上 下
93 / 170
化け物たちとの遭遇編

調査隊結成

しおりを挟む
【冒険者ギルド】
今日は難易度S級の【古代遺跡調査】の為に腕に自信(死ぬ覚悟)の有る者達が、冒険者ギルド内に集まっていた

「あっ!アリスお姉様っ!」

掲示板の前に居たエリエスが、アリスを見付けて笑顔で走り寄ってきた

「エリエスちゃんも来たんだねぇ。あ!…こんにちはアテナ様、ご無沙汰してますぅ!」

エリエスは祖母のアテナと共に来ていた

「アリスちゃん、久しぶりじゃのう。武闘会で戦えなかったのが残念じゃわい。エリエスから聞いたぞえ…地球とやらで、あの沖田流の師範代とやらから奥義を教わってきたそうじゃな!今度、時間があれば手合わせ願いたいのぅ(笑)」
 

「えぇ!?アタシじゃアテナ様の相手になんか、なれないよぉ…」

今回、古代遺跡調査の為の猛者が募集されているのだが、エリエスよりも60歳を超えているアテナの方が乗り気になっているみたいだ。その証拠に臥龍族の秘伝奥義をアリスが身に付けて帰ってきた。と言う話に興味津々のようだが…実際にアリスVSアテナの試合が行われれば…結果は火を見るより明らかだろう

「そういえばアテナさん。今日は若い姿で来られたんですね?」

「ほっほっほ♪最近エリエスやサーシャちゃんから強い生気をもらって長い時間を若い身体で過ごしてたら、ババアの姿で移動するのが苦痛でのぅ(笑)」

カルーアからの質問に笑いながら返事してくれたアテナ。そのカルーアにヨシュアが話しかける

「おい、カルーア」

「何さ?(最近ヨシュアくん、馴れ馴れしくないか?)」

カルーアからすれば、幼いヨシュアといえど元魔王の息子なので、今でもまだ警戒しているのだが…彼は気軽に話しかけてくることに多少、戸惑っていた

「あの婆さんだけど凄いな。俺でも勝てないかもしれねーぜ」

「そりゃあね。武闘会でキウさんを撃破して優勝したのは彼女だからね」

「何っ!マジかよ!?あの婆さんが父さんを破って優勝した【舞闘女神】なのかよ?とんでもねぇ奴なんだな…」

「ヨシュア様~他所の人が居る場所で~キウ様を~【父さん】と呼ぶのは~マズイですよ~」

ヨシュアの父親【ザッド】は、過去に自爆して肉体を失い妻の身体に憑依しているので、見た目は完全に女性である。そんなキウを【父さん】と呼んだら疑問を持たれて当然である


「腕に自信のある冒険者の皆さん、今回はS級指定の任務のクエストによく集まってくれました。ギルマスも心からお礼を言いたい」

「参加立候補の方は既に募集の張り紙から、今回のクエストの内容を認知されていると思いますが、再度説明させていただきますね」

冒険者ギルドのマスターに続いて、受付嬢から再説明が加えられた

「今から1週間ほど前、このヘルメスの街から西に約30kmの地点に古代遺跡が現れました。同じ日にクラウン城に現れた、獣神ファルバァスが放った波動にあてられたのが原因だろう?と言われています
エルフ族の伝記書に記載されている滅びた都市の名残り。と言われている【フェルニゲス遺跡】が姿を現しました
それ以降、その周辺に生息している魔物達が突然、強化and凶暴化され、周辺地域で被害をもたらしています。昨日【アルバート1家】の活躍で遺跡の入り口に居た、2体の魔装兵器(ガーディアン)が撃破されました」

「おぉー!!」
「マジかよ?すげぇな」
「アルバート1家、さまさまだな」

冒険者達はカルーア達の先週のファルバァス討伐戦に続く、今回の活躍に歓喜に湧いている

「ですが!彼らの調査に寄ると…ソコは遠い世界からやって来た古代人が、進化した人型生命体【超人類】を育成計画する為の実験場だと解りました
地下5層からなる実験場の何処かに、魔物達を活性化させている装置のような物がある筈です。今回の調査はソレの停止、ないしは破壊が目的となります
当然ですが、実験場には想像を絶する化け物達が居る筈です。先日クラウン城の王から直々に、S級冒険者に選抜されたカルーアさんですら、危険を察知し一旦帰還された程です。それだけ、今回のクエストは最高危険度のSS任務を新設し、これに指定する事にしました!」

「なんだか、とんでもなくヤバいクエストみたいね。ヒイロ」

「シェリーとシャルル!それにガルダンさんじゃないか?戻っていたのか?」

美人双子姉妹のAランク冒険者のパーティも、今回の任務に参加する様だ

「ふふ、シャルルさん。今回のクエストで活躍して、ヒイロに出来るとこをアピールする気かい?」

「もちろんよ!…って言いたいけど…S級昇格おめでとうエルフっ娘。残念だけど、貴女とは差が開き過ぎてしまったみたいね。はぁ…強さでも若さでも、これだけ差を付けられたら諦めるしかないじゃない!」
 

今まで散々カルーアと張り合って来た、この街きっての魔法使いと言われていたシャルルも、既に張り合う気は無い。と発言をしているが、ヒイロを見つめるその瞳は…まだまだ恋する乙女だったのを、カルーアはしっかり確認した


「皆さん!静粛に願います!…凶暴化した魔物がこのまま増大すれば、このヘルメスの街にとっても驚異になります
先週の武闘会で優勝したアテナさんに加え、準優勝したキウさんの息子さんとその付き添いのエルフの方まで参加してくださるこの機に、何としても魔物の凶暴化を止めて欲しいのです
あまりに高難易度のクエストの為、参加された冒険者全員にAランククエストの達成報酬を払い、活躍された冒険者にはその数倍…または10数倍の報酬も用意しています
これはクラウンからも補助金を頂いています。それだけの重要なクエストなのです!」

この冒険者ギルドに入り浸っている冒険者でさえ、今まで見たことが無いギルマスの鬼気迫る説明に、改めてこのクエストの難易度の高さを知る冒険者達だった


「もうひとつ加える話があります!今回のクエストにどれだけ腕に自信があっても、鍛冶師の方の参加はご遠慮願いたいのです
鍛冶師は冒険者以上に替えの効かない人材です。よろしくお願いしますね…今から30分待ちます。このクエストに参加する覚悟が出来た方は、カウンターの私達のところにクエスト受理をしに来てください」

そう説明すると、ギルマスと受付嬢はカウンターに下がった

「ちっ…説明に長々と時間を掛けたな…ソレに30分も要らねーぜ」

「ヨシュア様~あの魔装兵器(ガーディアン)に~私達でさえ~あれだけ苦労したのですから~知らない人には~考える時間が~必要なんですよ~」

短気なヨシュアをなだめるエルデス。これこそがエルデスがキウに派遣された理由なのだろう。まもなくクエスト参加締め切りの時間になろうとしていた



続く
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

一夏の性体験

風のように
恋愛
性に興味を持ち始めた頃に訪れた憧れの年上の女性との一夜の経験

マッサージ

えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。 背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。 僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

落ち込んでいたら綺麗なお姉さんにナンパされてお持ち帰りされた話

水無瀬雨音
恋愛
実家の花屋で働く璃子。落ち込んでいたら綺麗なお姉さんに花束をプレゼントされ……? 恋の始まりの話。

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

処理中です...