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アリス IN 異世界地球
裁きの矢
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【伊勢の漁港】
「ぐおぉ…か弱い岸田のチカラじゃ…ない!」
ヴォィド化を始めた岸田は、まるでヴォィド化するアリスの様に身体が肥大し始めていた
岸田は佐々木を襲い、今にも彼の身体に噛み付こうとしている
「よりにもよって…アリスちゃんが居なくなった直後に、こんな事になるなんて…なんてこった!」
そう言った師範代は覚悟を決め、乗用車の車内に携行している護身用の木刀を握り締めた
「許せよ!」
師範代は岸田の後頭部目掛けて、木刀を力いっぱい振り下ろした!
「ベキイッ!!」
岸田の後頭部に命中した木刀は、激しい音ともにへし折れてしまった
「くそ!ヴォィド化が進んでいるのか!?」
襲われた直後は佐々木と岸田のチカラは拮抗していたのだが…彼女のヴォィド化が進むにつれ筋肉量が増加して硬くなりパワーも上昇し、徐々に佐々木の方が押されている
「岸田さん、止めてぇ!」
叫ぶ優香だったが、岸田の耳には届いていないようだ。その横で立ち尽くす宗一郎
(アリスちゃんが居れば、取り押さえてくれただろうに……ん?アレは?)
宗一郎はアリスが光の柱に飲まれて消えたその場所に、アリスの愛用していた短い方のソードがある事に気が付いた!
「アリスちゃんの置き土産!借りるよ、えやあっ!」
宗一郎はアリスのソードを握り、岸田の首筋目掛けて一撃を入れた
「ギイッ!?」
「ドサッ!」アリスの兄【ヒイロ】が彼女の為に作った短い方のミスリルソードが、暴れる岸田を抑える一撃になった。崩れ落ちた岸田は気絶していた
「ありがとう宗一郎君…はぁはぁ…マジで助かったよ…」
「その剣は見たことの無い素材で造られているな…人目に触れないように我が家で大切に保管しよう」
地球上には存在しない鉱石【ミスリル】で造られている剣は目立ち過ぎるので、沖田家で厳重に保管することにした
【惑星エリスア】
王都クラウンはかつての繁栄など見る影もない程に、ファルバァスによって破壊されていた。有栖達や我流族、キウ、ミアナが集まって相談している所に駆け込んで来る者がいる
「キミたち大丈夫かね?」
「ロード王!?何故逃げずにまだこんな所に居るのですか?」
「王たる者が逃げ惑う国民や国の為に戦う戦士達を見捨てて、いの一番に逃げられる筈がないだろう!」
ロード王は一般市民から、戦地での功績により王となった。いわゆる叩き上げの王。それ故に逃げださずに残っている様だ
「今からでも逃げて下さい。私や教え子のチカラを持ってしても、あの獣神に決定打を与える術がありません。非常に危険なんですよ?」
「しかし、人の上に立つ者が真っ先に逃げ出すなど、出来るハズはない!」
「せめてヤツを地上に叩き落とせりゃ、俺様の剣でぶちのめしてやれるんだがなぁ!」
有栖の助言にも首を縦に振らないロード王。ドレイクも打つ手の無い現状に焦っている。その時…
「ギイィィ!」
ファルバァスが触手を振るのを止めて、王達の方を見た。いや、最強の魔女【徳川有栖】の存在に気が付いたのかも知れない?
