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日常編
予想外過ぎる来客
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【アルバート家】
「帰ったぞぉ!」
「帰りましたですの」
倒れたカルーアに何か効くものは無いかと、街に出掛けたヒイロとサーシャが仲良く帰宅したが…2人の顔色は明るくなかった
「すまん…良い物は見当たらなか…」
「ヒイロさん!サーシャさん!…その…あの…た、た、た、大変なんでしゅ!!」
「カルーアに何かあったのか?」
特に良い物が見付からず気落ちして帰宅したヒイロが説明している途中で、普段大人しいミルが血相を変えて2人を出迎えて口を挟んできたので、出掛けている間にカルーアの容態が悪化したのか?と最悪の事態を想定したヒイロとサーシャだが…
「そんなに慌てなくても良いのですよ。お久しぶりですね、ヒイロに我が娘サーシャ」
「その声は…まさか!?お母さまですの!?」
キッチンの椅子に座っている気品溢れる美しさとスタイルの良さを併せ持つ女性が、2人を眺め微笑んでいる。忘れもしない彼女は…【惑星神エリスア】様だ!
彼女はこの星の神様であり、この星の化身でもある。つまり、この星に生きる者すべての母親と言っても過言ではない人物だ
「お母さま」とサーシャは言っているが…もちろんエリスア様が彼女を産んだ訳では無い
「あの…久しぶりに会えたのは凄く嬉しいですの!お母さまが居なければ…お母さまの遺伝子を頂かなければサーシャは既に死んでいますの」
「ふふふ。元気で居てくれて嬉しいわ。サーシャはこの星に生きている私の唯一の家族ですからね」
サーシャは前に、長年蓄積された富裕層の玩具にされ様々な毒を盛られた結果、蝕まれた身体が崩壊し死を迎えている。その時サーシャを助けてくれたのが【惑星神】であるエリスア様だ
「こんな小さな家で大したモテなしも出来ませんが…あの、その、本日はどういったご要件なのでしょうか?」
今までに色々な経験をしてきたヒイロと言えども、突然の神様の来訪に度肝を抜かれている
「カルーアが倒れたでしょう?…普通の治療をしているだけでは…まもなく彼女、死んでしまいますよ?」
「ええ!?本当なんですか?」
「嘘!?カルーアお姉さまが!」
「カルーア死んじゃやなノ!」
突然の通告に驚くヒイロ、サーシャ、コハラコ。だがサーシャはある事に気が付き、急いで乱れた呼吸を整えエリスア様に質問をする
「ですが…惑星神であるお母さまがワザワザ来られている。と言うことはカルーアお姉さまを救う手立てが有る!という事ですよね?」
「はい、その通りです!賢いですねサーシャ、我が娘ながら立派ですね♪彼女を蝕んでいる原因も調べは付いていますよ」
エリスアの落ち着いた態度から、カルーアを助ける手立てがある事を確信するヒイロたち。しかも、この落ち着きようから察するに解決策もそんなに難しい事ではないだろう。と予想される
「カルーアを蝕んでいるモノ、それは…都会病。とでも言えば良いのかしら?」
「【都会病】…ソレは、なんでしょうか?」
ヒイロも初めて聞く単語だった。その場に居る者たち、当のエリスア以外に心当たりがある者は居ないようだ
