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先輩たちとコラボ配信
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【亜沙美の部屋】
「良い亜沙美?もしかしたらオリビアさんやメルル以外にも、コンプリのメンバーが来てくれるかも知れないからコレを見ておきなさい。なんの予備知識も無いんでしょ?」
「う、うん。聞いている人以外の人が来てくれたら、私ちょっと分かんないよぉ…」
時間は20:20
今夜から亜沙美は【コンサート・プリンセス】の一員として、新たに活動を始める事になるのだが…既に個人勢として半年間の活動実績が有り、チャンネル登録者も12000人を超えている亜沙美は特例として、初配信から先輩たちと凸待ちコラボをする事になったのだ
「ほら、ここを見なさい。コンサート・プリンセス所属のライバーを纏(まと)めた公式の一覧が出てるでしょ?オリビアさん以外が来たらソコを見て、キチンと対処するのよ?オーケー?」
「う、うん。その人のコンセプトとかが書いてあるんだね…はぁはぁ…が、頑張るね…」
ロミータから助け舟を出された亜沙美だが…奥手な性格で半年前まで引き籠もりをしていた弊害が、久しぶりに発症していた
「そうそう。この前会ったオリビアさんだけど、ハンネ(ハンドルネーム)は【ショーツ・アメリカン】だからショーツ先輩って呼ぶのよ?間違っても配信中に【オリビアさん】て呼ぶんじゃないわよ」
「あ、そ、そうだねぇ…私を【亜沙美】って呼んだりされたらマズイ事になっちゃうもんねぇ…そういう事だよね。うん、分かった…」
「( ̄▽ ̄;)本当に大丈夫なの~?一応スマホで亜沙美の配信チラ見しながら配信してるから最悪、配信ほっぽり出して助けに来てあげるけど…ソレは本当に最悪の場合だからね?そうならないように頑張んなさいよ!」
「ふぅー、わかりましたァ!!」
ロミータに発破をかけられた亜沙美は、緊張を吹き飛ばす意味も込めて大きな声で返事をした
「それじゃロミーは自分の配信をしに部屋に戻るわね…キバるのよ亜沙美……愛してるわ♪」
「も、もう。ロミータちゃんはスグにそういうこと言うんだから…でも、ありがとうねぇ♪」
「愛してるわ」ソレが緊張を解す言葉である事を理解できた亜沙美は、普段の表情に戻ることが出来たようだ
【21:00】
「こ、こ、こ、こんばにちわ…あう!?」
✱「新人さん大丈夫か?」
✱「めっちゃ緊張してるやん」
✱「でも可愛くね?」
✱「アミちゃん頑張って」
✱「アミー!負けんなよ」
あれから約30分後、落ち着きを取り戻した亜沙美だったが…配信が始まるまでに再び込み上げてきた緊張感で、ガチガチになっていた
「あ、あの…今日からコンサート・プリンセスに所属させてもらいましたAA(ダブルエー)VTuberの浅宮アミ16歳です…その、よろしくお願いします…」
✱「声可愛いやん」
✱「高校1年ってマ?」
✱「設定やろ?」
✱「初々しいな」
✱「コンプリこれで10人目か」
✱「アミ落ち着いて」
✱「おっ!?もうファン居るん?」
✱「転職組みか」
コメント欄には【浅宮アミ】の事を初見の者と、個人勢からのファンとが入り乱れて独特な空気を生み出していた
「えっと…個人勢として昨日まで半年間、頑張らせてもらってたんですけど…コンプリさんに拾ってもらって今日から、アタタに頑張りましゅ…あ!?」
✱「アタタって北斗かよ」
✱「噛んでるやん」
✱「本当に高校生っぽいな」
✱「アミ完全にビギナーに戻ってるw」
✱「慌てないで」
「スーハースーハー……アミは甘いものが好きです!家事は少し苦手ですけど、一生懸命頑張ります!えっと…あと、先輩のロミーちゃんと同居生活しています!」
✱「ロミーって…ロミー・イングランドちゃん?」
✱「大先輩やん」
✱「百合ってんな」
✱「ロミーちゃんからの口利きかな?」
「そ、そ、そ、そうなんです。ロミーちゃんには毎日のようにお世話になって、何とか頑張れていますぅ!今夜はデビュー配信になりますけど、先輩たちからの凸待ち配信をしようと思いましゅ!」
✱「おいおい大丈夫か?」
✱「気絶すんじゃね」
✱「アミw」
✱「ド緊張してら」