「お師匠様!ファルバァスの様子が変です!何かする気では!?」
ファルバァスはそれまで閉じていた口を大きく開き、一気に大気を吸い込んでいるようだ
「んっ!?凄い魔力の集中を感じるよ!何かする気だ!」
「集中していると言うよりは…強制的に吸引している感じですね…」
ハイエルフのカルーアは、凄まじい魔力の高まりをいち早く察知した。ミアナは大気の魔力素がファルバァスに強引に、かき集められていると判断した
「ミアナ!耐熱、耐火の結界を急いで張るわよ!」
「わ、分かりました!」
【対火熱結界(ハーデライト)!】
【対火熱結界(ハーデライト)!】
2人は急いで結界を張った
「ギシエェェッ!!!」
ファルバァスが有栖達の方に向けて巨大な魔力の塊を吐き飛ばした
「バジュァァ!」いきなり彼等の足元が熱を帯びて、一気に高まり始めた
「何だぁ、これは!?」
「ドレイクっ!精霊たちよ!皆を守る壁になって!」
「カルーアぁ!」
「ヒイロ捕まって!」
カルーア達、我流族達、王達の全員を余裕で包み込む熱の結界が地面に張られた感じだ
一気に超高熱に熱された地面と大気。重力までもが反作用を起こし足元の地面がめくれ上がる中、彼等も数メートル持ち上げられた
「ドシンっ!」数秒後、彼らは地面に落ちた
「熱っ!?」
「地面が焼けてる!」
有栖とミアナが対火熱結界を張らなかったら、その場の全員が地面と共に蒸発させられていたかも知れない程の超超高熱攻撃だった。落下時の衝撃は、ミンクが急いで張った結界がクッションになってくれた
「ドレイク…私の肌、焼けてブサイクになっていない?」
「大丈夫だ!ミンクは世界で1番可愛いままだぜ!ガーハッハッハッ!」
ドレイクは彼なりに愛するミンクに気遣いをしたようだ
「なんてパワーだ。この俺様に危機感を持たせやがるとは…アレが獣神のチカラか…」
今大会で1番、みんなの度肝を抜いたキウでさえ、今のファルバァスの攻撃には焦ったようだ
「こんな時、姉さんが居てくれたら…いや!居なくて良かったんだ…うん…こんな場面に居たら危険どころじゃないからね…」
流石にここまで追い込まれて、イシスやドルアーガで死線を経験したカルーアも弱気になって、地球に転移した姉の事を思い出していた
【惑星神エリスア】
(んもー!何なのよアイツ!私が大切に育てた、私の星の子供たちが全滅しちゃうじゃない!
本当に……どうしたら良いのよ!?……んっ?星の外から凄いエネルギーが迫って来る?……これは…アリスちゃん?……そうだっ!!)
「ぐおぉ…カルーア無事か?」
「な、何とかね…でも、本当にアイツを地上に落とさないと全滅しかねないね」
「そうだなぁ、どうすりゃ良いんだよっ!?」
「んっ!?お師匠様!あの光は何でしょう!?ほら、天から光が差し込んで…」
「えっ!?……アレは!転移門の光!」
「ジュガアァァーッ!!!!!」
大気圏の外から差し込んだ眩い光が、一陣の光の矢となり頭上からファルバァスにぶち当たった!
「ふぁーっはっはっは!アリスちゃん参上!!」
「姉さん!?」
「アリスなのか!?」
カルーアを始めクラウンで抵抗する人々の前に、地球に転移していたハズのアリスが突如として帰還した!
続く
「ぐおぉ…か弱い岸田のチカラじゃ…ない!」
ヴォィド化を始めた岸田は、まるでヴォィド化するアリスの様に身体が肥大し始めていた
岸田は佐々木を襲い、今にも彼の身体に噛み付こうとしている
「よりにもよって…アリスちゃんが居なくなった直後に、こんな事になるなんて…なんてこった!」
そう言った師範代は覚悟を決め、乗用車の車内に携行している護身用の木刀を握り締めた
「許せよ!」
師範代は岸田の後頭部目掛けて、木刀を力いっぱい振り下ろした!
「ベキイッ!!」
岸田の後頭部に命中した木刀は、激しい音ともにへし折れてしまった
「くそ!ヴォィド化が進んでいるのか!?」
襲われた直後は佐々木と岸田のチカラは拮抗していたのだが…彼女のヴォィド化が進むにつれ筋肉量が増加して硬くなりパワーも上昇し、徐々に佐々木の方が押されている
「岸田さん、止めてぇ!」
叫ぶ優香だったが、岸田の耳には届いていないようだ。その横で立ち尽くす宗一郎
(アリスちゃんが居れば、取り押さえてくれただろうに……ん?アレは?)
宗一郎はアリスが光の柱に飲まれて消えたその場所に、アリスの愛用していた短い方のソードがある事に気が付いた!
