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イシス王国&ドルイド王国編

食べられる過去

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【平原で百合の華】
を咲かせているカルーアとサーシャ
周囲で幅を効かせていたツタの魔物を撃退した少女2人に、手を出そうとする魔物は居なかった。サーシャは誰にも遠慮せずカルーアを襲っていた

「だ、だからね…見知らぬ土地なんだから…あんっ!…はぁはぁ…体力と魔力を残さないと…」

「でしたら…無駄な抵抗はしないで…サーシャの愛を素直に受け入れて欲しいですの♪」

サーシャはチカラ任せにカルーアの服を脱がせると自分も全裸になり、仰向けに寝るカルーアと身体を擦り合わせた

「なんでキミは…そんなに…くうっ!…エッちいんだよ…ひゃうっ!…くはっ!」

「いただきまぁすですの!」

半裸同士で向き合って身体を擦ると、2人の胸の尖端がぶつかり合った

「んふふふ…可愛いですの、お姉様!」

そう言うとサーシャはカルーアにKissする
交渉はやはり不可能だった。カルーアは右手に魔力を集中し、サーシャの後頭部に手刀を入れた!

「ウギャッ!?」

切り落とすつもりで放った手刀は、見事サーシャの意識を吹き飛ばした

「はああああぁぁ…誰か、サーシャに良い人、見付けて欲しいよ…はあ…」

度重なる妹の暴走に、ため息の耐えないカルーアだった


【工芸の街スズカ】
【徳川有栖(トクガワアリス)】世界中から、その存在を消した女の子。優輝と同じく日本から転生して来たらしい

「ねぇキミ、私と取り引きしない?」

「取り引き?」

知り合って間もない女の子から、前フリもなく唐突に提案され戸惑う優輝

「世界中に掛けた成長型の認識阻害が強くなりすぎてね…最初の頃はまだ良かったんだけど…流石に半永久的な孤独状態がツラくなってきてさ、あはは。そろそろ解除したいのよ」

「それを俺に手伝えと?けれど、何をすれば良いんだ?」


「キミの日本での過去の記憶を少し食べさせてちょうだい!」


「えっ!?」


異世界で初めての日本人との遭遇
しかも彼女は、自らの魔法で全世界から孤立しているという…ソレを解除する為に、優輝の過去を喰わせて欲しい。と言うのだ
何が何だか訳が分からずに、固まってしまった
そんな彼に対し話を続ける有栖

「もちろん無料(タダ)でってのは気が引けるから…困った時に呼んでくれたら何か一つ、お返しさせてもらうわ。どんな事でも!っとはイカないけどね。かなりの事を叶えてあげるわ!ソレでどうかな?」

「えっと、あの…俺の過去の記憶を使えば、その認識阻害を解除出来るの?」

「そう!貴方の過去に私を認識させる術式を編み込んで…簡単に言うと、上書きするのよ」

「まだ…少し混乱してるけど…記憶の全部を使う訳じゃないんだろ?…同じ故郷のキミを助けられるなら…良いよ」

優輝は混乱してる中でも考えてはいた
日本に居た頃、交友関係も上手くいかず勉強でも中の下、運動も普通、何も夢も無く、自分の存在の必要性も感じられずに、不貞腐(ふてくさ)れてただ怠惰に生きてきた。そんな過去が人助けに使えるのなら、惜しむ理由もないと判断した

「ありがとう、助かるわ!…いただきまぁす!」

そう言うと無造作に顔を近付けてきて、有栖は優輝にKissをした

「んなっ!?」

同性はもちろん、異性にもモテた事の無い優輝にとって初めてのKissだった
優輝はこの世界に来て修行を受け、精神力が体内を駆け巡る感覚を初めて知った。その経験が役に立っているのか?今、有栖にKissをされて脳内から何かのエネルギーが、彼女に吸い取られていく感覚をなんとなく感じ取っていた

「ぷはぁ…貴方、良い人ね。嫌いじゃないわ…それじゃあ私は行くけど、本当に何かあったら遠慮なく呼んでね。精神結合(リンク)の魔法を掛けておいたから、何処で呼んでも貴方の声が聞こえるから安心してね♪」
 

「どこかに行くのかい?」

「えぇ、友達が目覚めたらしいからね。会いに行ってくるわ…じゃね!」

そう言うと有栖は店を出て行った。狐につままれたような感じの優輝がテーブルを見ると、彼女が頼んだ分がいつの間にか完食されて無くなっていた


「優輝。此処に居たのか、噴水の所で待ち合わせって言っただろうに…」

すぐさま、優輝を探していたミントスが店内に入って来た。テーブルを見られると…

「腹が減ってたら言えよな、2人分も頼んで…あー、なんか私も腹が減ったな…ウエイター!」

テーブルの食事を見た彼女(ミントス)は、美味しそうな匂いに胃が反応したようで自分の分も頼んだ
優輝と同じ日本から来たと言う有栖との出会い。見た感じ自分より2-3上に見えたが、おそらく彼女はそれよりも年上だと感じていた



【宿場町クハナ】
アリス達を乗せた馬車はお爺さんの目的地である、【クハナ】に着いた。この間違いは【イシス王国】に1番近い町である。ここからなら、歩きでも半日でイシスまで行ける

しかし、いっこうに高熱が引かないアリス
お爺さんが気を使ってくれて、贔屓(ひいき)にしている宿屋を紹介してくれた。だが…宿屋に着いてもアリスは苦しそうな様子だ
 
「うーん、アタラしいスキルがツヨくて、ウケイレルのにエネルギーがタリないみたいね」

「それは、どうしたら?」

「ねぇ…アドル…抱いてぇ…私にエネルギーを…」

アリスは本能的に男に抱かれたら、スキルを受け入れられる状態になれると感じていた

「(; ꒪ㅿ꒪)えっ!?抱くって…あの…愛し合う男女が子孫繁栄の為にする、あの行為かい?」

23になっていて未だに女を抱いた経験が無いのはレアな方だが、冒険漬けになっていて特定の彼女を作ったことの無いアドルには未知の領域だった



続く
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