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冒険と成長の三姉妹

お姉さまと呼ばないで!

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【アルバート家キッチン】
「エリエスの精神向上の為に、しばらく此処に置いてやってもらえんかのぅ?もちろん、ソレに見合うお礼はするぞ」

「うーん…預かること自体は構わないのですが、家が狭くて許容人数がギリギリですし、ハイラの躾(しつけ)もありますから…」

「ハイラ?あの狼の事かの?……それならば、我が家で躾させてもらうのはどうじゃ?嫁は昔、大型犬を連れてクエストに出ておった時期もあったでのぅ。自分で躾けた犬を連れて行っておった。流石にテイマーと同じレベル。と、までは言わんが戦闘補佐くらいは覚えさせられよう」

「ふむ、どうするアリス?」

アリスは悩んでいた………沢山悩んだ結果…ヘパイトスに預ける事にした

「そうさな、2・3ヶ月くらいを見といてくれ
。代わりと言うのも何じゃが、それまでエリエスを預かってくれぃ。ちなみに、ここに居る間に怪我をしようが、拉致されようが、キミを糾弾したりはせんよ」

「もちろんよ、おじい様!エリエスは自分の身くらいは自分で守りますから!」

「ワシの自慢のエクスカリバーの改良剣と、武の女神と讃えられたアテナの格闘術を習った身、それで自分の身を守れぬのは己の責任よな」

「もちろんです!」

どうやらクーパー家は英才教育でありながら、スパルタな要素もあるようだ


【キッチン】
「へぇ、サーシャは料理が得意なのね!…おばあ様には及ばないけど、なかなか良いんじゃないかしら!」

「あ、ありがとうですの(汗)」

「居候(いそうろう)のクセして、なんでそんなに態度がデカいんだか…痛い娘だね…」

「ナニよエルフ!貧相な体のくせに、生意気ね!」
 

エリエスは、料理が上手いサーシャやミルとは仲良くやれそうだが…カルーアとは馬が合わないようだ。アリスとはどうなのか?

「どうしましたの?アリスお姉さま?」

(アリスお姉さま!?)
どうやら、初めて同年代の娘に負けたのがエリエスの考えを変えたのか?アリスにだけは好意的な態度だ

「アリスお姉さま、口元が汚れてましてよ」

相変わらずガツガツ食べるアリスは、口周りにご飯が付いていた。ハンカチを出して拭き取るエリエスだが、何故かアリスは硬直している

「あ、アタシが、エリエスちゃんのお姉さま…なの?」

「はい、私は同年代どころか、年上にも負けるつもりはありません!実際に負けたことはお祖母様くらいです!が…
精霊剣ロマーニャが無ければ今日の勝負、私の負けでしたもの…アリスお姉さまを慕い、精進を重ねて、更なる高みを目指しますわ!」

(お姉さまってアレよねぇ?サーシャはアタシを【姉さま】と呼んでカルーアを【お姉さま】と呼んでるよねぇ…アタシ、サーシャがカルーアにエッちい事をしてるの知ってる。けど、アタシにはエッちい事はしない……つまり……【お姉さま】って、そう言う間柄って宣言してるって事だよね!)

またもやアリスは、訳の分からない方向に勘違いしていた
つまり、エリエスはアリスにエッちい関係を望んでいるのだと…

「えっとぉ…アタシはエリエスちゃんにとって、お姉さまなのかな?1つ年下だけど?」

「もちろんですわ!!!それに今の世の中、強い者こそが尊敬されるもの!ソコに多少の年齢差なんて、有って無いようなものですわ!」

15歳のエリエスだが、初の敗北を刻んだ14歳のアリスは【お姉さま】になるらしい。エリエスの迷いの無い口調に、アリスは覚悟を決めたようだ

「わ、分かったわ…アタシがエリエスの【お姉さま】になるわぁ!」

「さっそく仲良くなれて良かったな。ところで、寝室が2部屋しか無いんだが…流石に6人は厳しいよな?」

「ハイラをヘパイトスさんに預けたんだから、アタシとエリエスが馬小屋のベッドで寝れば良いんじゃないのぉ?」

またしてもアリスは、深く考えずに意見した。仮にも1級鍛冶師の孫娘を馬小屋に寝泊まりさせるのは、流石にマズイと思われたが…

「馬小屋で寝るって抵抗ありますけど………アリスお姉さまが一緒なら、エリエスは全然構いませんわ!」

「おお!アリスお姉さまの存在が、痛々しいしい女を変化させるもなんのだね(笑)」

「おだまりなさい!貧相なエルフの次女さん」

どうにも、この2人は仲良くなれそうにない
食事を終えた後、エリエスの申し出によりアリスと2人で外に出て剣の稽古を始めた

ヒイロはミルと工房へ
カルーアとサーシャは後片付けを
1時間後…稽古を終えた2人は風呂場に向かった

「実力が近い人とする稽古は楽しいですね!」

エリエスは上機嫌だったが、アリスは緊張している
(アタシがエリエスちゃんと、カルーアとサーシャみたいなぁ、エッちい関係にならないといけないのぉ?ふぇぇ…無理だよぉ…)

「お背中を流しますわね、お姉さま!」

足元の泡に足を滑らせたエリエスが、背後からアリスにもたれかかった

(き、キタ━(゜∀゜)━!ど、どうしよう?)



続く
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