「アリスちゃんの置き土産!借りるよ、えやあっ!」
宗一郎はアリスのソードを握り、岸田の首筋目掛けて一撃を入れた
「ギイッ!?」
「ドサッ!」アリスの兄【ヒイロ】が彼女の為に作った短い方のミスリルソードが、暴れる岸田を抑える一撃になった。崩れ落ちた岸田は気絶していた
「ありがとう宗一郎君…はぁはぁ…マジで助かったよ…」
「その剣は見たことの無い素材で造られているな…人目に触れないように我が家で大切に保管しよう」
地球上には存在しない鉱石【ミスリル】で造られている剣は目立ち過ぎるので、沖田家で厳重に保管することにした
【惑星エリスア】
王都クラウンはかつての繁栄など見る影もない程に、ファルバァスによって破壊されていた。有栖達や我流族、キウ、ミアナが集まって相談している所に駆け込んで来る者がいる
「キミたち大丈夫かね?」
「ロード王!?何故逃げずにまだこんな所に居るのですか?」
「王たる者が逃げ惑う国民や国の為に戦う戦士達を見捨てて、いの一番に逃げられる筈がないだろう!」
ロード王は一般市民から、戦地での功績により王となった。いわゆる叩き上げの王。それ故に逃げださずに残っている様だ
「今からでも逃げて下さい。私や教え子のチカラを持ってしても、あの獣神に決定打を与える術がありません。非常に危険なんですよ?」
「しかし、人の上に立つ者が真っ先に逃げ出すなど、出来るハズはない!」
「せめてヤツを地上に叩き落とせりゃ、俺様の剣でぶちのめしてやれるんだがなぁ!」
有栖の助言にも首を縦に振らないロード王。ドレイクも打つ手の無い現状に焦っている。その時…
「ギイィィ!」
ファルバァスが触手を振るのを止めて、王達の方を見た。いや、最強の魔女【徳川有栖】の存在に気が付いたのかも知れない?
「お師匠様!ファルバァスの様子が変です!何かする気では!?」
ファルバァスはそれまで閉じていた口を大きく開き、一気に大気を吸い込んでいるようだ
「んっ!?凄い魔力の集中を感じるよ!何かする気だ!」
「集中していると言うよりは…強制的に吸引している感じですね…」
ハイエルフのカルーアは、凄まじい魔力の高まりをいち早く察知した。ミアナは大気の魔力素がファルバァスに強引に、かき集められていると判断した
「ミアナ!耐熱、耐火の結界を急いで張るわよ!」
「わ、分かりました!」
【対火熱結界(ハーデライト)!】
【対火熱結界(ハーデライト)!】
2人は急いで結界を張った
「ギシエェェッ!!!」
ファルバァスが有栖達の方に向けて巨大な魔力の塊を吐き飛ばした
「バジュァァ!」いきなり彼等の足元が熱を帯びて、一気に高まり始めた
「何だぁ、これは!?」
「ドレイクっ!精霊たちよ!皆を守る壁になって!」
「カルーアぁ!」
「ヒイロ捕まって!」
カルーア達、我流族達、王達の全員を余裕で包み込む熱の結界が地面に張られた感じだ
一気に超高熱に熱された地面と大気。重力までもが反作用を起こし足元の地面がめくれ上がる中、彼等も数メートル持ち上げられた
「ドシンっ!」数秒後、彼らは地面に落ちた
「熱っ!?」
「地面が焼けてる!」
有栖とミアナが対火熱結界を張らなかったら、その場の全員が地面と共に蒸発させられていたかも知れない程の超超高熱攻撃だった。落下時の衝撃は、ミンクが急いで張った結界がクッションになってくれた
「ドレイク…私の肌、焼けてブサイクになっていない?」
「大丈夫だ!ミンクは世界で1番可愛いままだぜ!ガーハッハッハッ!」
ドレイクは彼なりに愛するミンクに気遣いをしたようだ
「なんてパワーだ。この俺様に危機感を持たせやがるとは…アレが獣神のチカラか…」
今大会で1番、みんなの度肝を抜いたキウでさえ、今のファルバァスの攻撃には焦ったようだ
「こんな時、姉さんが居てくれたら…いや!居なくて良かったんだ…うん…こんな場面に居たら危険どころじゃないからね…」
流石にここまで追い込まれて、イシスやドルアーガで死線を経験したカルーアも弱気になって、地球に転移した姉の事を思い出していた
【惑星神エリスア】
(んもー!何なのよアイツ!私が大切に育てた、私の星の子供たちが全滅しちゃうじゃない!
本当に……どうしたら良いのよ!?……んっ?星の外から凄いエネルギーが迫って来る?……これは…アリスちゃん?……そうだっ!!)
「ぐおぉ…カルーア無事か?」
「な、何とかね…でも、本当にアイツを地上に落とさないと全滅しかねないね」
「そうだなぁ、どうすりゃ良いんだよっ!?」
「んっ!?お師匠様!あの光は何でしょう!?ほら、天から光が差し込んで…」
「えっ!?……アレは!転移門の光!」
「ジュガアァァーッ!!!!!」
大気圏の外から差し込んだ眩い光が、一陣の光の矢となり頭上からファルバァスにぶち当たった!
「ふぁーっはっはっは!アリスちゃん参上!!」
「姉さん!?」
「アリスなのか!?」
カルーアを始めクラウンで抵抗する人々の前に、地球に転移していたハズのアリスが突如として帰還した!
続く
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