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化け物たちとの遭遇編
森の戦いで魅せるエリエス
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【エルドラ山脈 麓(ふもと)】
木々の間から現れたのは…5体のドラミング・ゴリタソ(いわゆるゴリラ)。太い木々でも薙ぎ倒すパワーと見かけによらない俊敏性を併せ持ちながら、少人数のグループで狩りをする厄介なモンスターだ
「皆さん!彼らも獣神の影響を受けているみたいです!」
彼らを見たエリエスが叫ぶ!
世に知られているドラミング・ゴリタソより、ひと回り大きいサイズなのにも関わらずスピードもアップしていた。5体は前衛に3体、後衛に2体と陣形を組んでいる
「気を付けてですの!ヤツら知恵を持ってますの!」
サーシャは【古代遺跡】の魔物達が連携をして襲いかかってきた時の記憶が脳裏を掠めた
「始まる前に終わらせてやるさ【雷光龍(ジャムルフィン)】!」
カルーアはドラミング達と前衛のアリスとエリエスが接敵する前に、追尾型の中級雷撃を奴の数分の5発を強めの威力で放った!
「ウホホ」
「ウホホイ」
「ウホホイホイ」
カルーアの手から発せられた雷龍を視認できた前衛の3体は、両手で胸板を激しく叩く(ドラミング)により、一定範囲の空間に干渉しカルーアの魔法を打ち消した
「くっ!器用な事をしてくれるじゃないか!」
まさか魔法を使えないタイプの魔物に、自分の魔法が相殺されるとは思っていなかったカルーアは、その事実に気合いを入れ直していた
「ウボーっ!?」
「ウベシッ!!」
だが!雷龍の視認が遅れた後衛の2体は、カルーアの雷龍に焼かれ崩れ落ちた
「アリスお姉様、来ますっ!」
「ヤッちゃうよぉ!」
コチラの前衛、アリスとエリエスが3体を迎え撃つ
「ええいっ!」
「ひらっ!」アリスの攻撃はドラミングに紙一重で避けられたが…
「ウボッ!」
フェイントを入れたエリエスの斬撃は、1体のドラミングの胸板に深い切り傷を付けた
フリーの1体は、アリスよりもエリエスの方が強いと判断したのか?彼女の斬撃後の体勢が崩れたタイミングを狙い、背後からハンマーパンチを繰り出した
(エリエス!右後方から頭部狙いが来ます!)
完全にエリエスの死角からの攻撃だったが、精霊ロマーニャのアドバイスを受けて「クルリ」と身体を捻り攻撃を避けた
「ほぅ…背後から奇襲をかけ、戦闘を有利に運ぶ。その程度の知恵はお持ちですか?…ですが私(ワタクシ)には何も影響はありませんわ!」
「ウボボっ!?」
エリエスの背後から殴りかかったドラミングは、何故今の攻撃が当たらなかったのか悩んでいる様に見える
「エリエスちゃん、大丈夫ぅ?」
2体に狙われたエリエスを心配するアリスだったが…
「馬鹿!姉さん、よそ見しない!」
「ガキイッ!」エリエスの方に気を取られたアリスに、向き合っていたドラミングが渾身のパンチを叩き込んできた
「くひゃう!?」
何とかソードで受け止めたアリスだったが、強化されたゴリタソのパワーはアリスを押し込む!
「カルーアお姉様、発光弾をアリスお姉様の後方に!」
「分かったよ……行けー!」
「ドパアッ!」アリスの後頭部の後ろで、カルーアが放った光の精霊のチカラを集約させた発光弾が眩(まばゆ)い光を放った
「ウボオォ!?」
アリスより背丈の高いゴリタソは、発光弾で目眩しをされた
「アリスお姉様!しゃかんでくださいですの!…憤怒(ふんぬ)ぉぉ…ガンダルハンマーですのっ!」
「ゴキィン!」しゃがんだアリスの上で、サーシャの鉄球がゴリタソの胸板を直撃した!
