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少女たちとの出会い
義理の三姉妹と同居生活が始まる
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【初めまして幼い妹達】
俺はヒイロ、間もなく20歳になる
商業都市【ヘルメス】で武器防具の鍛冶屋を営んでいる
俺の父親は冒険者をやっている
今回は大きなクエストらしい
「帰ったらお前の20歳の誕生日を盛大に祝ってやろう」
と言い3人の冒険仲間達と共に旅立った
父親の武器防具はかなり使い込んでいて、ところどころ傷んでいるから帰ったら新しいのを贈ろうと思い俺は工房にこもり、新しい装備1式を作りながら父親の帰りを待っていた
しかし、父親が帰って来ることは二度となかった
クエストの途中、上級魔族の1団と戦闘になり父親のパーティは全滅したらしい
父親はAランクの冒険者だった
その仲間もAまたはBランクだった
父親のパーティが全滅するなど予想外の出来事だった
全滅の報せを受けた翌日、冒険者ギルドから遺産品を受け取りに来るように呼び出された
正直、俺はそんな気持ちにはなれなかった
けれど、父親の形見は受け取らなければ…と、足取りも重くギルドに向かった
「ヒイロ・アルバートさんですね?貴方の父親達の遺品を預かっております。貴方に受領して頂きます…さ、こちらへ」
50代くらいのイカついギルドマスターにギルドの奥へと案内された
(父親達の遺品?)
倉庫の中には冒険者の武器防具やアイテムは一切なく、部屋の中央には3人の少女が立っていた
「あの…ギルマス…もしかして彼女達が…」
「はい、貴方の父の冒険者仲間3人が所有していた少女達です」
なん…だと…
10代前半のこの娘たちが遺品だと!?
この世界は、昔から世界のあちこちで大小の戦争があった。それが激しさを増した50年前くらいから魔族が現れ、戦争中の人類の脅威となった
世界は荒れ孤児が溢れ、多少でも余裕のある者が孤児を引き取って育てている。今はそんな世の中だった
実は俺も父親に引き取られたのだ
父親のパーティだった3人も、一人一人孤児を引き取って育てていたようだ。つまり、目の前の3人の少女と俺は父親のパーティの全滅により4人とも孤児に逆戻りしてしまったのだ
そしてギルマスは、この街で鍛冶屋として唯一自立しているこの俺に3人を引き取れと言う訳だ
3人の少女から、1つずつ手紙を差し出された
その3通全てに「育て親の自分が死ぬ様な事があれば、冒険者仲間を頼るように」
と、書かれてあった
つまり…俺は、いきなり3人の少女の保護者になってしまった訳だw
けれど、他にはどうしようも無かった
俺は3人を工房兼住み家へ連れて帰った
確かに父親は言っていた
「20歳の誕生日を盛大に祝う」と。
とんだ贈り物だ…
俺は3人を家の中に迎え入れた
「アタシはアリス14歳。2太刀の戦士見習いよ。父さんから鍛えられてるから、今でもそれなりに戦えるのよ!戦闘になったら頼ってね、エッヘン」
「私はカルーア13歳だよ。風の精霊の魔法が得意な弓使いなんだ、後方支援で役に立つ様に頑張るよ……いきなり3人で押しかけて済まないね…悪いけど宜しく頼むよ」
「初めまして私はサーシ12ャ歳。回復と補助の魔法なら少し使えます。それと、お料理が好きです。宜しくね、お兄さま 」
紅い髪のアリスが1番年上の様だが、1番子供っぽい言動に見える
蒼い髪のカルーアが1番落ち着いている
精神面で1番しっかりしていそうだ
