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憎奪戦争編
夜に重なる男女
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【マリニウム城跡】
クーデターが終わり鎮魂と歓迎の宴は夜遅くまで行われた。日が変わる前に終わりを告げると、皆それぞれの場所へ帰って行った。家が残った者は我が家へ、家を無くした者は知人宅へ、そのどちらにも当てはまらない者は城が用意した借宿へ…
【会議室】
宴のあと片付けを騎士や奉公人たちに任せ、ロベルトとミーコ(ボッチ)を中心に明日以降の事について、短い時間ながらも話し合いが行われていた
城の再建に新しい統治の為の役員の選出、おもにロベルトとミーコの手足となって働いてくれる者を決める。更には民たちの生活保護など、決めなければイケナイ事は山積みだった
「それでは明日は城下町の片付けと配膳活動をメインに行い、傷付いた者たちを労う事に重きを置きたいというミーコ様の提案に従う。という事で皆さん宜しいでしょうか?」
「異議なし!」
「前王の政策の失敗の二の舞は踏めない。まずは民たちを優先しましょう!」
「それでは手配は明日の朝に」
クーデターの間マリニウム城に付いてくれた貴族たちとの話し合いも無事に終わり、今夜の会議は終了した。ロベルトと明日の朝8時に会議室で会う約束をして、ミーコ(ボッチ)はラデュードと共に奉公人に案内されて、数少ない無事だった部屋へと案内された
【空き部屋】
ミーコ(ボッチ)とラデュードには、この部屋が以前誰が使用していたのか?知る術もなかったが、取り敢えずこのクーデターを生き延びれた事を喜びあった
「どうしたミーコ、元気ないな…」
取り敢えず描いていた通りに事は運んだのだが…ミーコ(ボッチ)は今にも泣き出しそうな顔をしている。あまりに多くの犠牲者が出たことや、自分が沢山の人を喰らった罪の意識に苛(さいな)まされているのか?とラデュードは思ったが…
「うっ、ううぅぅわあっ!」
「どうしたんだっ?」
突然、絶叫するかのように泣き出したミーコに焦るラデュードが寄り添う
「昼間キミがした事は不可抗力なんだって!今すぐに乗り越えるのは無理でも、気にしすぎるのは良くないぞ」
「そ、それもそうなのですけど…爺やが…爺やが…」
「世話役のお爺さんか?もしかして見つかったのか?」
「ロベルトさんの部下のひとりが、路地裏で斬り殺されているのを発見された。と…」
「なんだって!?爺さんが?」
まずはひと仕事を終えたその日の最後の報せが、長年ミーコ(ボッチ)ちゃんを支えてくれた爺やさんの死亡報告だった
「お爺さんはずっと優しくしてくれたのに…こんな、こんな終わり方って…うあああぁぁぁ!!あ、貴方だけは私の前から居なくならないでくださいね、お願いします!」
ミーコはラデュードにしがみついた
この部屋にはベッドがひとつしか無い。それでも、あの大破壊の中でほぼ無傷で残っていた部屋は数える程で、ロベルトやミーコ、聖騎士勇者隊といった重要人物たちに優先的にまわされていた
そのベッドの上で、ラデュードを押し倒す形でしがみついて泣きじゃくるミーコ
「俺が爺さんの分まで傍で支えるから…」
「ありがとうラデュード……お願いよ、ずーっと私を支えてくださいね。何処にも行かないでくださいね!」
ラデュードは覚悟を決めた
(ボッチちゃんと出会い、彼女を支える事に生涯を費やす。それが俺が生まれてきた運命(うんめい)なのかも知れないな…そうでなくとも、俺は彼女を守り通すんだ!)