全く緊張が抜けない亜沙美。それもそのはずで、同接人数が彼女の最高記録を上回る15000人に達しているからだ。この人数はアミのチャンネル登録者をも上回っている。何しろ企業からデビューする新人は、注目の的になりやすいからだ
「トゥルルル(無音)…」
その時、会社ラインから亜沙美のスマホを鳴らすコールが無音で来た
「あっ!早速1人目の凸が来ました。お呼びしますね。オ…んっ、ん~…ショーツ・アメリカン先輩です!」
「ハイ、アミ。お邪魔させてもらうわね」
✱「ショーツさん、こんばんわ」
✱「こんばんわ」
✱「大先輩来たー」
「はぁはぁ…ショーツ先輩こんばんわ。よ、ようこそおいでませた…」
「( ̄▽ ̄;)あはは、ガチガチに緊張しちゃってるわね。みんな!アミは話にあったロミーから紹介されて、私が面接をして彼女と契約する事を決めたのよ」
✱「ショーツさんがか」
✱「アミ認められたんやな」
✱「へー、見どころアリって訳か」
✱「期待するか」
「その時は有難うございました!今日からよろしくお願いします!」
「まぁ、マズはその緊張感を何とかしましょうね。そんなんで90分も配信してたら呼吸止まっちゃわない?心配だわ…」
コンサート・プリンセス1番目のライバーである彼女は、何度も新人の配信を見てきたのだが…ここまで緊張している新人は初めてのようだw
「わ、分かってはいるんですけど…どうにも治まらなくて…すみません…」
まだまだ人付き合いが不慣れな亜沙美に、これだけの人数に配信を見られながらで、(ほぼ)初対面の先輩方と話をするのだから、彼女の心臓は既にはち切れそうな程になっている
「慣れれば何とかなるハズだからファイトよ!初配信が寂しくならないように、私から1人声を掛けて連れてきたから、この後はその人とお話するのよ。頑張ってね♪」
「Σ( ˙꒳˙ ;)エ"ッ!?…ソレは聞いてないんですけどぉ…あの、ショーツさ~ん」
「……………………………………………」
✱「行ったな」
✱「サジ投げたな」
✱「アミ~頑張れ~」
✱「最後までもつのか?」
✱「頑張んなさいよっ!」
亜沙美のド緊張ぶりを見兼ねたロミータが、気合いを入れようとコメントをしてくれたのだが…如何(いかん)せんコメントが多過ぎて埋もれてしまった
この後も亜沙美は上手く切り抜けられるのか?
続く
「良い亜沙美?もしかしたらオリビアさんやメルル以外にも、コンプリのメンバーが来てくれるかも知れないからコレを見ておきなさい。なんの予備知識も無いんでしょ?」
「う、うん。聞いている人以外の人が来てくれたら、私ちょっと分かんないよぉ…」
時間は20:20
今夜から亜沙美は【コンサート・プリンセス】の一員として、新たに活動を始める事になるのだが…既に個人勢として半年間の活動実績が有り、チャンネル登録者も12000人を超えている亜沙美は特例として、初配信から先輩たちと凸待ちコラボをする事になったのだ
「ほら、ここを見なさい。コンサート・プリンセス所属のライバーを纏(まと)めた公式の一覧が出てるでしょ?オリビアさん以外が来たらソコを見て、キチンと対処するのよ?オーケー?」
「う、うん。その人のコンセプトとかが書いてあるんだね…はぁはぁ…が、頑張るね…」
ロミータから助け舟を出された亜沙美だが…奥手な性格で半年前まで引き籠もりをしていた弊害が、久しぶりに発症していた
「そうそう。この前会ったオリビアさんだけど、ハンネ(ハンドルネーム)は【ショーツ・アメリカン】だからショーツ先輩って呼ぶのよ?間違っても配信中に【オリビアさん】て呼ぶんじゃないわよ」
「あ、そ、そうだねぇ…私を【亜沙美】って呼んだりされたらマズイ事になっちゃうもんねぇ…そういう事だよね。うん、分かった…」
「( ̄▽ ̄;)本当に大丈夫なの~?一応スマホで亜沙美の配信チラ見しながら配信してるから最悪、配信ほっぽり出して助けに来てあげるけど…ソレは本当に最悪の場合だからね?そうならないように頑張んなさいよ!」
「ふぅー、わかりましたァ!!」
ロミータに発破をかけられた亜沙美は、緊張を吹き飛ばす意味も込めて大きな声で返事をした
「それじゃロミーは自分の配信をしに部屋に戻るわね…キバるのよ亜沙美……愛してるわ♪」
「も、もう。ロミータちゃんはスグにそういうこと言うんだから…でも、ありがとうねぇ♪」
「愛してるわ」ソレが緊張を解す言葉である事を理解できた亜沙美は、普段の表情に戻ることが出来たようだ