「エルフとは森林の奥の里で、ヒッソリと暮らす種族なのは知っていますよね?エルフとは魔法に精通した種族。魔法の元であるマナが溢れた森で、生息していればこその種族なのです…早い話が、そのエルフであるカルーアを森から離して生活させ過ぎた為に、マナ不足状態が長引いた為に彼女の身体に拒絶反応が出たのでしょうね」
エリスア様の話によれば…自然の少ない【ヘルメスの街】にある【アルバート工房】で暮らし過ぎていて、自然のマナエネルギーが枯渇して体調を崩したらしい
「あの、すいませんけど…どうすれば治せるのでしょうか?」
「簡単ですよ。家の中に鉢植えを沢山置きなさい。植物に囲まれた場所での生活はカルーアを癒すことでしょう。それと、月に1-2回は…そうですね、ピクニックとかで森林地帯に出掛けると良いでしょうね」
「有難うございます!ミル付いてきてくれ!今から花屋に行ってたくさん鉢植えを買ってくるぞ!サーシャはエリスア様をモテなしていてくれ!」
「ヒイロ。なるべく長く生きる植物を買ってくると良いですよ。長寿のモノほどマナを多く含んでいますからね」
「アドバイス、有難うございます!」
そう言うとヒイロはミルを連れてスグに家を飛び出した!1時間後、2人は大量の鉢植えを抱えて帰宅する。持ちきれなかった分は、お店の人に後から運んでもらう手筈を取った
【更に1時間後】
「ううん……あ、ヒイロ?…それにサーシャ、コハラコも…わたしはどうしたんだい?」
ようやく意識を取り戻したカルーアは、室内を見渡した。出窓の所やテーブルの上、キッチンの片隅など至る所に鉢植えが置かれている
「これは一体どうしたんだい?」
「貴女はエルフなのに自然から離れて生活し過ぎたのですよ、お久しぶりですねカルーア…もう少し自然の中で生活しないと、身体を蝕まられてしまいますよ?」
「えっ!?」
かなり久しぶりに聞く声だが、透き通った美しい声で何者をも包み込むような気配に、カルーアは部屋の1点に視線を向けた
「気分はどうですか?応急処置を致しましたが、少しは元気になりましたか?」
そこに居たのは惑星神エリスアだった
「エリスア様?…どうしてコチラに?」
最近、色々な人たちから【世界の救世主】と持て囃(はや)されているカルーアも、不意に現れた彼女の姿に驚きを隠せないでいた
惑星神であるエリスアがワザワザ、アルバート家にやって来た理由はカルーアの病名を伝えるだけなのだろうか?
彼女が来訪した本当の理由とは?
続く
「帰ったぞぉ!」
「帰りましたですの」
倒れたカルーアに何か効くものは無いかと、街に出掛けたヒイロとサーシャが仲良く帰宅したが…2人の顔色は明るくなかった
「すまん…良い物は見当たらなか…」
「ヒイロさん!サーシャさん!…その…あの…た、た、た、大変なんでしゅ!!」
「カルーアに何かあったのか?」
特に良い物が見付からず気落ちして帰宅したヒイロが説明している途中で、普段大人しいミルが血相を変えて2人を出迎えて口を挟んできたので、出掛けている間にカルーアの容態が悪化したのか?と最悪の事態を想定したヒイロとサーシャだが…
「そんなに慌てなくても良いのですよ。お久しぶりですね、ヒイロに我が娘サーシャ」
「その声は…まさか!?お母さまですの!?」
キッチンの椅子に座っている気品溢れる美しさとスタイルの良さを併せ持つ女性が、2人を眺め微笑んでいる。忘れもしない彼女は…【惑星神エリスア】様だ!
