ようこそ幼い嫁候補たち ②

龍之介21時

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化け物たちとの遭遇編

お祝いと別れの宴

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【アレクス城】
「フュール様!たまには魔導師たちにフュール様の高等魔法を教えてあげてやってもらえま……んぅ!?なんだか良い匂いがしますな…
あっ!有栖様、おかえりになられていましたか?そちらの方々は?」

神官のロキシードは、アレクス城の魔法使いの指導員でもある。その魔法使いの中でも才能のある魔導師たちへの指導は、本来フュールの役目なのだが、今日は全く指導に来ないので呼びに来たようだ

「あら、ロキシー。それは悪かったわ。でも見て驚きなさい。有栖が帰ってきたのよ♪それも、そこに居る男と結婚したんだって!ビックリよねぇ(笑)」
 

「あらロキシード。元気そうね、帰ってきたよ。横に居る彼、優輝と結婚したんだ。ソコに居る女2人は彼の保護者みたいなもんよ」

「えっ?…えぇ!?そ、そうでございますか?」

ロキシードは有栖の帰宅に驚いたが、見知らぬダークエルフとアサシンが居ることにも驚いた。更に人間からはもちろん、魔族からも恐れられている【消去の魔女】がまさかの、結婚していた事に驚かされた

「それでさロキシー。有栖の結婚パーティを開きたいから、アレクスを呼んできてよ。それと、今日は全員休暇にするわよ。有栖が故郷から山ほど食材を持ってきてくれたから、城の者全員にご馳走してあげないとね」

有栖は故郷の伊勢市から、お土産の海産物を出し入れ自由な異空間アイテムボックスに入れて、大量に持ってきていた


【結婚パーティ】
「あぁ!?メイビー様、それは熱うございますからお待ちください」

「あう、あうぅ!」

アレクスが倉庫から大きな鉄のプレートを持ってくると、彼自慢の怪力で中央部を凹ませ、プレートにバターを塗り、その上に海産物を並べ、下からフュールの熱魔法で食材を焼いていた

「ふぅー、ふぅー……ささ、どうぞメイビー様。あーん」

「あむあむ……まいうー!」

メイビーの世話係をしているエーデは、ムニエルしたホタテを細かくちぎりメイビーに少しずつ食べさせると、彼女は笑顔で喜びの声をあげていた

「おお!この日本酒とやらは美味いな!ハマグリとやらと併せて頂くと胃に染み込むぞ!」

城主のアレクスは、海産物のムニエルと日本酒を堪能していた

「俺の故郷の名産なんです。気に入ってもらえて良かったです」

優輝は伊勢の海産物をみんなに気に入ってもらえて喜んでいる

「このエイビーとやらは抜群に美味いな。もっとくれ!」

ミントスはヤケ酒を浴びながら、気に入った海老を頬張っている

「有栖様、ご結婚バンザーイ!」
「優輝様、バンザーイ!」

アレクス城の兵士達にも海産物は振る舞われた。伊勢市場の海産物を丸ごと買い占めてきたらしく、城のみんながたらふく食べても十分な量があった

「ありがとうね有栖。城のみんな喜んでいるわ。私たちが結婚した貴方達をもてなさなきゃイケナイのに、なんか悪いわね」

「良いのよ、良いのよ。相談も無しに結婚して、事前報告もなしにイキナリ来たんだから仕方ないよ」

クラウン城でも明かされたが、徳川有栖は25年前にイキナリ召喚されたうえに、人外の如き扱いをされ紙一重で生き延びた過去がある
そんな彼女にとって【友達】と言えるのは、【渇望の魔女フュール】だけだった

「本当、この日本酒は美味しいわ」

「気に入ってくれたみたいね。あるだけ買い占めてきたから、在庫は山ほどあるからね(笑)」

「もしかしてだけど、コレは餞別でもあったりする?」

魔法の天才と言われたフュールに、より高度な魔法を教えてくれた者など有栖しか居ない。
彼女からしてみても、有栖はかけがえのない親友だった

「あはは。相変わらずフュールは鋭いね……うん、ベイの所に帰るわ。しばらく会えないと思う」

「そっか…寂しくなるわね。また、何時でも遊びに来なさいよ?」

「もちろんよ!今日の大盤振る舞いのお返しをしてもらわないとね(笑)……大好きよフュール」

「ふふ、ありがとう。おいお前!お前だよ!」

優輝はヤケ飲みヤケ食いで、ベロベロになっているミントスの世話を焼いていた
フュールに呼ばれても返事しなかったので、彼女は彼の背中を背後から蹴った!

「痛え!あっ、すいません。何でしょうか?」

「有栖はな、私の唯一の親友なんだ、解るか?…もし、コイツを泣かせでもしたら私の魔界の炎で魂まで焼き尽くすからな!心しとけよ!」

「あはっ!優輝、彼女の炎は鉄製品をも気化させる熱量だから、覚悟しといた方が良いわよ(笑)」

「はい!頑張ります!」

フュールの鋭い眼光に【蛇に睨まれた蛙(かえる)】になった優輝
アレクス城は翌日の朝まで、賑やかな晩餐が続いた



【アルバート工房】
「そうか…そんなにヤバい魔装兵器(ガーディアン)が守護している遺跡だったのか」

「そうなんだよ。その遺跡から発してるエネルギーが、付近の魔物達を活性化させている感じだったよ」

「地下の~実験場に潜り込んで~そのエネルギーの~発生装置とやらを破壊しないとね~周辺は危ないですね~」

ハイエルフのカルーアと、エルフ神官のエルデスは古代遺跡から発生していたエネルギーが、周辺の魔物を活性化させているだろう
という答えに辿り着いていた

「まぁ!そんな危険な遺跡だったんですの?…地下の調査の時にはサーシャもついて行きますの!何かあったら大変ですの!」

「ところでさ、サーシャ、ヒイロ。なんだか朝に見た時より…顔がツヤツヤしていないかい?」

「うっ!?」
「ギク!ですの…」

カルーアはヒイロとサーシャを交互に探るように睨み付けた!

「まさか?ヒイロとサーシャ、わたし達がS級指定されているガーディアンを討伐している時に楽しんだのかい?」
 

ヒイロを愛しているカルーアにしてみれば、出掛けている隙の浮気など許せる筈が無い!

「あ、いや…そのな…」
「ミルちゃんの具合が気になりますので、サーシャはこれで…」

「待って!2人とも座って!!」

言い訳するヒイロと、逃げようとするサーシャを座らせ、カルーアは説教タイムに突入した

「なんで浮気するんかね?」

まだ異性の経験が少ないヨシュアからすれば、好いてくれる相手が居るのに別の女に手を出す事が理解出来ないようだ

「ヨシュア君は浮気しないぃ?」

「あったりめーだろ!」

アリスの問いに迷いなく答えるヨシュアだった
翌日、古代遺跡の調査方針が決まり、冒険者ギルドに呼び出されたアルバート1家



続く
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