「今だ、姉さん!」
「wryyyyyyyyyy!【天破豪塵斬(テンハゴウジンザン)】!!」
「ウデブッ!?」
沖田流の奥義のひとつを、まともに喰らったゴリタソは胸元に穴を開けられ、大量の血を流し息絶えた
「エリエスちゃん!加勢に行くから待っててねぇ!」
自分の相手が片付いたアリスは、ドラミングと2対1になっているエリエスを助けに行こうとした。が…
「お待ちください!ここはエリエスに任せてください!」
「えぇ!どうしてぇ?」
加勢を拒まれたアリスは困惑した
「彼女には考えがあるんだろうね。任せてみようよ、危うくなったら加勢すれば良いさ」
「う、うん…」
カルーアに諭されるアリスだが、自分も全く同じゴリタソ相手に1対1でも苦戦していたので、エリエスが心配でならない様だが…
「さぁ、かかって来なさい。エテ公たち!」
エリエスは指で手招きする様に、彼らを挑発した
「ウホホーイ!」
「ウンボォー!」
なまじ知力を得たドラミング・ゴリタソの2体は、エリエスの挑発に軽く乗せられ2体がかりで彼女を攻撃する!のだが…
「ひょい!ひらり…」
まるで型の決まっている演舞でも舞うかの如く、ゴリタソ2体の素早い連続攻撃が一発たりとて、エリエスを掠める事さえ出来なかった
「貴方たちのスピード、パワー、連携パターン。その全てを把握しました…ここまでです。ロマーニャよ、そのチカラを示せ!」
エリエスの掛け声とともに、ロマーニャの精霊力を宿したエクスカリバーが光を放つ!
「ズバッ!ザシュッ!」
「ウボバァっ!」
「ウボシッ!!」
【蝶のように舞い蜂のように刺す】
まるで、ソレを具現したかのような流れる動きで、反撃の可能性すら与えず2体のドラミング・ゴリタソを仕留めたエリエス
「ほあぁ…エリエスちゃん、すごぉい!」
ほぼほぼ我流の剣劇を磨いているアリスは、クラウン王国お抱えのヘパイトスの剣技と、アテナの格闘術を併せ持つエリエスの華麗なる剣劇の美しさに、心を奪われてただ見とれていた
「ふぅ、ご心配お掛けしましたが片付きましたわ(笑み)」
機械の演算処理の様な正確な動きで、その美しくも可愛らしい顔に表情も浮かべずに、返り血を浴びたエリエスの立ち姿は…美しくも有り恐怖をも感じさせた
「ひえぇぇぇ…今のエリエスちゃんと戦ったら、全く勝てる気がしないよぉ…」
練習試合でエリエスはヨシュアにした事があり、そのエリエスにアリスは2度も勝ってはいるのだが…今の正確で隙のない攻防をしたエリエスや、ブラックドラゴン戦で凄く頼もしかったヨシュアに全く勝てる気がしないアリスだった
続く
木々の間から現れたのは…5体のドラミング・ゴリタソ(いわゆるゴリラ)。太い木々でも薙ぎ倒すパワーと見かけによらない俊敏性を併せ持ちながら、少人数のグループで狩りをする厄介なモンスターだ
「皆さん!彼らも獣神の影響を受けているみたいです!」
彼らを見たエリエスが叫ぶ!
世に知られているドラミング・ゴリタソより、ひと回り大きいサイズなのにも関わらずスピードもアップしていた。5体は前衛に3体、後衛に2体と陣形を組んでいる
「気を付けてですの!ヤツら知恵を持ってますの!」
サーシャは【古代遺跡】の魔物達が連携をして襲いかかってきた時の記憶が脳裏を掠めた
「始まる前に終わらせてやるさ【雷光龍(ジャムルフィン)】!」
カルーアはドラミング達と前衛のアリスとエリエスが接敵する前に、追尾型の中級雷撃を奴の数分の5発を強めの威力で放った!
「ウホホ」
「ウホホイ」
「ウホホイホイ」
カルーアの手から発せられた雷龍を視認できた前衛の3体は、両手で胸板を激しく叩く(ドラミング)により、一定範囲の空間に干渉しカルーアの魔法を打ち消した
「くっ!器用な事をしてくれるじゃないか!」
まさか魔法を使えないタイプの魔物に、自分の魔法が相殺されるとは思っていなかったカルーアは、その事実に気合いを入れ直していた
「ウボーっ!?」
「ウベシッ!!」
だが!雷龍の視認が遅れた後衛の2体は、カルーアの雷龍に焼かれ崩れ落ちた
「アリスお姉様、来ますっ!」
「ヤッちゃうよぉ!」
コチラの前衛、アリスとエリエスが3体を迎え撃つ
「ええいっ!」
「ひらっ!」アリスの攻撃はドラミングに紙一重で避けられたが…
「ウボッ!」
フェイントを入れたエリエスの斬撃は、1体のドラミングの胸板に深い切り傷を付けた
フリーの1体は、アリスよりもエリエスの方が強いと判断したのか?彼女の斬撃後の体勢が崩れたタイミングを狙い、背後からハンマーパンチを繰り出した
(エリエス!右後方から頭部狙いが来ます!)
