上 下
182 / 295
イシス王国&ドルイド王国編

群雄割拠

しおりを挟む
【イシス攻防戦】
配下の魔道士10数人から魔力の供給を受けているベイ・ガウザーの禁呪が、イシス城に向けて放たれた!

「こうなったら、私の超極大魔法で!」

アイザーが賢者3人が所属する第1部隊を引き連れて出動していた為、イシス城の魔法兵はかなり手薄になっていて、禁呪を相殺出来そうな者はカルーアだけだった

「まって!カルーアちゃん、ヨウセイのユビワに「チカラをカセ!」ってメイじてみて!」

リリアがカルーアに助言する。言われた通りにすると、装飾と思われていた4本の金属筋が持ち上がり、カルーアの指に突き刺さった!

「つっ!何だい、これは?…あっ、魔力が!わたしの中に流れてこんでくる!コレならイけるよ!…世界を彩る7精霊よ、我を襲う敵を貫け!!【七精守護霊(ハーロウィーン)】!」


「なんだ!?アレはまさか!【渇望の魔女】が使っていた超極大呪文なのかっ!?」

ベイ・ガウザーの位置からも、カルーアが迎撃で放った七精守護霊が見えた

「…いや、有栖が使った魔法よりはかなりパワーが低い…別の術士か?…しかし…」

ベイ・ガウザーが放った禁呪は、七精守護霊に撃ち抜かれ空中で大爆発をおこした!


「よくやったわ、カルーアちゃん」

「球体状の魔法だったから、わたしの七精守護霊でも貫通出来たね…うっ!」

普段より威力マシマシで極大魔法を放ったカルーアに、とてつもない脱力感が襲った!思わずその場に座り込んでしまう
敵の禁呪を迎撃出来た事を確認したユーカ

「みんな!間もなく敵がなだれ込んで来るわ…部隊ごとに集結を急がせて…それとチェイム。【拡張音域(ワールドヴォイス)】を!
……イシス城内の親愛なる兵士達よ聞きなさい!私は王女ユーカ・レア!間もなくベイ・ガウザーの軍勢が進行して来ます。第2部隊から第9部隊は、連携して城外で迎え撃ちなさい!そして、第10部隊から第13部隊は城内で守りを固めよ!」


お転婆王女のユーカだが緊急事態への対処は堂々としていて、これまで彼女がただ我儘(わがまま)だけで育った訳では無いのが証明された

「すみません、アドルさん達にも御助力をお願い出来ますか?」

オルガスもすかさず、アドル達に支援を求めた
何だかんだで、大事な時には噛み合う2人の様だ



【正門前】
に集結した騎士隊と魔法使いたち。ソコへユーカ達やアドル達が合流した

「みんな!アイザー様が留守にしているタイミングでベイ・ガウザー達が攻めてきたわ!しかし安心して!こんな紹介になってしまったけど今イシスには英雄アドル様とその仲間たちが居ます!彼らと共に再びイシスを守り抜きましょう!」
 

「オオォォォ(゚ロ゚*)(゚ロ゚*)!!アドル様が?」
「ユーカ王女バンザーイ!」
「イシス王国に栄光あれー!」

王女ユーカの立派な演説と、5年前にイシスを救った英雄アドルの帰還を知らされ、士気の上がる騎士たちだったが…
そこへ樹海を抜けて来たベイ・ガウザーの主力が、城前の平原に現れた!敵はオーガやミノタウロス、アークメイジにワイバーンの魔物を引き連れた魔族達で、総勢600騎以上で攻めてきていた

「ふはは、無駄な抵抗はよせ!アイザーと主力の居ない貴様らでは相手になるまい!」

そんな大軍勢の中央に【デストロイユニコーン】(長さ10メートル、高さ4メートルの青黒い巨馬)に跨(またが)る鍛え抜かれた身長2メートルの身体を持つ、ベイ・ガウザーの迫力は圧巻だった

「第2部隊は私と共にベイ・ガウザーを!それ以外は魔物に当たれ!アドル様たちは独自の判断で行動してください!」

ユーカの号令で迎撃戦を始める騎士達。ユーカがオルガスとランスロットを引き連れ、ベイ・ガウザーに向かっていく
チェイム、カルーア、サーシャは後方から支援魔法を使ってアドルとアリスや、ユーカたちをサポートしていた

「アリス、ボク達も行こう。大丈夫かい?」

「もちろんよ!アタシがアドルを守るわっ!」

アドル達もベイ・ガウザーに向かおうとした時だった。彼等の背後の魔導師達(先程の禁呪の際に魔力を供給していた者)が、協力して天候魔法を使い始めた!

