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少女たちとの出会い
初めては生命を賭けて
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【アルバート家キッチン】
「ねぇカルーア。お兄ちゃんは何で一緒に帰って来なかったのぉ?アタシお腹空いたよぉ」
「姉さんに恥ずかしい思いをして、わたしを倒したあの女アルテッツァの事でやらなきゃならない事があるんだって。晩ご飯は2人で食べておいてほしいって言ってたよ」
「そうなんだ…じゃあアタシが晩ご飯作ってあげるねぇ♪」
「えっ!?ヾノ>ω<`)いやいやいや、一緒に作ろうよ。たまには、ね?」
姉の料理の腕前のほどを知っているカルーアは、敢えて2人で料理する事にした。前にアリスが作ってくれた料理は…それはもう酷い物だったから……
(それにしてもアノ女。兄さんに何の用なんだ?姉さんには言えないけど…何か嫌な予感がするんだよなぁ…)
【トール大森林】
街から東へ20km程移動した所にある森。その中心部に遺跡の後の平原があった
アルテッツァが望んだのはヒイロとの一騎打ちだった。ギルド協会ならびに保安所本営は、立ち会い人にアドルを置く事で納得した
「ヒイロ、キミの妹達はリリアに先導させて工房へ返しておいたよ。アルテ、キミの要望通りにキミの兄の仇との一騎打ちを用意した
とは言え殺し合いは許可出来ない!あくまで一騎打ちだ。2人とも思う存分やりなよ」
「アルテ、俺は確かにキミの兄の仇だ。気の済むまでかかって来い!」
「英雄アドル・クリスニッジは強かった…兄も猛者と戦って敗れたのは本望だろうさ。だが!それで致命傷を負っていた兄がお前の手で死んだ事には納得していない!お前の実力を見せて欲しい…ヒイロ・アルバート、私を納得させてくれ!」
アルテの言い分としては兄の遺言は守り、命懸けの敵討ちはしない。その変わり兄と戦った2人の実力を知りたいようだ。アドルの強さは武闘会で存分に味わっていた
後はヒイロのチカラを見たら、納得してくれるようだ。それで、もう誰にも迷惑を掛けないように生きると約束してくれた
「2人とも準備は良いか?ところでアルテッツァ、決闘の場所は何故ここを選んだんだ?」
「ここは…かつて、魔族の戦士達が決闘していた場所の1つだと兄から教わっていた。皆に内緒で兄と会っている時、時々ここで兄から稽古を受けていたんだ」
「なるほどな、兄との思い出の場所で兄を殺した俺と決闘したいって事か…良いだろう!」
ヒイロはアルテが妹達にした事を思い出し、感情を昂(たかぶ)らせ緋色のチカラを発動した!互いに剣を構え対峙している
「それでは……始め!」
アドルの掛け声と共に走り出す2人
互いの剣がぶつかり合った
2人のチカラは拮抗していた
アドルの役割りは決着がついたら、どちらも死なない様に止める事。そのジャッジを下し、それ以降の怨恨(えんこん)を残させないようにする為だった
ヒイロとアルテッツァは全力で戦っていた。2人の剣がぶつかり動きが止まった時だった
「ヒイロと言ったな、アドルには及ばないがお前もなかなか強いじゃないか!そこでどうだ、1つ賭けでもしないか?」
「なんだ?言ってみろよ!」
「敗者が勝者の頼みを1つ聞くってのはどうだ?もちろん、命を取るとか一生奴隷になれとか
そういうのは無しでだ。どうだ?」
「何を企んでるか知らないが…それで悔いなく戦えると言うのなら…良いだろう!」
賭けは成立した!それから2人は数分間戦っていた。スピードではアルテ、パワーではヒイロがやや優位。ほぼ互角だった
アルテッツァは身体強化魔法を掛けて、ヒイロに突進した。その渾身の一撃をいなし、彼女の剣を弾き飛ばした
「やったぞっ!」
