ようこそ幼い嫁候補たち ②

龍之介21時

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アリス IN 異世界地球

アリスの帰還と大反撃

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【惑星神エリスア】
「もう!私の星の子供たちが全滅しちゃうじゃない!どうしたら良いの!?…ん?アレは…彗星?…いえ、通常の3倍のスピードで近づいて来るわ!……地球からアリスちゃんが帰還して来るの?……そうだ!【賢者の石】のチカラは魔法ではないわ…それなら!」



【地上】
「ふひゅー…今ので魔獣どもは、とりあえず全て片付いたかのぅ……むおっ!?」

「バシュウゥゥ…」【武闘女神】アテナは全身から蒸気みたいなのを吐き出した

「お、お祖母様!」

蒸気が消えるとアテナは実年齢の60代の姿に戻っていた

「むぅ…チカラを使い過ぎて、吸わせてもらった生気が尽きおった様じゃのう…」

「お祖母様、1度戻ってしまうとスグには若返られないのですよね?向こうに緊急設置された回復所が有ります。そちらで少し回復させて貰ってはどうでしょうか?」

「そうするかのぅ…ん?何じゃぁ!?」

「ズガガアァァン!!!」アテナ達から500メートル程離れた場所に、巨大な何かが墜落した

「獣神ファルバァスかえ?」

今まで、どうあっても降りて来なかったファルバァスが突如地表に墜落した!あまりの衝撃に周囲には粉塵が大量に舞い、まるで濃霧のように景色を包み込んでいた

「はーはっはっは!アリスちゃん見参っ!」
 

地球から帰還するアリスを運ぶ【賢者の石】の転移門の光の柱が、ファルバァスを地上に叩き付ける矢の役割を果たした!
ファルバァスのボディの上で、偉そうに踏んぞりがえって高笑いするアリス



【上空5000メートル】
「よっしゃぁ!狙い通りね!」

厄介なファルバァスを地上に叩き落とすことに成功し、誰にも見えない場所で大喜びしている惑星神エリスア様


「何故かは分かりませんけど…ファルバァスが墜落しましたね。お師匠様!……お師匠様?」

ファルバァスが浮かんでいた辺りで、1人ガッツポーズをしているエリスア。もちろん神のチカラで姿を消している彼女の姿は、この星の者には見えないようにされているのだが…

「まるで少女のように喜んでいるわねw」

ただ、地球から転移させられ【消去の魔女】と恐れられるまで魔法を極めた有栖には、無邪気に喜ぶ彼女の姿が見えていた



【我流の斬撃】
「くそぅ!せっかく獣神が堕ちたと言うのに…1度下がらねばならんとは!…エリエス、無茶はするでないぞ!」

「お任せ下さい、お祖母様。行くわよロマーニャ!一番槍はこのエリエスが…」

生気を吸って若返ることが出来るアテナだが…1度変身が解けると1時間近くは若返ることが出来ない。仕方ないのでその間、安全な場所に退避しようとしたクーパー祖母と孫娘だが…
その時、2人の横をとんでもない勢いでファルバァス目掛けて飛んでいく物体があった

「散々焦らしやがって獣野郎がぁ!今まで暴れてくれやがった分を喰らいやがれぇー!!」

ミンクのサポート魔法を受けて超加速したドレイクが、臥龍の大剣を振り上げファルバァスに襲い掛かった

「ギシェェェッ!!」

かつて魔族の将【ベイ・ガウザー】をも圧倒した臥龍族大隊長の大剣が、ファルバァスの背中に突き刺さった!
その時に発生した凄い風圧は…そのスグ近くに居たアリスを吹き飛ばした!

「嘘ぉ!何でぇっ!?」

ファルバァスは全長1kmの巨体なので、その背中辺りから落ちる、という事は超高層ビルから落ちる様なものだ!

「死んじゃうっ!帰ってきてイキナリ死んじゃうよぉ!!みんなァ!!」

地上に向けて急降下するアリス

「ガシッ!」そんな彼女を地上激突前に受け止めたのは、彼女の義理の妹カルーアだった。肉眼では観測できないほど離れてはいたが、魔法探知でアリスの存在を感じ取っていたようだ
飛行魔法で空に浮かび姉のアリスをしっかりキャッチしたカルーア

「カルーアぁ!」

「お久しぶり姉さん…ようやく帰ってきたんだね…もぉ、遅いんだよっ!凄く心配したんだからねっ!」
 

1ヶ月以上ぶりに姉アリスの温もりをその腕で感じているカルーアには、熱く込み上げるものがあった

「カルーアったら、いつの間にか飛行魔法まで覚えてたんだねぇ、凄いなぁ…そうだ、ありがとうねぇ!」

王都クラウンを散々破壊した獣神ファルバァスに対し、ようやく大反撃の好機が訪れているのだが、姉妹はそんな事はお構い無しに再会の感動を噛みしめていた


「天破豪塵斬(テンハゴウジンザン)!!」

突き刺した大剣を抜き、再び地上に降り大地を踏みしめた臥龍族のドレイクは、母の小町から伝授された沖田流剣術の奥義をファルバァスに叩き込んだ!

「エリエス・スペシャル!!」

精霊剣ロマーニャのチカラを纏(まと)わせたエクスカリバーで、エリエスも必殺剣を叩き込んだ

「ギシェェェアァッ!」

おそらく獣神ファルバァスは、これ程までのダメージを受けるのは初めての事だろう
王都クラウンに集まっている名だたる戦士達が、集中的に獣神に斬撃を加え始めた。群がるハエを叩き落とすが如く、数百本の触手を振り回し何人かを吹き飛ばす!ソレはアリスとカルーアも襲う

「させるかっ!」

「ズバッ!」カルーアの飛行魔法に遅れて到着したヒイロが、アリスとカルーアを襲おうとした触手をソードで斬った
無数の触手のそれ以外をカルーアが魔法で風圧を作り、当たらないように押し退けていた

「おかえりアリス。無事な様子でなによりだ!会いたかったぞ!」

「ぐすっ…えぎゅうぅ…ヒイロお兄ちゃぁぁん!カルーアぁぁ!…ごめんねぇ、ごめんねぇ!」

カルーアとヒイロと再会したアリスは、ようやく家族の元に帰って来た実感が込み上げてきたので、感極まって大泣きを始めた

「その娘が…地球に転移していた長女か…お前達は下がっていろ。ここは、俺たちが片付けてやる!」

大剣を握るキウが、凄まじい闘気を纏いファルバァスに斬り掛かる

「ワシの出番も残しとかんかーい!」

どうやら、同じ避難所で治療活動をしていたサーシャから回復魔法を受けて、再び若返った姿のアテナが光の様な速さでファルバァスに突進した

「超!破壊力ぅ!!」

アテナは速度にパワーを乗せた拳激で、ファルバァスを乱打し始めた

「ギュバアァァ!!」

地上に落とされた途端、猛者達の大反撃にあい悶絶の叫びを上げるファルバァス。腕に覚えのある他の戦士たちもチカラを振り絞り一丸となって、地上に落ちた獣神に攻撃していた

「どうやら、このまま終わりそうですね……お師匠様!」

「……だと良いんだけど…」

魔法使い系である徳川有栖とミアナ・ラドシャは断末魔の叫びを上げるファルバァスを眺めていた



続く
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