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アリス IN 異世界地球
勝利への奇策
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【準決勝第1試合】
ヒイロ&カルーア VS アテナ&エリエスの試合が始まろうとしている
「ほっほっほ!ワシらに勝てる作戦は思い付いたかのぅ?」
「アテナ様…身の程知らずな意見を言います。俺はカルーアと勝ちに行きます!」
ヒイロ達の精神状態を探ろうと問いたアテナだったが、素人から見ても分かる程2チームの戦力の差は歴然としている。むしろ、アテナは自分達を相手にしなければならない2人の緊張を解(ほぐ)してやろう。という優しさまであったのだが…意に反してヒイロの眼は勝利を狙う眼をしていた
(職人は正直者が多いものじゃ。ワシの旦那様も素晴らしい鍛冶屋ゆえ、嘘を付くのが下手くそじゃ…そうでなければ上を目指せないのが職人じゃろう。そのジイ様と肩を並べる職人になりつつある坊やが「勝ちに行きます」と言ったからには…)
「ふん、そう簡単に勝てると思ってるのかし…」
「エリエスや。用心してかかるのじゃ!」
アテナは彼の言葉から、やぶれかぶれ等でなく本気で勝利を狙っている事を悟り、自分たちの勝利は揺るがない!と確信している孫娘のエリエスに喝を入れた
(いくら緋の眼族のヒイロとハイエルフのカルーアが相手でも、私とお祖母様に勝てるとは思えない!…けど、お祖母様は何かを感じている!?)
【舞闘女神】と称えられた程の猛者である祖母の言葉に、用心して身構えるエリエス。だが…皮肉な事に用心深くなった事が、逆にカルーア達に味方してしまう
「アテナ様!若輩者ですが…お願いしますっ!」
アテナに対し強く言い放ったヒイロが、イキナリ緋の目の能力(チカラ)を解放して彼女目掛けて猛突進してきた
(あの状態は長くは持たないハズ…なのにイキナリ発動させおった。何か秘策があるハズじゃ!)
いくら舞闘女神たちを相手にしているとは言え、無策で突っ込む様な愚か者ではない事は十分承知していたが故に、アテナも後の先を狙い受けに入った。が…予想外の事が起きた!
「うおっ!?」
力み過ぎたのか!?緊張し過ぎたのか!?
闘気を全開にしていたヒイロがアテナの制空圏(即迎撃可能範囲)に入る直前で、足を絡ませて無様にぶっ倒れてしまった!
「はぁ!?」
「なんじゃぁ!?」
あまりの予想外なヒイロの無様さに、アテナもエリエスも一瞬だが気が緩んでしまった
「荒れ狂え!【雷光暴龍(ジャムルテスラ)】っ!」
ヒイロは偶然転んだ訳ではなかった!コレこそが猛者である2人に隙を生ませる奇策だったのだ
「ぬかったわっ!」
ヒイロの後方で魔力を高めていたカルーアが、雷系の上級魔法をアテナ目掛けて放った!完全に隙を突かれてしまったアテナに、無数の雷の龍が襲いかかる!
「ふおぁぁぁ!」
若い姿で登場していた事がアテナを助けた。老いた60過ぎの肉体だったら、一瞬で気力を高める事は出来なかっただろう
「うりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!!」
アテナは闘気を拳に集中させ、襲いかかる数十本の雷龍を次々に叩き落とす
「今だっ!」
ヒイロは、突然の予想外の出来事に思考停止して立ち尽くしているエリエス目掛け、1本しか持っていないソードを投げつけた!
「んなっ!?」
「ガキィッ!」虚を突かれたものの、エリエスは並外れた反射神経で対応し飛んできたソードを弾いた!