彼女から剣を弾いた事でヒイロは勝利を予感した。しかし、それが良くなかった
アルテは更に身体強化魔法を掛けて、ヒイロのみぞおちを下から上へ蹴りで撃ち抜いた
「ぐはっ!?」
皮肉な事にこの流れは、ヒイロの義父もアルテの兄に同じ事をされて殺される事になったのと、まるで同じ流れだった
「ぐほぁっ!」
更に右手首に鋭い手刀をくらい、剣を手放してしまった。更に手刀を首に添えられた
「そこまでだ、勝負あり!」
「くそっ…油断して…しまった…」
「ふっふふふ…兄さんから教わった、勝利への奥の手さ。まんまと掛かったね」
アルテッツァの勝利で一騎打ちは終わった
ヒイロはアルテの頼みを聞く事になった
「さあ、勝者の権限だ。何を望む?」
ヒイロは覚悟を決めた。しかし、意外な事にアルテッツァはモジモジし始めた。その仕草はまるで乙女の様だった。キョトンとするヒイロとアドル
「あ、あのだな…その…わ、私を…抱いてくれ!」
「ぬわにぃ!?」
ヒイロもアドルも完全に虚をつかれた
「兄の遺言通りに…血なまぐさい生き方から…足を洗う…女の幸せとやらを探そう…そ、その為にだな…私の初めてを…お前にもらって欲しいんだ……頼む!」
「いや、しかし…それは…」
予想の斜め上ぶっちぎりな願いに焦るヒイロ
「敗者は勝者の頼みを聞く。って約束をしたんだろ?ボクは離れた場所で待っていよう」
そう言うとアドルは平原の端の岩に腰を下ろし、クレリア・ソードを磨き出した
「あのな…俺も未経験なんだぞ…」
「そうか…お互い、初めてか…それは、それで…良いんじゃないか?お前の妹達にも内緒にするから、さ?良いだろう?」
アルテはヒイロににじり寄ると、服を脱ぎ始めた。ヒイロに逃げ道は無かった
アルテは平原に自分のマントを広げ、その上に全裸で仰向けに寝転がった
「さあ、来いよ…男だろ?」
「くそっ、後で文句言うなよ…」
ヒイロは腹を括(くく)ってアルテに馬乗りになった。妙な流れから筆おろしをする事になったヒイロ。奇妙な出会いをした2人はこの平原で身を重ねる事になった
続く
「ねぇカルーア。お兄ちゃんは何で一緒に帰って来なかったのぉ?アタシお腹空いたよぉ」
「姉さんに恥ずかしい思いをして、わたしを倒したあの女アルテッツァの事でやらなきゃならない事があるんだって。晩ご飯は2人で食べておいてほしいって言ってたよ」
「そうなんだ…じゃあアタシが晩ご飯作ってあげるねぇ♪」
「えっ!?ヾノ>ω<`)いやいやいや、一緒に作ろうよ。たまには、ね?」
姉の料理の腕前のほどを知っているカルーアは、敢えて2人で料理する事にした。前にアリスが作ってくれた料理は…それはもう酷い物だったから……
(それにしてもアノ女。兄さんに何の用なんだ?姉さんには言えないけど…何か嫌な予感がするんだよなぁ…)
【トール大森林】
街から東へ20km程移動した所にある森。その中心部に遺跡の後の平原があった
アルテッツァが望んだのはヒイロとの一騎打ちだった。ギルド協会ならびに保安所本営は、立ち会い人にアドルを置く事で納得した
「ヒイロ、キミの妹達はリリアに先導させて工房へ返しておいたよ。アルテ、キミの要望通りにキミの兄の仇との一騎打ちを用意した
とは言え殺し合いは許可出来ない!あくまで一騎打ちだ。2人とも思う存分やりなよ」
「アルテ、俺は確かにキミの兄の仇だ。気の済むまでかかって来い!」
「英雄アドル・クリスニッジは強かった…兄も猛者と戦って敗れたのは本望だろうさ。だが!それで致命傷を負っていた兄がお前の手で死んだ事には納得していない!お前の実力を見せて欲しい…ヒイロ・アルバート、私を納得させてくれ!」
アルテの言い分としては兄の遺言は守り、命懸けの敵討ちはしない。その変わり兄と戦った2人の実力を知りたいようだ。アドルの強さは武闘会で存分に味わっていた
後はヒイロのチカラを見たら、納得してくれるようだ。それで、もう誰にも迷惑を掛けないように生きると約束してくれた
