上 下
150 / 170
化け物たちとの遭遇編

最高に幸せな日

しおりを挟む
【ベイ城メインホール】
「アナンナよ、貴女は病める時も健やかなる時も………永遠の愛を誓いますか?」

「誓います!」

「それではベイ・ガウザー様。貴方は病める時も健やかなる時も………」

「当たり前だっ!!」

「では、誓いの口づけを…」

第1師団長のマイヤーに司会を任せ、地球風の結婚式が執り行われていた。ベイとアナンナが誓いのキスを済ませた後、有栖と優輝も同様に誓いの口づけを行った

「ベイ様バンザーイ!」
「有栖様バンザーイ!」
「アナンナ様おめでとうございます」
「優輝!羨ましいぞー」
「おめでとうございます!」

城内の者全てから祝福されて結婚式を済ませた2組のカップル。城主のベイと魔道士長、最強の魔女とその旦那(ゆうき)なのだから当然である
その後メインホールにはアルコールや豪華な食事の数々が運び込まれ、結婚式場から大宴会場へと変化していた

「よーし!皆の者よ!今日は無礼講だ!料理長に頑張ってもらい美味い飯も酒も山ほど用意させたぞ!お互いの立場などは一切気にせず大いに盛り上がれっ!」

「イヤッホォォォォイイ!!」
「ベイ様おめでとうございます!」
「有栖様おめでとうございます!」

ベイの号令がくだるとメインホールではドンチャン騒ぎが始まった。いつもは手厳しいベイも今日ばかりは、下の者と一緒になって騒いでいた。元々彼も下からの叩き上げなので、上下関係はあまり気にしないタイプなのだ

「なぁ有栖よ…アレが日本式の結婚式とやらなのか?アレは流石に恥ずかしかったぞ(汗)」

「あはははは!ベイ様、よく出来ました。カッコ良かったわよ。アナンナも綺麗よ」
 
「お前、本当はからかってないか?」

「あら貴方様、私は楽しかったですよ」

「ねぇ優輝。私綺麗だった?惚れ直しちゃったかな?」
  

「もちろんさ!俺、有栖と結婚できて何も思い残すことは無いよ!」

「あはは♪死ぬみたいな言い方やめなさいよ。例え優輝が死んだとしても、私が居る限り何度でも生き返らせてあげるわよ♬」

礼儀作法に疎(うと)いベイは、段取りを重視するしきたりに恥ずかしかったようだが、隣に寄り添うアナンナは幸せそうな笑みを浮かべている

「けどさ…俺は目が覚めたら全身バキバキに痛かったよ…それにまた、今回も足を引っ張ってしまったし…申し訳ない!」

今回も自分の行動がみんなに迷惑をかけてしまった事に、凹んでいる優輝。ミントスやミクイが慰めてくれたが…優しさに包まれ過ぎて逆に自分の情けなさに凹んでいた
そんな優輝を離れた位置から見つめる有栖
「.....................」
その後、ドンチャン騒ぎは夜まで続いた



【有栖の部屋】
「ふぅ、少し疲れちゃったね」

「……そうだな…」

やはり優輝は自信を喪失していた。度重なる失敗、とことん周りから心配されていながらも、やらかしてしまった自分。どの角度から見ても情けない己の不甲斐なさに凹んでいた

「ペシッ!」
いきなり有栖は優輝の頭を叩いた

「イテッ!?な、ナニを?」

「えへへ、ねぇ優輝。ご飯にする?お風呂にする?それとも……わ・た・し?(笑)」

「えっ!?えぇ!?」

有栖は元々人の世話焼きが好きな陽キャでは無い。むしろ自分の部屋で研究に没頭したいので、誰にも触られたくない陰キャ側の性格と言える。なのに、ここまで気を使っても一向に持ち直さない優輝に段々腹が立ってきていた

