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イシス王国&ドルイド王国編
それぞれの再会
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【アレクス城】
「本当に…懐かしい…ようやく目覚めたのねフュール♪」
「えぇ、20年寝てたらしいわ。寝てた私には魔王様が殺されたあの日が、まるで昨日の事なんだけどね。そういう有栖は今までどうしてたの?」
フュールの質問に沈黙する有栖
「まずは俺から話そう」
2人の会話を聞いていたアレクスが、話に入って来た。言いにくそうにしている有栖に気を遣ったようだ
「あの日…魔王様が倒され、それに付き添う様に…最高の魔女と言われる【渇望の魔女】のお前まで姿を消し、敗者となった魔族側の者達は絶望した。お前の妹弟子と同様にな」
「お姉様…」
さっきまではしゃいでいたエーデも、当時を思い出し表情にかげりが見えている
「魔王様と渇望の魔女の喪失の上での敗戦、家族を失った者、大切なパートナーを失った者、様々な傷を負った魔族全員がすがり付く希望を欲した」
「まぁ、当然そうなるわね…」
「そこで、魔族のほぼ全員から希望の星として白羽の矢が刺さったのが【消去の魔女】有栖だったのさ」
「そうね、悪い気はしなかった…うん、最初のうち、しばらくはね…」
有栖も当時を思い出したのか、目線を逸らし相槌を打っている
「だけど…来る日も来る日も何処へ行っても、魔族側からは救いの神の様にすがられ、人間側のエリアに入れば人の波も私を避けて通ったわ」
「当然だよな。有栖は一騎当千どころか、当万と言える活躍をしたからな。その日の戦いまで有栖は極秘裏に開発していた【消去魔法】を秘密にしていた
絶対的な自信を持って登用した古代超兵器を、初めて目の当たりにした消去魔法にかき消されて敵は恐怖のどん底へ、逆に味方は狂喜乱舞した!
敵からも味方からも最注目された有栖だった。そして、ある日…彼女(ありす)は黙って世界から消えた」
「そうだったんだ…」
「本当に嫌気が刺しちゃってね…全世界の人型生物に認識阻害の魔法をかけて、みんなの前から姿を消したのよ…」
「そっかー、みんな大変だったのね…!?そうだ!そんな悲しい過去を背負っていた有栖に嬉しい知らせが有るのよ♪有栖はたしか…ニホンって異世界から来た。って言ってたわよね?実はね…」
「異世界勇者の優輝ね。もう会ったわ」
「えぇっ!?はやっ!」
自分(フュール)が寝ていた間に、そんな悲しくも寂しい時間を過ごしていた有栖に、飛び切りの朗報を伝えようとしたフュールだったが…
彼女(フュール)の妹弟子のエーデと2度戦った噂の異世界勇者【優輝】と、有栖が既に遭遇していた事にフュールもエーデも驚いた
「偶然出会ったその彼に協力してもらって、認識阻害を解除する事が出来たのよ」
「そうか…で、これからどうするんだ?俺の城でしばらくゆっくりするか?遠慮は要らんぞ」
「そうね…のんびりさせてもらおうかしら?…また、突然フラっと出てくかもだけどね(笑)」
この城の城主であるアレクスも、かつての戦いでの有栖の大活躍には心から感謝しているし、彼女(ありす)の滞在が城に住む者たちに与える安堵感も期待しての提案だった
【クハナの町】
ようやくアリスが目を覚ましたので、外へ出た三姉妹とアドルとリリア
「アタシ、お腹すいたぁ!」
アリス以外は昼飯を食べてしまったので、彼らはアリスの為にカフェに入った
「オーガニック オーガステーキ定食の大盛りぃ!早く持ってきてぇ!」
アリスは昨夜…アドル、サーシャ、カルーアの全員から弄ばれていて、かなり空腹だったようだ。カルーア達はドリンクやケーキを食べていた