完全にエリエスの死角からの攻撃だったが、精霊ロマーニャのアドバイスを受けて「クルリ」と身体を捻り攻撃を避けた
「ほぅ…背後から奇襲をかけ、戦闘を有利に運ぶ。その程度の知恵はお持ちですか?…ですが私(ワタクシ)には何も影響はありませんわ!」
「ウボボっ!?」
エリエスの背後から殴りかかったドラミングは、何故今の攻撃が当たらなかったのか悩んでいる様に見える
「エリエスちゃん、大丈夫ぅ?」
2体に狙われたエリエスを心配するアリスだったが…
「馬鹿!姉さん、よそ見しない!」
「ガキイッ!」エリエスの方に気を取られたアリスに、向き合っていたドラミングが渾身のパンチを叩き込んできた
「くひゃう!?」
何とかソードで受け止めたアリスだったが、強化されたゴリタソのパワーはアリスを押し込む!
「カルーアお姉様、発光弾をアリスお姉様の後方に!」
「分かったよ……行けー!」
「ドパアッ!」アリスの後頭部の後ろで、カルーアが放った光の精霊のチカラを集約させた発光弾が眩(まばゆ)い光を放った
「ウボオォ!?」
アリスより背丈の高いゴリタソは、発光弾で目眩しをされた
「アリスお姉様!しゃかんでくださいですの!…憤怒(ふんぬ)ぉぉ…ガンダルハンマーですのっ!」
「ゴキィン!」しゃがんだアリスの上で、サーシャの鉄球がゴリタソの胸板を直撃した!
「今だ、姉さん!」
「wryyyyyyyyyy!【天破豪塵斬(テンハゴウジンザン)】!!」
「ウデブッ!?」
沖田流の奥義のひとつを、まともに喰らったゴリタソは胸元に穴を開けられ、大量の血を流し息絶えた
「エリエスちゃん!加勢に行くから待っててねぇ!」
自分の相手が片付いたアリスは、ドラミングと2対1になっているエリエスを助けに行こうとした。が…
「お待ちください!ここはエリエスに任せてください!」
「えぇ!どうしてぇ?」
加勢を拒まれたアリスは困惑した
「彼女には考えがあるんだろうね。任せてみようよ、危うくなったら加勢すれば良いさ」
「う、うん…」
カルーアに諭されるアリスだが、自分も全く同じゴリタソ相手に1対1でも苦戦していたので、エリエスが心配でならない様だが…
「さぁ、かかって来なさい。エテ公たち!」
エリエスは指で手招きする様に、彼らを挑発した
「ウホホーイ!」
「ウンボォー!」
なまじ知力を得たドラミング・ゴリタソの2体は、エリエスの挑発に軽く乗せられ2体がかりで彼女を攻撃する!のだが…
「ひょい!ひらり…」
まるで型の決まっている演舞でも舞うかの如く、ゴリタソ2体の素早い連続攻撃が一発たりとて、エリエスを掠める事さえ出来なかった
「貴方たちのスピード、パワー、連携パターン。その全てを把握しました…ここまでです。ロマーニャよ、そのチカラを示せ!」
エリエスの掛け声とともに、ロマーニャの精霊力を宿したエクスカリバーが光を放つ!
「ズバッ!ザシュッ!」
「ウボバァっ!」
「ウボシッ!!」
【蝶のように舞い蜂のように刺す】
まるで、ソレを具現したかのような流れる動きで、反撃の可能性すら与えず2体のドラミング・ゴリタソを仕留めたエリエス
「ほあぁ…エリエスちゃん、すごぉい!」
ほぼほぼ我流の剣劇を磨いているアリスは、クラウン王国お抱えのヘパイトスの剣技と、アテナの格闘術を併せ持つエリエスの華麗なる剣劇の美しさに、心を奪われてただ見とれていた
「ふぅ、ご心配お掛けしましたが片付きましたわ(笑み)」
機械の演算処理の様な正確な動きで、その美しくも可愛らしい顔に表情も浮かべずに、返り血を浴びたエリエスの立ち姿は…美しくも有り恐怖をも感じさせた
「ひえぇぇぇ…今のエリエスちゃんと戦ったら、全く勝てる気がしないよぉ…」
練習試合でエリエスはヨシュアにした事があり、そのエリエスにアリスは2度も勝ってはいるのだが…今の正確で隙のない攻防をしたエリエスや、ブラックドラゴン戦で凄く頼もしかったヨシュアに全く勝てる気がしないアリスだった
続く
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