黄色い髪のサーシャは1番幼く見えるが、1番家庭的な女の子かも知れない
兎にも角にも奇妙な4人の同居生活が、突然始まってしまった
俺の工房兼住み家は、工房がある西棟と、寝室とキッチンの東棟。2つの棟を繋ぐ10メートルくらいの通路。その通路に風呂トイレと洗面所がある
ただ、東棟はキッチン以外は2部屋しかない。1つは俺の部屋だ。申し訳ないが3人には残り1部屋で住んでもらうしかない
6畳の部屋に3人で住む。いずれ彼女達が大きくなったら手狭になるだろうな
「俺の鍛冶屋の稼ぎだけでは、4人の生活費には心許ないな…父親が残してくれたお金もそんなには無いし…どうしようか?」
「それなら、アタシとカルーアで近くに狩りに行くわ。そしたらお肉は買わなくても済むでしょ?どうかしら?」
「そうだね、私がアリスのサポートをするよ。肉だけじゃなく、牙や毛皮はギルドで買い取ってくれるだろし」
「それじゃあ私が2人が持ち帰った肉をお料理するし、2人が怪我してたら回復してあげますね」
なるほど、お互いの長所を活かし助け合うことで、何とか自分達4人だけでも、暮らして行けるかも知れないな
「なら俺はアリスとカルーアの武器防具を作らせてもらうよ、鍛冶屋として10年の経験があるから、それなりの物を揃えてみせるよ」
「本当?ヒイロってば頼りになるのね、褒めてあげるわ!頭出しなさい 」
「いや、恥ずかしいから遠慮するよ 」
「アリス、いくらなんでもナデナデされて喜ぶ歳じゃないと思うよ」
「あの、みなさん…提案なんだけど、ヒイロお兄さま、アリスお姉さん、カルーアお姉さんって呼ばせてもらって良い?」
つまり、サーシャの提案は4人は兄妹の様に付き合おうという話だ
全員、サーシャの提案を受け入れた。今日から俺たちは4人ひとつ屋根の下で、生活を共にする事になった
今は亡き父親パーティ達からの贈り物のおかげで、俺は1人寂しく生きなくて良くなった
4人とも初対面で同居する事になったけど、これからは悲しみも喜びも4人で分かち合って、生きていけたら素晴らしいと思ったんだ俺は。
続く
俺はヒイロ、間もなく20歳になる
商業都市【ヘルメス】で武器防具の鍛冶屋を営んでいる
俺の父親は冒険者をやっている
今回は大きなクエストらしい
「帰ったらお前の20歳の誕生日を盛大に祝ってやろう」
と言い3人の冒険仲間達と共に旅立った
父親の武器防具はかなり使い込んでいて、ところどころ傷んでいるから帰ったら新しいのを贈ろうと思い俺は工房にこもり、新しい装備1式を作りながら父親の帰りを待っていた
しかし、父親が帰って来ることは二度となかった
クエストの途中、上級魔族の1団と戦闘になり父親のパーティは全滅したらしい
父親はAランクの冒険者だった
その仲間もAまたはBランクだった
父親のパーティが全滅するなど予想外の出来事だった
全滅の報せを受けた翌日、冒険者ギルドから遺産品を受け取りに来るように呼び出された
正直、俺はそんな気持ちにはなれなかった
けれど、父親の形見は受け取らなければ…と、足取りも重くギルドに向かった
「ヒイロ・アルバートさんですね?貴方の父親達の遺品を預かっております。貴方に受領して頂きます…さ、こちらへ」
50代くらいのイカついギルドマスターにギルドの奥へと案内された
(父親達の遺品?)
倉庫の中には冒険者の武器防具やアイテムは一切なく、部屋の中央には3人の少女が立っていた
「あの…ギルマス…もしかして彼女達が…」
「はい、貴方の父の冒険者仲間3人が所有していた少女達です」
なん…だと…
10代前半のこの娘たちが遺品だと!?