「ところでアリスお姉様、昨夜はアドルさんと致してるところにお邪魔してしまいましたけど、アリスお姉様がヒイロお兄様以外の男性と繋がってるなんて、驚きですの…」
サーシャの疑問はもっともだ。カルーアをはじめサーシャもアリスも今まで、ヒイロを慕っていたのだから
「その、姉さんはもう…兄さんとは…」
旅立ちの直前「お前を1番愛してる」とヒイロに言われたカルーアは、恐る恐るアリスに質問した
アリスは前に、グレイスの開店申請の為に夜の冒険者ギルドに付き添った事と、そこで年齢を偽っていたが為に、見知らぬ男2人に【カルーア・ミルク】で酔わされ、性的な事をされそうになった時にアドルに助けられ、彼に密かな想いを抱いた事
そして、最近になって付き合いだした事を、アドルへの嘘を気取られない程度に脚色して説明した
「だからね、アタシ…アドルと本気でお付き合いしようと思ってるのぉ!」
「そうか、そうだったのか…姉さんおめでとう。そうだ!なら再会もできた事だし、もう帰るでしょ?わたし達の街へ」
「あの、そのコトでハナシがあるの…」
それまで横で沈黙していたリリアが、話に入って来た
「イシスオウコクはわたしとアドルがデアッタまちでもあり、わたしのウマレコキョウなの
だから、イチド…イシスにカエリたいのだけど、ツキアッテもらえない?」
リリアは五年前、アドルがイシスを救う活躍をした日から、ずっとアドルを支えてきた
「もひろん、リリアちゃんのお願いなら、聞くよね?アドリュ!」
「姉さん…話すのは口の中を綺麗にしてからにしようねwみっともないよ…」
リスの様に口いっぱいに頬張りながら、話をする姉の姿に恥ずかしさを覚えるカルーア
「そうだね、リリアはずっとボクを支えてくれてたんだろう?記憶はほぼ無いけど、彼女の存在がボクを支えてくれてたのは分かるよ。だから行こう!イシス王国へ」
「面白そうですから、私達もお供しましょう。ね?カルーアお姉様!」
「そうだね、イシスはすぐ近くだ。せっかくここまで来てるんだし、寄らない手はないね」
リリアの頼みを聞くアドル。それに付き添う彼女のアリスと、その妹達
続く
「本当に…懐かしい…ようやく目覚めたのねフュール♪」
「えぇ、20年寝てたらしいわ。寝てた私には魔王様が殺されたあの日が、まるで昨日の事なんだけどね。そういう有栖は今までどうしてたの?」
フュールの質問に沈黙する有栖
「まずは俺から話そう」
2人の会話を聞いていたアレクスが、話に入って来た。言いにくそうにしている有栖に気を遣ったようだ
「あの日…魔王様が倒され、それに付き添う様に…最高の魔女と言われる【渇望の魔女】のお前まで姿を消し、敗者となった魔族側の者達は絶望した。お前の妹弟子と同様にな」
「お姉様…」
さっきまではしゃいでいたエーデも、当時を思い出し表情にかげりが見えている
「魔王様と渇望の魔女の喪失の上での敗戦、家族を失った者、大切なパートナーを失った者、様々な傷を負った魔族全員がすがり付く希望を欲した」
「まぁ、当然そうなるわね…」
「そこで、魔族のほぼ全員から希望の星として白羽の矢が刺さったのが【消去の魔女】有栖だったのさ」
「そうね、悪い気はしなかった…うん、最初のうち、しばらくはね…」
有栖も当時を思い出したのか、目線を逸らし相槌を打っている
「だけど…来る日も来る日も何処へ行っても、魔族側からは救いの神の様にすがられ、人間側のエリアに入れば人の波も私を避けて通ったわ」
「当然だよな。有栖は一騎当千どころか、当万と言える活躍をしたからな。その日の戦いまで有栖は極秘裏に開発していた【消去魔法】を秘密にしていた
絶対的な自信を持って登用した古代超兵器を、初めて目の当たりにした消去魔法にかき消されて敵は恐怖のどん底へ、逆に味方は狂喜乱舞した!