「ここだあっ!」
ソードを投げつけ丸腰になったヒイロは、カルーアが放った無数の雷龍を迎撃中のアテナの背後から近づき、彼女を羽交い締めにした
「なんとっ!?」
「やれぇ!カルーアっ!」
「世界を彩る七精霊よ!わたしはカルーア。キミたち七精霊の頂点に立つ者を使役する者なり!【舞闘女神】を打ち倒すチカラと成れ…」
「コレが狙いかっ!?」
「うおおおおぉぉ!」
「マジか!アテナ様がっ!?」
「すげぇぞ、オイ!」
観客達も【舞闘女神】が完全なピンチを迎えた事に大きくザワついた
(天使族のサーシャが居るから、この至近距離で当てても2人とも助かるハズだよね?)
いくら広い武闘会場と言えど、七つの精霊の能力(チカラ)を極大レベルに引き上げ、それらを1つにして放つ超極大魔法をこの距離で当てられたら…アテナもろともヒイロも生命を落とすだろう。天使族のサーシャの回復力をアテにしての攻撃である
「させないわよっ!」
祖母のピンチに、エリエスは詠唱中のカルーア目掛けて一気に走り寄るのだが…
「エリエス、下です!」
「えっ!?」
アテナを助ける為、カルーアだけを見つめて全力ダッシュしたエリエスは、足元への注意を完全に忘れていた
「【光糸細工(シークェット)】!」
「嘘でしょ!?」
精霊剣エクスカリバーを操るエリエスも、飛び抜けて強い剣士だと認知しているカルーアは、このピンチに棒立ちしているハズがないと読み、試合開始直後から既に策を張っていた
「きゃあっ!?」
舞台の床石の中を走らせていた魔法のロープで、近寄って来たエリエスの右足首を絡めとって上空へ伸びていく!
「駄目ですっ!」
右足を10数メートル真上に上げられた為、逆さ吊りにされたスカート姿のエリエスのパンツが、会場の全員に晒されてしまった!
「いやぁ!見ないでください!」
「今だ!撃ち抜け【七精守護霊(ハーロウィーン)】!!!」
エリエスの動きを【光糸細工(シークェット)】で封じ、アテナはヒイロの渾身のチカラで羽交い締めにしている。ソコへ向けてカルーアの最大呪文が放たれた!
「まさか、こんな目に合わされるとはっ!」
瞬間的には鋼鉄の塊でさえも素手で破壊できる程のチカラを出せるアテナだが…鍛冶師で鍛えられたヒイロの筋肉と、絶対的な身長の差から羽交い締めから脱出出来ないでいた
この対戦はアテナ&エリエスが絶対有利と言われていたが、クラウン最強の格闘家【舞闘女神】に最大のピンチが訪れていた!
続く
ヒイロ&カルーア VS アテナ&エリエスの試合が始まろうとしている
「ほっほっほ!ワシらに勝てる作戦は思い付いたかのぅ?」
「アテナ様…身の程知らずな意見を言います。俺はカルーアと勝ちに行きます!」
ヒイロ達の精神状態を探ろうと問いたアテナだったが、素人から見ても分かる程2チームの戦力の差は歴然としている。むしろ、アテナは自分達を相手にしなければならない2人の緊張を解(ほぐ)してやろう。という優しさまであったのだが…意に反してヒイロの眼は勝利を狙う眼をしていた
(職人は正直者が多いものじゃ。ワシの旦那様も素晴らしい鍛冶屋ゆえ、嘘を付くのが下手くそじゃ…そうでなければ上を目指せないのが職人じゃろう。そのジイ様と肩を並べる職人になりつつある坊やが「勝ちに行きます」と言ったからには…)
「ふん、そう簡単に勝てると思ってるのかし…」
「エリエスや。用心してかかるのじゃ!」
アテナは彼の言葉から、やぶれかぶれ等でなく本気で勝利を狙っている事を悟り、自分たちの勝利は揺るがない!と確信している孫娘のエリエスに喝を入れた
(いくら緋の眼族のヒイロとハイエルフのカルーアが相手でも、私とお祖母様に勝てるとは思えない!…けど、お祖母様は何かを感じている!?)
