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日常編

猫族姉妹からの教え

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【サメ焼き屋の夜】
お店の裏の公園の奥深くにミルを誘い、更にその先の小さな森の中にある災害時用の納屋の傍でミルを誘惑するグレイス

仰向けになり足を拡げた彼女に、覆い被さるように身体を重ねるミル

「あっ、あっ…グレイスさん…ボク…もう…」

「我慢しなくて良いニャ…はぁはぁ…盛大に吐き出すと…良いニャ…はぁはぁ…ニャ~♪」

元気が無いミルを気遣うのと、彼の頑張りへのご褒美として彼に抱かれたグレイス。16歳の猫族のグレイスの肌はとても柔らかく、脳を麻痺させるような発情期中の猫族の彼女の甘い香りが、すっかりミルを興奮させていた!

その次に、ミルは布団の上に仰向けに寝かされグレイスが彼に馬乗りになり、激しくを腰を振って気持ち良さを噛み締めていた。つまり主導権はグレイスが握っていたのだ

「ボクは…サーシャさんともした事があるんです…でも、その時も…今みたいに…ボクが玩具の様に扱われていただけなんです…」

「ニャるほどニャ………それじゃミル起きるニャ」

逝ったばかりで、まだ息の整わないミルを立ち上がらせたグレイスは、彼が寝ていた場所に今度は自分が仰向けになった

「今度はミルのやりたい様に私を抱くニャ!ミルの男らしさと欲望を、私に思う存分ぶつけるニャ!!」

グレイスはミルに男の自信を付けさせる為に、自分の身体を彼に提供した

……………………………………………

「はっ、はっ…どうですか?グレイスさん…気持ち良いですか?ボクの感じてますか?」

「ニャ、にゃ…そんな事は聞かなくても…良いのニャ…相手の顔や息遣いを見て分かる様になる事ニャ…自分のキカン棒で満足させた!って…はぁはぁ…思えれば良いのニャ…」

「はっ、はい。分かりました!では…」

相手を気遣いながらヤリたいようにやれ!その言葉がミルを無我夢中にさせた。普段から自分の事を後回しにして、人のことを優先しようとするクセのあるミルに対するアドバイスだった

「そうニャ!凄いのニャ!…うあっ!?はニャ~~……ミルもやれば出来るのニャ♪」

荒々しく抱き締めれたグレイスは、満足そうな顔をしてミルの膝の上に顔を乗せた。まるで猫が人間にゴロゴロ甘えてくる様な仕草だった。それほどグレイスはミルに満足したようだ

「ボクでも、誰かを満足させられるんだ…良かった。嬉しい♪」

ミルは満足気に甘えてきているグレイスを見て、多少なりとも自分に自信が持てようだ。が…翌朝さっそく事件は起こる



【翌朝】
「ミル起きてるニャ?サメ焼き屋の準備を始めるニャ!今朝はキャルトが居ないから忙しいニャ!」

「はい!頑張りましょうね!」

昨夜グレイスを満足させたミルは力強い声で返事をすると、素早く身支度を済ませキッチンに向かった

朝の6時。飲食系のお店の朝は早い。グレイスも身支度を済ませており紅茶の準備をしている

「ガチャ」
「ふあぁ…帰ったよ~。……あれ?キャルトちゃんが居ないんだね…そっか友達の家にお泊まりに行ってるんだっけ?…だったら早めに起こしてくれて良いからね…取り敢えず寝るよ」

BARでの踊り子の仕事を終えた(次期魔王の生みの母親である)テルアがいつもの時間に帰ってきた

「さぁミル。市場に買い出しに行くニャ♪」
「はい!」

帰ってきたテルアに留守番を任せ、グレイスはミルを連れて市場へと向かった。今朝取れたばかりの新鮮な魚たちを購入するのだ



【昼ごろ】
サメ焼き屋は行列を作り賑わっていた

「ただいまニャン!お姉ちゃん、ミル。スグに入るニャン♪ミカンちゃんは並んでもらえる?美味しいサメ焼きご馳走様するニャン♪」

街の東の自然公園前の宿屋を経営する姉妹の妹のミカンと、自然公園のパトロールの仕事をしているドリアンがキャルトを送ってくれた

「おい!こちとら並んで待ってるんだ!横入りすんじゃねーよ!!」

並んでいるお客さんの1人が、キャルトを送ってくれたミカンが横入りして買おうとしている。と勘違いしたようで、ミカンに罵声を浴びせてきた

「あ、あの違うんです…彼女はキャルトちゃんを…」

「あぁん!声がちっせぇんだよ!何言ってんのか分かんねーよ!ちゃんと後ろに並ばせろや!」

勘違いした客のオッサンはミルの言葉が聞き取れず、更にガラの悪い口調が加速していた。昨夜グレイスを満足させて、少しは男の自信が付いたつもりでいたミルだったが、その自信はアッサリと態度の悪いオッサンにへし折られた

しかし、オッサンの背後から伸びてきた手がその人の肩を強く掴んだ!

「おうオッサンよ!俺は自然公園の警備をしているドリアンってもんだがよぉ…」

「な、なんだテメェは…テメェにはか、関係ないだろうが…」

パトロール業をしている体格の良いドリアンにビビったオッサンは、明らかにさっきまでの態度とは180度変わっていた

「俺たちもちゃんと列に並ぶからよ…そんなにギャンギャン吠えんなやっ!他のお客さんに迷惑だろうがよッ!!!」

「ヒィィィィィィィィィィィィ(゜Д゜ノ)ノ」

ゴツイ体格のドリアンに睨まれたオッサンはスッカリ大人しくなり、静かに買い物を終えると、そそくさと立ち去って行った



【その夜】
またしてもミルは男の自信を失い公園のベンチに1人座り込み、チカラ無く沈んでいた

「どうしたのニャン?お腹でも空いたの?」

「グレイ…あっ!キャルトちゃん…」

グレイスとキャルトは、顔だけでなく声もよく似ているので、語尾の「ニャ」か「ニャン」かをよく聞き比べないと、パッと見ではドチラなのか判別が難しい

「…なるほどニャン。昨夜お姉ちゃんを抱いて自信が付いたのに、その翌日に勘違いしたオッサンの前では無力だった自分の姿にまた自信を失くした。って訳だニャン…」

「うん…そうなんだ。本当に情けないよね…」

「ミルはサーシャちゃんが好きなんだニャン?私はミルなら、お姉ちゃんと結ばれても良いとは思ってるけど、サーシャが好きなら頑張るニャン」

「あはは…そうだよね…頑張るしかないんだよね…」

そう言うと、またミルは自信を失い意味もなく下を向いた。ソレを見詰めるキャルトが口を開く

「確かに守るチカラがある男に女は惹かれやすいニャン。でも、チカラが無くても自分が帰るべき場所で待っててくれるだけでも、頑張れる理由にはなるニャン」
 

「…それで良いのかな?」

「十分だと思うニャン。誰も待ってくれる者が居ない家に1人帰るのは寂しいニャン。私はお姉ちゃんが居てくれるだけでも十分幸せニャン!」

「そっか…うん。そうだよね…ありがとうキャルトさん。ボク…少し分かった気がするよ」

「その上で、カッコよかったり強かったりしたら言う事なくなるだけの事ニャン!」

「そうだよね…これから頑張れば良いんだよね…ありがとう」

2日に渡り姉と妹からアドバイスを受けたミルは、少しだけ自分の在り方に答えを見つけられた気がしていた



続く
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