引き籠もりVTuber 配信者編

龍之介21時

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登録者2万人超え

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【22:30】
「それじゃ視聴者(アミーゴ)のみんな!…と、初めてアミの配信を見に来てくれた皆さん。今夜はこの辺にしようと思います。乙アミーゴ♪」

✱「乙アミーゴ」
✱「チャンネル登録したよ」
✱「また来るよ」
✱「楽しかった」
✱「お疲れ様」
✱「おつアミ」


「くはぁ…つ、疲れたよぉ…」

ロミータを除いて、初対面(オリビアも除く)の人たち数人と約90分話し続けたのは亜沙美にとって初めての体験だった。まだまだコミュ障気味の彼女にとって、それがどれだけツライ事だったのかは、机に突っ伏している姿を見れば一目瞭然だ

「ガチャ」
「お疲れ様亜沙美!」

「ロミータちゃ~ん…私、頑張ったよぉぉぉ…」

「ウンウン。良く頑張ったわね。はい、ケーキと紅茶を用意したわ。取り敢えずひと息入れましょう」

亜沙美の配信終了を見守ってから自分の配信を閉じて、1階に降りて用意しておいたケーキとペットボトルの紅茶を持ってきたロミータ

……………………………………………

「美味しかったわね♪改めておめでとう亜沙美」

「うん!ありがとうロミータちゃん♪私、無事に配信終了できたよぉ…」

「ん?ソレだけじゃないわよ?チャンネル登録2万人突破おめでとう!なのよ?」

「(◍꒪꒳꒪◍)えっ!嘘?私、登録者2万人超えてたの?ええっ!!!」
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5月から配信活動を始めた亜沙美。想定外のラッキーなどがあり、個人勢としては好調に半年で12000人に達していた亜沙美
平均して見て1ヶ月で2000人ずつ登録者を増やしていたのだが…今夜のコラボ配信だけで、イッキに8000人の登録者が増えていたのだから驚いて当然だろう

VTuber業界で5番手に位置している【コンサート・プリンセス】だが、ベテランライバー達とのコラボ効果で沢山の人がアミの配信を見に来てくれていたので、登録者がイッキに増えた事に気が付いていなかった亜沙美は、その事を教えられて凄く驚いていた

「呆れた…オリビアさん達とのコラボに緊張し過ぎて、自分のチャンネル登録者が爆伸びしてた事に気が付かなかったのね」

「えへへ…半分頭の中真っ白だったから…全然気が付いてなかったよ(笑)」

ケーキと紅茶を食べ終えた亜沙美とロミータは、手短に風呂を済ませようとした。明日からまた学校に行かなくてはならないからだ
だが、何気なくスマホを手に取ったロミータが食い入るようにその画面を見ていた

「どうかしたのロミータちゃん?そんなにジックリ見ちゃってさ?」

「服部さんからメール来てたわ…なになに…亜沙美殿チャンネル登録2万人突破おめでとうございます。それと、かねてから頼まれていた防音室への改装工事の段取りがつきましたので、今週末の土日にお邪魔させてください…だってさ」

どうやら1年先輩で、政府のVIPたちを相手に闇の仕事を請け負っている服部からのメールのようだが…

「うん、それは全然良いし、むしろ有り難いんだけど…どうしてロミータちゃん、そんな難しい顔をしてるのぉ?」

「2万人突破のお祝いに彼の地元の伊賀市にある温泉旅館を予約したから、是非ともご利用ください。だってさ…」

「ほえぇ!ソレは嬉しいねぇ♪でも、ソレじゃ難しい顔はしないよね?何かあるの?」

「2人が温泉旅行に出掛けている間に工事は終わらせておきますが、その旅行に妹の茜も同行させて欲しいでござる。って…」
 <i852489|38903>
「妹?…良いんじゃないかなぁ?」

つまり今度の土日、服部が手配してくれた温泉旅行に出掛けて留守にしている間に、カラオケ配信が出来る防音工事をしてくれるらしいのだが、彼の妹の茜ちゃんの世話もお願いしたい。との事だった



【月曜日の学校】
翌日、いつもの様に投稿した亜沙美とロミータは、昼休みに服部に呼び出され校舎裏に来ていた

「亜沙美殿。チャンネル登録者2万人おめでとうでござる」

「ありがとう服部さん。今度の土日で防音工事してもらえて嬉しいです。それにお祝いに温泉旅行までプレゼントしてもらって、何だか申し訳ないよぉ」

「ちょっと亜沙美。服部さんにそんな事言ったら…」

「えっ!?」

以前、竹取家に侵入し盗聴などをした引っ越し業者を捕まえ制裁してくれた服部。どの様な処置をしたか?は彼女たちには伝えられていないが、その時に得た何かのおこぼれとして「何か要求は無いでござるか?」と聞かれて亜沙美は、防音設備をお願いしていたのだ。だが、そこまでしてもらう事に少し遠慮して下手(したて)な物言いをしたのだが…

「で、では亜沙美殿。防音工事をする代償として【アミー水】を再びお願いしても良いのでごさるか?」

「えっ!?えぇぇェェェ!そ、ソレは駄目だよぉ。絶対にダメぇ!!」

「そ、そうでござるか…では、妹の茜の面倒だけでも宜しくお願いするでござる。何しろまだ中学生の茜に、時折拙者の仕事のサポートをさせているので、たまには労(ねぎら)いをしてやりたかったのでござる」

「う、うん。ソレは任せておいてねぇ」

迂闊な言葉から再び【アミー水】をお願いされそうになった亜沙美だが、今回はキッチリと断ることに成功した

それから毎日、学業とともに配信活動をこなしながら週末を迎えた亜沙美とロミータ。2人は今日から、服部が手配してくれた伊賀市の温泉旅行に向かうのだが…



続く
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