彼女はこの星の神様であり、この星の化身でもある。つまり、この星に生きる者すべての母親と言っても過言ではない人物だ
「お母さま」とサーシャは言っているが…もちろんエリスア様が彼女を産んだ訳では無い
「あの…久しぶりに会えたのは凄く嬉しいですの!お母さまが居なければ…お母さまの遺伝子を頂かなければサーシャは既に死んでいますの」
「ふふふ。元気で居てくれて嬉しいわ。サーシャはこの星に生きている私の唯一の家族ですからね」
サーシャは前に、長年蓄積された富裕層の玩具にされ様々な毒を盛られた結果、蝕まれた身体が崩壊し死を迎えている。その時サーシャを助けてくれたのが【惑星神】であるエリスア様だ
「こんな小さな家で大したモテなしも出来ませんが…あの、その、本日はどういったご要件なのでしょうか?」
今までに色々な経験をしてきたヒイロと言えども、突然の神様の来訪に度肝を抜かれている
「カルーアが倒れたでしょう?…普通の治療をしているだけでは…まもなく彼女、死んでしまいますよ?」
「ええ!?本当なんですか?」
「嘘!?カルーアお姉さまが!」
「カルーア死んじゃやなノ!」
突然の通告に驚くヒイロ、サーシャ、コハラコ。だがサーシャはある事に気が付き、急いで乱れた呼吸を整えエリスア様に質問をする
「ですが…惑星神であるお母さまがワザワザ来られている。と言うことはカルーアお姉さまを救う手立てが有る!という事ですよね?」
「はい、その通りです!賢いですねサーシャ、我が娘ながら立派ですね♪彼女を蝕んでいる原因も調べは付いていますよ」
エリスアの落ち着いた態度から、カルーアを助ける手立てがある事を確信するヒイロたち。しかも、この落ち着きようから察するに解決策もそんなに難しい事ではないだろう。と予想される
「カルーアを蝕んでいるモノ、それは…都会病。とでも言えば良いのかしら?」
「【都会病】…ソレは、なんでしょうか?」
ヒイロも初めて聞く単語だった。その場に居る者たち、当のエリスア以外に心当たりがある者は居ないようだ
「エルフとは森林の奥の里で、ヒッソリと暮らす種族なのは知っていますよね?エルフとは魔法に精通した種族。魔法の元であるマナが溢れた森で、生息していればこその種族なのです…早い話が、そのエルフであるカルーアを森から離して生活させ過ぎた為に、マナ不足状態が長引いた為に彼女の身体に拒絶反応が出たのでしょうね」
エリスア様の話によれば…自然の少ない【ヘルメスの街】にある【アルバート工房】で暮らし過ぎていて、自然のマナエネルギーが枯渇して体調を崩したらしい
「あの、すいませんけど…どうすれば治せるのでしょうか?」
「簡単ですよ。家の中に鉢植えを沢山置きなさい。植物に囲まれた場所での生活はカルーアを癒すことでしょう。それと、月に1-2回は…そうですね、ピクニックとかで森林地帯に出掛けると良いでしょうね」
「有難うございます!ミル付いてきてくれ!今から花屋に行ってたくさん鉢植えを買ってくるぞ!サーシャはエリスア様をモテなしていてくれ!」
「ヒイロ。なるべく長く生きる植物を買ってくると良いですよ。長寿のモノほどマナを多く含んでいますからね」
「アドバイス、有難うございます!」
そう言うとヒイロはミルを連れてスグに家を飛び出した!1時間後、2人は大量の鉢植えを抱えて帰宅する。持ちきれなかった分は、お店の人に後から運んでもらう手筈を取った
【更に1時間後】
「ううん……あ、ヒイロ?…それにサーシャ、コハラコも…わたしはどうしたんだい?」
ようやく意識を取り戻したカルーアは、室内を見渡した。出窓の所やテーブルの上、キッチンの片隅など至る所に鉢植えが置かれている
「これは一体どうしたんだい?」
「貴女はエルフなのに自然から離れて生活し過ぎたのですよ、お久しぶりですねカルーア…もう少し自然の中で生活しないと、身体を蝕まられてしまいますよ?」
「えっ!?」
かなり久しぶりに聞く声だが、透き通った美しい声で何者をも包み込むような気配に、カルーアは部屋の1点に視線を向けた
「気分はどうですか?応急処置を致しましたが、少しは元気になりましたか?」
そこに居たのは惑星神エリスアだった
「エリスア様?…どうしてコチラに?」
最近、色々な人たちから【世界の救世主】と持て囃(はや)されているカルーアも、不意に現れた彼女の姿に驚きを隠せないでいた
惑星神であるエリスアがワザワザ、アルバート家にやって来た理由はカルーアの病名を伝えるだけなのだろうか?
彼女が来訪した本当の理由とは?
続く
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