彼は心の中でミーコ(ボッチ)ちゃんに永遠の忠誠を誓うことを決めた
「お願い!今夜はこのままで…」
今日1日で受けた悲しみの重さは、彼女がひとりで受け止めるにはあまりにも大き過ぎて、ラデュードの逞しい身体に寄り添わないとパンクしそうなミーコ。彼女が本当に頼れるのはもう彼だけだった
【フィン・フィヨルド別荘の庭】
元魔王(ザッド)の生まれ故郷のフィン・フィヨルド。彼の最大の配下のひとり【消去の魔女】徳川有栖たちに昨夜から、この島で最高の別荘が貸し出されていた。その時、元魔王(ザッド)が西の空に視線を向けた
「どうやらマリニウムの騒動が終わったようだな。さて、ミアナも戻っている頃だろう。それに、いつまでも新婚の邪魔をするような無粋な真似も、そろそろ終わりにしないとな。じゃあな有栖と優輝よ。良い新婚旅行(ハネムーン)を楽しめよ」
「ありがとうございますザッド様」
「感謝しきれないです!」
「そのうちまた、ブルージュ村に遊びに来るんだぞ。良いな!」
元魔王(ザッド)は2人に別れの挨拶を済ませ、【浮遊魔法(レベテート)】でブルージュ村へと飛んで帰って行った。ただ元魔王の魔法力は絶大で、「飛んで行く」と言うより発射された。という感じの速度だった
「それじゃぁ今夜は2人きりで居られるわね♪」
「それなんだけど…有栖。俺は無償の正義の味方にはもう未練は無いけど、他人事のように割り切って楽しむのにはまだ…んぅ!?」
「ぷはっ!もぅバカ優輝っ!こんなに可愛いお嫁さんが恥を忍んで誘っているのよ。少しは男らしく喜びなさいよ!」
「うっ!?有栖……最高に可愛い!!」
実年齢は40歳ではあるが17歳で老化減衰魔法をマスターし、見た目は高校生か?大学生くらいにしか見えない有栖の可愛いアピールに、男心を鷲掴みにされた優輝
「でしょお!他人の心配なんかして、こんな可愛い奥さんを放ったらかしにするなんて許されないんだぞっ!」
「俺が間違ってましたぁ!あーりすちゅわ~ん♪♪好き好き大好き!愛してるよぉ♪」
「あぁん!もぉ、優輝ってば遅いのよ♪」
普段は超強くて超シッカリ者の有栖が魅せた可愛らしい乙女な甘えっぷりに、男の性(さが)を刺激された優輝は彼女が寝転がるベッドにルパンダイブした
【消去の魔女】と【異世界勇者】の2人は、クラウン城やベイ城などがある大陸から、海で隔てたこの島で熱い夜を過ごす事にした
続く
クーデターが終わり鎮魂と歓迎の宴は夜遅くまで行われた。日が変わる前に終わりを告げると、皆それぞれの場所へ帰って行った。家が残った者は我が家へ、家を無くした者は知人宅へ、そのどちらにも当てはまらない者は城が用意した借宿へ…
【会議室】
宴のあと片付けを騎士や奉公人たちに任せ、ロベルトとミーコ(ボッチ)を中心に明日以降の事について、短い時間ながらも話し合いが行われていた
城の再建に新しい統治の為の役員の選出、おもにロベルトとミーコの手足となって働いてくれる者を決める。更には民たちの生活保護など、決めなければイケナイ事は山積みだった
「それでは明日は城下町の片付けと配膳活動をメインに行い、傷付いた者たちを労う事に重きを置きたいというミーコ様の提案に従う。という事で皆さん宜しいでしょうか?」
「異議なし!」
「前王の政策の失敗の二の舞は踏めない。まずは民たちを優先しましょう!」
「それでは手配は明日の朝に」
クーデターの間マリニウム城に付いてくれた貴族たちとの話し合いも無事に終わり、今夜の会議は終了した。ロベルトと明日の朝8時に会議室で会う約束をして、ミーコ(ボッチ)はラデュードと共に奉公人に案内されて、数少ない無事だった部屋へと案内された
【空き部屋】
ミーコ(ボッチ)とラデュードには、この部屋が以前誰が使用していたのか?知る術もなかったが、取り敢えずこのクーデターを生き延びれた事を喜びあった
「どうしたミーコ、元気ないな…」
取り敢えず描いていた通りに事は運んだのだが…ミーコ(ボッチ)は今にも泣き出しそうな顔をしている。あまりに多くの犠牲者が出たことや、自分が沢山の人を喰らった罪の意識に苛(さいな)まされているのか?とラデュードは思ったが…