【21:00】
「こ、こ、こ、こんばにちわ…あう!?」
✱「新人さん大丈夫か?」
✱「めっちゃ緊張してるやん」
✱「でも可愛くね?」
✱「アミちゃん頑張って」
✱「アミー!負けんなよ」
あれから約30分後、落ち着きを取り戻した亜沙美だったが…配信が始まるまでに再び込み上げてきた緊張感で、ガチガチになっていた
「あ、あの…今日からコンサート・プリンセスに所属させてもらいましたAA(ダブルエー)VTuberの浅宮アミ16歳です…その、よろしくお願いします…」
✱「声可愛いやん」
✱「高校1年ってマ?」
✱「設定やろ?」
✱「初々しいな」
✱「コンプリこれで10人目か」
✱「アミ落ち着いて」
✱「おっ!?もうファン居るん?」
✱「転職組みか」
コメント欄には【浅宮アミ】の事を初見の者と、個人勢からのファンとが入り乱れて独特な空気を生み出していた
「えっと…個人勢として昨日まで半年間、頑張らせてもらってたんですけど…コンプリさんに拾ってもらって今日から、アタタに頑張りましゅ…あ!?」
✱「アタタって北斗かよ」
✱「噛んでるやん」
✱「本当に高校生っぽいな」
✱「アミ完全にビギナーに戻ってるw」
✱「慌てないで」
「スーハースーハー……アミは甘いものが好きです!家事は少し苦手ですけど、一生懸命頑張ります!えっと…あと、先輩のロミーちゃんと同居生活しています!」
✱「ロミーって…ロミー・イングランドちゃん?」
✱「大先輩やん」
✱「百合ってんな」
✱「ロミーちゃんからの口利きかな?」
「そ、そ、そ、そうなんです。ロミーちゃんには毎日のようにお世話になって、何とか頑張れていますぅ!今夜はデビュー配信になりますけど、先輩たちからの凸待ち配信をしようと思いましゅ!」
✱「おいおい大丈夫か?」
✱「気絶すんじゃね」
✱「アミw」
✱「ド緊張してら」
全く緊張が抜けない亜沙美。それもそのはずで、同接人数が彼女の最高記録を上回る15000人に達しているからだ。この人数はアミのチャンネル登録者をも上回っている。何しろ企業からデビューする新人は、注目の的になりやすいからだ
「トゥルルル(無音)…」
その時、会社ラインから亜沙美のスマホを鳴らすコールが無音で来た
「あっ!早速1人目の凸が来ました。お呼びしますね。オ…んっ、ん~…ショーツ・アメリカン先輩です!」
「ハイ、アミ。お邪魔させてもらうわね」
✱「ショーツさん、こんばんわ」
✱「こんばんわ」
✱「大先輩来たー」
「はぁはぁ…ショーツ先輩こんばんわ。よ、ようこそおいでませた…」
「( ̄▽ ̄;)あはは、ガチガチに緊張しちゃってるわね。みんな!アミは話にあったロミーから紹介されて、私が面接をして彼女と契約する事を決めたのよ」
✱「ショーツさんがか」
✱「アミ認められたんやな」
✱「へー、見どころアリって訳か」
✱「期待するか」
「その時は有難うございました!今日からよろしくお願いします!」
「まぁ、マズはその緊張感を何とかしましょうね。そんなんで90分も配信してたら呼吸止まっちゃわない?心配だわ…」
コンサート・プリンセス1番目のライバーである彼女は、何度も新人の配信を見てきたのだが…ここまで緊張している新人は初めてのようだw
「わ、分かってはいるんですけど…どうにも治まらなくて…すみません…」
まだまだ人付き合いが不慣れな亜沙美に、これだけの人数に配信を見られながらで、(ほぼ)初対面の先輩方と話をするのだから、彼女の心臓は既にはち切れそうな程になっている
「慣れれば何とかなるハズだからファイトよ!初配信が寂しくならないように、私から1人声を掛けて連れてきたから、この後はその人とお話するのよ。頑張ってね♪」
「Σ( ˙꒳˙ ;)エ"ッ!?…ソレは聞いてないんですけどぉ…あの、ショーツさ~ん」
「……………………………………………」
✱「行ったな」
✱「サジ投げたな」
✱「アミ~頑張れ~」
✱「最後までもつのか?」
✱「頑張んなさいよっ!」
亜沙美のド緊張ぶりを見兼ねたロミータが、気合いを入れようとコメントをしてくれたのだが…如何(いかん)せんコメントが多過ぎて埋もれてしまった
この後も亜沙美は上手く切り抜けられるのか?
続く
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