓄えている身体をしている。結局、試合は優輝としたのだが、本気でアドルと勝ち負けの試合が出来る!と自信があっての事だった。小町はアリスの真横で湯に浸かった

「大切な思い出もあれば、記憶から消したいと願ってやまない物もありますよね。要は本人次第じゃないかしら?」

「そうですよね、アドルさんが、姉さんと一緒に居られたらソレで良い!と思っていれば無理に思い出す必要もない、よね」

「アリス姉様は、どう思ってますの?」

「アドルが…要らないって言うなら、このまま…欲しいと言うなら手伝いたいわ」

「はい、ソレで良いでしょうね」

小町の介入で一定の答えが出た三姉妹だった



【夜の寝室】
アリスはアドルと同じ部屋。同じベッドに入っていた。アリスはアドルの横顔を眺めていた

「ふふっ、ボクの顔に何か付いてる?」

「ううん、アタシ…アドルの悩んでる顔って、初めて見るような気がするのぉ」

「……そう言えば、そうだね。…ねぇ、アリスはドッチが良いと思う?」

「アタシは…アドルが望む方に付いていくぅ。この先もアドルが、何をどう選んでも付いていきたい!」

「そっか、ありがとうアリス」

アドルはしばらく寝付けずに考えていた
しばらくはアリスも付き合って起きていたが、早寝早起きのアリスは途中で眠りについた



続く
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

【R-18】クリしつけ

蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。

【R18】もう一度セックスに溺れて

ちゅー
恋愛
-------------------------------------- 「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」 過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。 -------------------------------------- 結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。

【R18】突然召喚されて、たくさん吸われました。

茉莉
恋愛
【R18】突然召喚されて巫女姫と呼ばれ、たっぷりと体を弄られてしまうお話。

【R18】僕の筆おろし日記(高校生の僕は親友の家で彼の母親と倫ならぬ禁断の行為を…初体験の相手は美しい人妻だった)

幻田恋人
恋愛
 夏休みも終盤に入って、僕は親友の家で一緒に宿題をする事になった。  でも、その家には僕が以前から大人の女性として憧れていた親友の母親で、とても魅力的な人妻の小百合がいた。  親友のいない家の中で僕と小百合の二人だけの時間が始まる。  童貞の僕は小百合の美しさに圧倒され、次第に彼女との濃厚な大人の関係に陥っていく。  許されるはずのない、男子高校生の僕と親友の母親との倫を外れた禁断の愛欲の行為が親友の家で展開されていく…  僕はもう我慢の限界を超えてしまった… 早く小百合さんの中に…

ロリっ子がおじさんに種付けされる話

オニオン太郎
大衆娯楽
なろうにも投稿した奴です

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

13歳女子は男友達のためヌードモデルになる

矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。

処理中です...