「うっ、ううぅぅわあっ!」
「どうしたんだっ?」
突然、絶叫するかのように泣き出したミーコに焦るラデュードが寄り添う
「昼間キミがした事は不可抗力なんだって!今すぐに乗り越えるのは無理でも、気にしすぎるのは良くないぞ」
「そ、それもそうなのですけど…爺やが…爺やが…」
「世話役のお爺さんか?もしかして見つかったのか?」
「ロベルトさんの部下のひとりが、路地裏で斬り殺されているのを発見された。と…」
「なんだって!?爺さんが?」
まずはひと仕事を終えたその日の最後の報せが、長年ミーコ(ボッチ)ちゃんを支えてくれた爺やさんの死亡報告だった
「お爺さんはずっと優しくしてくれたのに…こんな、こんな終わり方って…うあああぁぁぁ!!あ、貴方だけは私の前から居なくならないでくださいね、お願いします!」
ミーコはラデュードにしがみついた
この部屋にはベッドがひとつしか無い。それでも、あの大破壊の中でほぼ無傷で残っていた部屋は数える程で、ロベルトやミーコ、聖騎士勇者隊といった重要人物たちに優先的にまわされていた
そのベッドの上で、ラデュードを押し倒す形でしがみついて泣きじゃくるミーコ
「俺が爺さんの分まで傍で支えるから…」
「ありがとうラデュード……お願いよ、ずーっと私を支えてくださいね。何処にも行かないでくださいね!」
ラデュードは覚悟を決めた
(ボッチちゃんと出会い、彼女を支える事に生涯を費やす。それが俺が生まれてきた運命(うんめい)なのかも知れないな…そうでなくとも、俺は彼女を守り通すんだ!)
彼は心の中でミーコ(ボッチ)ちゃんに永遠の忠誠を誓うことを決めた
「お願い!今夜はこのままで…」
今日1日で受けた悲しみの重さは、彼女がひとりで受け止めるにはあまりにも大き過ぎて、ラデュードの逞しい身体に寄り添わないとパンクしそうなミーコ。彼女が本当に頼れるのはもう彼だけだった
【フィン・フィヨルド別荘の庭】
元魔王(ザッド)の生まれ故郷のフィン・フィヨルド。彼の最大の配下のひとり【消去の魔女】徳川有栖たちに昨夜から、この島で最高の別荘が貸し出されていた。その時、元魔王(ザッド)が西の空に視線を向けた
「どうやらマリニウムの騒動が終わったようだな。さて、ミアナも戻っている頃だろう。それに、いつまでも新婚の邪魔をするような無粋な真似も、そろそろ終わりにしないとな。じゃあな有栖と優輝よ。良い新婚旅行(ハネムーン)を楽しめよ」
「ありがとうございますザッド様」
「感謝しきれないです!」
「そのうちまた、ブルージュ村に遊びに来るんだぞ。良いな!」
元魔王(ザッド)は2人に別れの挨拶を済ませ、【浮遊魔法(レベテート)】でブルージュ村へと飛んで帰って行った。ただ元魔王の魔法力は絶大で、「飛んで行く」と言うより発射された。という感じの速度だった
「それじゃぁ今夜は2人きりで居られるわね♪」
「それなんだけど…有栖。俺は無償の正義の味方にはもう未練は無いけど、他人事のように割り切って楽しむのにはまだ…んぅ!?」
「ぷはっ!もぅバカ優輝っ!こんなに可愛いお嫁さんが恥を忍んで誘っているのよ。少しは男らしく喜びなさいよ!」
「うっ!?有栖……最高に可愛い!!」
実年齢は40歳ではあるが17歳で老化減衰魔法をマスターし、見た目は高校生か?大学生くらいにしか見えない有栖の可愛いアピールに、男心を鷲掴みにされた優輝
「でしょお!他人の心配なんかして、こんな可愛い奥さんを放ったらかしにするなんて許されないんだぞっ!」
「俺が間違ってましたぁ!あーりすちゅわ~ん♪♪好き好き大好き!愛してるよぉ♪」
「あぁん!もぉ、優輝ってば遅いのよ♪」
普段は超強くて超シッカリ者の有栖が魅せた可愛らしい乙女な甘えっぷりに、男の性(さが)を刺激された優輝は彼女が寝転がるベッドにルパンダイブした
【消去の魔女】と【異世界勇者】の2人は、クラウン城やベイ城などがある大陸から、海で隔てたこの島で熱い夜を過ごす事にした
続く
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