この世界は、昔から世界のあちこちで大小の戦争があった。それが激しさを増した50年前くらいから魔族が現れ、戦争中の人類の脅威となった
世界は荒れ孤児が溢れ、多少でも余裕のある者が孤児を引き取って育てている。今はそんな世の中だった
実は俺も父親に引き取られたのだ
父親のパーティだった3人も、一人一人孤児を引き取って育てていたようだ。つまり、目の前の3人の少女と俺は父親のパーティの全滅により4人とも孤児に逆戻りしてしまったのだ
そしてギルマスは、この街で鍛冶屋として唯一自立しているこの俺に3人を引き取れと言う訳だ
3人の少女から、1つずつ手紙を差し出された
その3通全てに「育て親の自分が死ぬ様な事があれば、冒険者仲間を頼るように」
と、書かれてあった
つまり…俺は、いきなり3人の少女の保護者になってしまった訳だw
けれど、他にはどうしようも無かった
俺は3人を工房兼住み家へ連れて帰った
確かに父親は言っていた
「20歳の誕生日を盛大に祝う」と。
とんだ贈り物だ…
俺は3人を家の中に迎え入れた
「アタシはアリス14歳。2太刀の戦士見習いよ。父さんから鍛えられてるから、今でもそれなりに戦えるのよ!戦闘になったら頼ってね、エッヘン」
「私はカルーア13歳だよ。風の精霊の魔法が得意な弓使いなんだ、後方支援で役に立つ様に頑張るよ……いきなり3人で押しかけて済まないね…悪いけど宜しく頼むよ」
「初めまして私はサーシ12ャ歳。回復と補助の魔法なら少し使えます。それと、お料理が好きです。宜しくね、お兄さま 」
紅い髪のアリスが1番年上の様だが、1番子供っぽい言動に見える
蒼い髪のカルーアが1番落ち着いている
精神面で1番しっかりしていそうだ
黄色い髪のサーシャは1番幼く見えるが、1番家庭的な女の子かも知れない
兎にも角にも奇妙な4人の同居生活が、突然始まってしまった
俺の工房兼住み家は、工房がある西棟と、寝室とキッチンの東棟。2つの棟を繋ぐ10メートルくらいの通路。その通路に風呂トイレと洗面所がある
ただ、東棟はキッチン以外は2部屋しかない。1つは俺の部屋だ。申し訳ないが3人には残り1部屋で住んでもらうしかない
6畳の部屋に3人で住む。いずれ彼女達が大きくなったら手狭になるだろうな
「俺の鍛冶屋の稼ぎだけでは、4人の生活費には心許ないな…父親が残してくれたお金もそんなには無いし…どうしようか?」
「それなら、アタシとカルーアで近くに狩りに行くわ。そしたらお肉は買わなくても済むでしょ?どうかしら?」
「そうだね、私がアリスのサポートをするよ。肉だけじゃなく、牙や毛皮はギルドで買い取ってくれるだろし」
「それじゃあ私が2人が持ち帰った肉をお料理するし、2人が怪我してたら回復してあげますね」
なるほど、お互いの長所を活かし助け合うことで、何とか自分達4人だけでも、暮らして行けるかも知れないな
「なら俺はアリスとカルーアの武器防具を作らせてもらうよ、鍛冶屋として10年の経験があるから、それなりの物を揃えてみせるよ」
「本当?ヒイロってば頼りになるのね、褒めてあげるわ!頭出しなさい 」
「いや、恥ずかしいから遠慮するよ 」
「アリス、いくらなんでもナデナデされて喜ぶ歳じゃないと思うよ」
「あの、みなさん…提案なんだけど、ヒイロお兄さま、アリスお姉さん、カルーアお姉さんって呼ばせてもらって良い?」
つまり、サーシャの提案は4人は兄妹の様に付き合おうという話だ
全員、サーシャの提案を受け入れた。今日から俺たちは4人ひとつ屋根の下で、生活を共にする事になった
今は亡き父親パーティ達からの贈り物のおかげで、俺は1人寂しく生きなくて良くなった
4人とも初対面で同居する事になったけど、これからは悲しみも喜びも4人で分かち合って、生きていけたら素晴らしいと思ったんだ俺は。
続く
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