「2人とも準備は良いか?ところでアルテッツァ、決闘の場所は何故ここを選んだんだ?」
「ここは…かつて、魔族の戦士達が決闘していた場所の1つだと兄から教わっていた。皆に内緒で兄と会っている時、時々ここで兄から稽古を受けていたんだ」
「なるほどな、兄との思い出の場所で兄を殺した俺と決闘したいって事か…良いだろう!」
ヒイロはアルテが妹達にした事を思い出し、感情を昂(たかぶ)らせ緋色のチカラを発動した!互いに剣を構え対峙している
「それでは……始め!」
アドルの掛け声と共に走り出す2人
互いの剣がぶつかり合った
2人のチカラは拮抗していた
アドルの役割りは決着がついたら、どちらも死なない様に止める事。そのジャッジを下し、それ以降の怨恨(えんこん)を残させないようにする為だった
ヒイロとアルテッツァは全力で戦っていた。2人の剣がぶつかり動きが止まった時だった
「ヒイロと言ったな、アドルには及ばないがお前もなかなか強いじゃないか!そこでどうだ、1つ賭けでもしないか?」
「なんだ?言ってみろよ!」
「敗者が勝者の頼みを1つ聞くってのはどうだ?もちろん、命を取るとか一生奴隷になれとか
そういうのは無しでだ。どうだ?」
「何を企んでるか知らないが…それで悔いなく戦えると言うのなら…良いだろう!」
賭けは成立した!それから2人は数分間戦っていた。スピードではアルテ、パワーではヒイロがやや優位。ほぼ互角だった
アルテッツァは身体強化魔法を掛けて、ヒイロに突進した。その渾身の一撃をいなし、彼女の剣を弾き飛ばした
「やったぞっ!」
彼女から剣を弾いた事でヒイロは勝利を予感した。しかし、それが良くなかった
アルテは更に身体強化魔法を掛けて、ヒイロのみぞおちを下から上へ蹴りで撃ち抜いた
「ぐはっ!?」
皮肉な事にこの流れは、ヒイロの義父もアルテの兄に同じ事をされて殺される事になったのと、まるで同じ流れだった
「ぐほぁっ!」
更に右手首に鋭い手刀をくらい、剣を手放してしまった。更に手刀を首に添えられた
「そこまでだ、勝負あり!」
「くそっ…油断して…しまった…」
「ふっふふふ…兄さんから教わった、勝利への奥の手さ。まんまと掛かったね」
アルテッツァの勝利で一騎打ちは終わった
ヒイロはアルテの頼みを聞く事になった
「さあ、勝者の権限だ。何を望む?」
ヒイロは覚悟を決めた。しかし、意外な事にアルテッツァはモジモジし始めた。その仕草はまるで乙女の様だった。キョトンとするヒイロとアドル
「あ、あのだな…その…わ、私を…抱いてくれ!」
「ぬわにぃ!?」
ヒイロもアドルも完全に虚をつかれた
「兄の遺言通りに…血なまぐさい生き方から…足を洗う…女の幸せとやらを探そう…そ、その為にだな…私の初めてを…お前にもらって欲しいんだ……頼む!」
「いや、しかし…それは…」
予想の斜め上ぶっちぎりな願いに焦るヒイロ
「敗者は勝者の頼みを聞く。って約束をしたんだろ?ボクは離れた場所で待っていよう」
そう言うとアドルは平原の端の岩に腰を下ろし、クレリア・ソードを磨き出した
「あのな…俺も未経験なんだぞ…」
「そうか…お互い、初めてか…それは、それで…良いんじゃないか?お前の妹達にも内緒にするから、さ?良いだろう?」
アルテはヒイロににじり寄ると、服を脱ぎ始めた。ヒイロに逃げ道は無かった
アルテは平原に自分のマントを広げ、その上に全裸で仰向けに寝転がった
「さあ、来いよ…男だろ?」
「くそっ、後で文句言うなよ…」
ヒイロは腹を括(くく)ってアルテに馬乗りになった。妙な流れから筆おろしをする事になったヒイロ。奇妙な出会いをした2人はこの平原で身を重ねる事になった
続く
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