「ほら!付いてきてっ!」

「ちょっと、何処に?」

有栖は優輝の手首を掴むと部屋を出て、どこかへ向かい駆け出して行った



【露天風呂】
「ちょっと有栖、痛いって何処に連れて行くんだよっ?…えっ?露天風呂っ!?」

「だいぶ昔に、どうしても私を専属魔女に迎えたい!って言うベイに交換条件で作らせたんだ。どうよ?結構風情があって良い感じでしょ?」

優輝の手を掴み、半ば強引に彼を連れてきたソコは、まさに日本の露天風呂を思い起こさせるモノだった

「うわぁ、すっげー!まさかコッチの世界にも、こんな立派な露天風呂があるなんて!」

「ほいほい。それはさておき、さぁ入るわよ!…もちろん一緒に入るに決まってるじゃい!…なによ!私の誘いを断れるとでも?」

有栖は強い魔力を放出して凄みを効かせ、アもウも言わせずに露天風呂に引きずり込んだ

……………………………………………

「済まない…あの時、有栖の言うことを聞いてたらあんな事にはならなかったのに…俺がガキみたいな考えで行動したせいで…」

「また反省なの?そんなのはもうイイから、私の背中を洗いなさいよ!ほらほら!」

「あ、あぁ…洗わせてもらうよ…ゴシゴシ…」

「…どう優輝、私の背中は?グッとそそられたりしない?」
  

「えっ!?…うおぉぉぉお!?」
(うおっ!老化減衰魔法すっげー!有栖…こうして改めて見ると…とても40歳には見えねー!なんて綺麗な肌なんだ!ソレにスタイル良いなぁっ!エッチぃ過ぎだろ!……15の俺には刺激が強すぎだって!いや…でも…今日は…今日こそは!)
優輝はいつもの迷惑に詫びを入れようと、込み上げてくる欲情を必死に抑え有栖の背中を丹念に洗った

「ありがとうね。ほら!優輝の身体も洗ってあげるわ」

「よ、良いよ俺は…恥ずかしいし…」

生まれてコノかた人に身体を洗ってもらった事など1度もない優輝は、ものすごく照れている

「馬鹿言わないで!自分だけ旦那様に洗ってもらって、自分は洗い返さないようなそんな恥知らずな女にさせる気なの?」

「うっ!…そうだよな…お願いします(汗)」

そう言われては断りようもなく、優輝は有栖に背中を向けて座った

「ゴシゴシ…」
最強の魔女とは言われても…肉体的には普通の女の子となんら変わりのない有栖の身体はとても柔らかく、たまに肌と肌が触れ合うとその柔らかさを実感する優輝。ソレに気が付いた有栖が彼をからかう

「あれ~優輝どうしたの?キカン棒をそんなにガチガチにしちゃってさー!……私の身体に興奮しちゃったとかー!?あはは(笑)」

(結局またからかわれてるな俺……ミクイが悪戯好き!ってのもあるけど、やっぱり原因は俺にあるんだ…情けない俺を捨てるには、俺が変わらないと!)

「どったの優輝?」

うつむいて黙り始めた優輝を心配する有栖
すると突然!

「うおー!俺はもう素直に生きるぞっ!そんでも皆の意見はガッツリ聞いてシッカリ考える!何度失敗してもメゲズに向上してやるぞ!」

突然叫んだ優輝は、ナニかから解放されたかのように立ち上がった!

「えっ!何?」

イキナリ咆哮とともに立ち上がった優輝に驚いた有栖は、その場にあったタオルを手に取って後ずさったが…優輝は、ハンドタオル1枚の有栖に襲いかかった

「ちょっと、イキナリ過ぎじゃない!?」
  

「うるせー!ポンコツがなんだ!25歳年上がなんだ!俺は……俺が後悔しないように生きてやるぜ!有栖が俺を旦那にしたことを後悔しないようになっ!」

有栖に覆いかぶさった優輝は彼女の両腕を開かせると、あらわになった彼女の胸に吸い付いた

「んあっ!は、激しい…」

「有栖、お前は本当に良い女だ!俺には勿体なさすぎる!けど…後悔させないように頑張るから!俺、頑張るから!」

「あっ!はあぁ…優輝、い、イイー!そうよ、若いんだから失敗を恐れないで!その若さ受け止めてあげるし、ぶっ倒れたら私が起こしてあげるからっ!」

優輝は魅力的な女性、徳川有栖を隅から隅まで露天風呂の中で味わった。この素敵な女がいつまでも、自分の横に居てくれるように…想いを込めて華奢(きゃしゃ)な有栖の身体を味わい尽くした!

有栖の認識阻害(ハードゥーン)を乗り越え、そんな2人の行為を遠目で見つめる者がいた…アサシンマスターのミクイである。優輝を巡る女達の関係はどうなって行くのか?



続く
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

一夏の性体験

風のように
恋愛
性に興味を持ち始めた頃に訪れた憧れの年上の女性との一夜の経験

マッサージ

えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。 背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。 僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

落ち込んでいたら綺麗なお姉さんにナンパされてお持ち帰りされた話

水無瀬雨音
恋愛
実家の花屋で働く璃子。落ち込んでいたら綺麗なお姉さんに花束をプレゼントされ……? 恋の始まりの話。

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

処理中です...