「これは!?」

昼過ぎの明るさだった空が、みるみる雲に覆われていき辺りは一気に暗くなっていった。魔族には夜に真価を発揮する者も多い。そして闇の眷族達も居る

「んばあっ!」

その巨体と頑丈な身体を誇り暴れ回る巨大馬【デストロイユニコーン】の影から、勢いよく2人のヴァンパイアが現れた!

「会いたかったですよ、アドル・クリスニッジぃ!今日こそはぁ、貴方の息の根を止め、貴方の血を啜(すす)り、貴方の魂を捧げるのでぇすっ!」

5歳の吸血姫幼女を従える、吸血鬼伯爵が現れた。宙に浮かび怪しい笑みでアドルを見下ろしている

「すまないね、ボクは最近記憶喪失になっていてね、キミの事は覚えていないんだ」

「ぬわァァァんですって!5年前、白熱の戦いをしたこの【オデュッセウス・ノミィ】を忘れたのですかぁ!?……ま、まぁ良いでしょう!忘れていようが貴方は今日ここで朽ちるのです。そしてその魂は復活した魔王様に捧げるのでぇっす!」

「えっ!うそ!?魔王が復活しているの?」

アレクス城攻略に参加した1部の者は知っていたが、国外までは伝わっていなかったその情報に、王女ユーカを始めイシスの騎士たちは動揺した!それほどに、前魔王の恐ろしさは有名だからだ!

「キミはお喋りが大好きみたいだね!」

アドルはクレリアソードを構え大きくジャンプして斬りかかり、オデュッセウスの頬を斬り裂いた

「んぎぃ!よくもぉ私の美しい顔をぉぉ!…しかぁしっ!むやみに飛び上がるとは愚かですね。良い的ですよ、死に晒せー!」

羽根を持ち自由に空を飛ぶオデュッセウスは、ジャンプしてきたアドルに、目からビームを放った

「おっと!」

オデュッセウスの予想に反して、アドルは空中でヒラリとかわした

「ぶぅぁかなっ!?翼を持たない人間の貴様が自在に空を飛ぶなどとは…」

それはリリアがアドルに掛けている【浮遊飛行(レベテイト)】の魔法によるものだった。とは言え地上の様に機敏に動く事は難しく、オデュッセウスの方に分があった。巧みにアドルを追い詰めて、トドメを刺そうとするが…

「雷光柱(ジャムルエッヂ)!」

雷撃がオデュッセウスに命中した

「ぎょべぇぇっ!」

彼が振り向き見下ろすと、カルーアが地上から放った魔法だった

「コハラコ!あのハイエルフの小娘を始末するのでえっす!」

「分かった、父上!」

吸血姫の幼女が凄まじい勢いで、カルーアの元へ走るがアリスとハイラ(狼)が立ち塞がる

「アタシの妹に触れさせないんだからぁ!」

スピード自慢のアリスとハイラだが、コハラコの方がスピード&パワー共に圧倒的に上だった!しかしアリスと狼(ハイラ)は、見事な連携でコハラコの行く手を遮っていた

「ぐっ…お前…邪魔…吸血ビーム!」

コハラコが目から放ったビームを、軽くかわすアリス。スペックはかなり高いのだが、いかんせん動きが単調過ぎるのだ

「きゃん!」

ビームが当たった場所が土煙を上げたのだが、その向こうからカルーアが「雷光柱(ジャムルエッヂ)」を放っていた

高いスペックのヴァンパイアの2人だが、連携力においてアドルや三姉妹の方が遥かに上をいっていた。このままイシス側が有利に戦いを進められるのか!?



続く
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

【R-18】クリしつけ

蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。

【R18】もう一度セックスに溺れて

ちゅー
恋愛
-------------------------------------- 「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」 過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。 -------------------------------------- 結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。

ロリっ子がおじさんに種付けされる話

オニオン太郎
大衆娯楽
なろうにも投稿した奴です

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

オークションで競り落とされた巨乳エルフは少年の玩具となる。【完結】

ちゃむにい
恋愛
リリアナは奴隷商人に高く売られて、闇オークションで競りにかけられることになった。まるで踊り子のような露出の高い下着を身に着けたリリアナは手錠をされ、首輪をした。 ※ムーンライトノベルにも掲載しています。

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

処理中です...