敵からも味方からも最注目された有栖だった。そして、ある日…彼女(ありす)は黙って世界から消えた」
「そうだったんだ…」
「本当に嫌気が刺しちゃってね…全世界の人型生物に認識阻害の魔法をかけて、みんなの前から姿を消したのよ…」
「そっかー、みんな大変だったのね…!?そうだ!そんな悲しい過去を背負っていた有栖に嬉しい知らせが有るのよ♪有栖はたしか…ニホンって異世界から来た。って言ってたわよね?実はね…」
「異世界勇者の優輝ね。もう会ったわ」
「えぇっ!?はやっ!」
自分(フュール)が寝ていた間に、そんな悲しくも寂しい時間を過ごしていた有栖に、飛び切りの朗報を伝えようとしたフュールだったが…
彼女(フュール)の妹弟子のエーデと2度戦った噂の異世界勇者【優輝】と、有栖が既に遭遇していた事にフュールもエーデも驚いた
「偶然出会ったその彼に協力してもらって、認識阻害を解除する事が出来たのよ」
「そうか…で、これからどうするんだ?俺の城でしばらくゆっくりするか?遠慮は要らんぞ」
「そうね…のんびりさせてもらおうかしら?…また、突然フラっと出てくかもだけどね(笑)」
この城の城主であるアレクスも、かつての戦いでの有栖の大活躍には心から感謝しているし、彼女(ありす)の滞在が城に住む者たちに与える安堵感も期待しての提案だった
【クハナの町】
ようやくアリスが目を覚ましたので、外へ出た三姉妹とアドルとリリア
「アタシ、お腹すいたぁ!」
アリス以外は昼飯を食べてしまったので、彼らはアリスの為にカフェに入った
「オーガニック オーガステーキ定食の大盛りぃ!早く持ってきてぇ!」
アリスは昨夜…アドル、サーシャ、カルーアの全員から弄ばれていて、かなり空腹だったようだ。カルーア達はドリンクやケーキを食べていた
「ところでアリスお姉様、昨夜はアドルさんと致してるところにお邪魔してしまいましたけど、アリスお姉様がヒイロお兄様以外の男性と繋がってるなんて、驚きですの…」
サーシャの疑問はもっともだ。カルーアをはじめサーシャもアリスも今まで、ヒイロを慕っていたのだから
「その、姉さんはもう…兄さんとは…」
旅立ちの直前「お前を1番愛してる」とヒイロに言われたカルーアは、恐る恐るアリスに質問した
アリスは前に、グレイスの開店申請の為に夜の冒険者ギルドに付き添った事と、そこで年齢を偽っていたが為に、見知らぬ男2人に【カルーア・ミルク】で酔わされ、性的な事をされそうになった時にアドルに助けられ、彼に密かな想いを抱いた事
そして、最近になって付き合いだした事を、アドルへの嘘を気取られない程度に脚色して説明した
「だからね、アタシ…アドルと本気でお付き合いしようと思ってるのぉ!」
「そうか、そうだったのか…姉さんおめでとう。そうだ!なら再会もできた事だし、もう帰るでしょ?わたし達の街へ」
「あの、そのコトでハナシがあるの…」
それまで横で沈黙していたリリアが、話に入って来た
「イシスオウコクはわたしとアドルがデアッタまちでもあり、わたしのウマレコキョウなの
だから、イチド…イシスにカエリたいのだけど、ツキアッテもらえない?」
リリアは五年前、アドルがイシスを救う活躍をした日から、ずっとアドルを支えてきた
「もひろん、リリアちゃんのお願いなら、聞くよね?アドリュ!」
「姉さん…話すのは口の中を綺麗にしてからにしようねwみっともないよ…」
リスの様に口いっぱいに頬張りながら、話をする姉の姿に恥ずかしさを覚えるカルーア
「そうだね、リリアはずっとボクを支えてくれてたんだろう?記憶はほぼ無いけど、彼女の存在がボクを支えてくれてたのは分かるよ。だから行こう!イシス王国へ」
「面白そうですから、私達もお供しましょう。ね?カルーアお姉様!」
「そうだね、イシスはすぐ近くだ。せっかくここまで来てるんだし、寄らない手はないね」
リリアの頼みを聞くアドル。それに付き添う彼女のアリスと、その妹達
続く
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