【舞闘女神】と称えられた程の猛者である祖母の言葉に、用心して身構えるエリエス。だが…皮肉な事に用心深くなった事が、逆にカルーア達に味方してしまう
「アテナ様!若輩者ですが…お願いしますっ!」
アテナに対し強く言い放ったヒイロが、イキナリ緋の目の能力(チカラ)を解放して彼女目掛けて猛突進してきた
(あの状態は長くは持たないハズ…なのにイキナリ発動させおった。何か秘策があるハズじゃ!)
いくら舞闘女神たちを相手にしているとは言え、無策で突っ込む様な愚か者ではない事は十分承知していたが故に、アテナも後の先を狙い受けに入った。が…予想外の事が起きた!
「うおっ!?」
力み過ぎたのか!?緊張し過ぎたのか!?
闘気を全開にしていたヒイロがアテナの制空圏(即迎撃可能範囲)に入る直前で、足を絡ませて無様にぶっ倒れてしまった!
「はぁ!?」
「なんじゃぁ!?」
あまりの予想外なヒイロの無様さに、アテナもエリエスも一瞬だが気が緩んでしまった
「荒れ狂え!【雷光暴龍(ジャムルテスラ)】っ!」
ヒイロは偶然転んだ訳ではなかった!コレこそが猛者である2人に隙を生ませる奇策だったのだ
「ぬかったわっ!」
ヒイロの後方で魔力を高めていたカルーアが、雷系の上級魔法をアテナ目掛けて放った!完全に隙を突かれてしまったアテナに、無数の雷の龍が襲いかかる!
「ふおぁぁぁ!」
若い姿で登場していた事がアテナを助けた。老いた60過ぎの肉体だったら、一瞬で気力を高める事は出来なかっただろう
「うりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!!」
アテナは闘気を拳に集中させ、襲いかかる数十本の雷龍を次々に叩き落とす
「今だっ!」
ヒイロは、突然の予想外の出来事に思考停止して立ち尽くしているエリエス目掛け、1本しか持っていないソードを投げつけた!
「んなっ!?」
「ガキィッ!」虚を突かれたものの、エリエスは並外れた反射神経で対応し飛んできたソードを弾いた!
「ここだあっ!」
ソードを投げつけ丸腰になったヒイロは、カルーアが放った無数の雷龍を迎撃中のアテナの背後から近づき、彼女を羽交い締めにした
「なんとっ!?」
「やれぇ!カルーアっ!」
「世界を彩る七精霊よ!わたしはカルーア。キミたち七精霊の頂点に立つ者を使役する者なり!【舞闘女神】を打ち倒すチカラと成れ…」
「コレが狙いかっ!?」
「うおおおおぉぉ!」
「マジか!アテナ様がっ!?」
「すげぇぞ、オイ!」
観客達も【舞闘女神】が完全なピンチを迎えた事に大きくザワついた
(天使族のサーシャが居るから、この至近距離で当てても2人とも助かるハズだよね?)
いくら広い武闘会場と言えど、七つの精霊の能力(チカラ)を極大レベルに引き上げ、それらを1つにして放つ超極大魔法をこの距離で当てられたら…アテナもろともヒイロも生命を落とすだろう。天使族のサーシャの回復力をアテにしての攻撃である
「させないわよっ!」
祖母のピンチに、エリエスは詠唱中のカルーア目掛けて一気に走り寄るのだが…
「エリエス、下です!」
「えっ!?」
アテナを助ける為、カルーアだけを見つめて全力ダッシュしたエリエスは、足元への注意を完全に忘れていた
「【光糸細工(シークェット)】!」
「嘘でしょ!?」
精霊剣エクスカリバーを操るエリエスも、飛び抜けて強い剣士だと認知しているカルーアは、このピンチに棒立ちしているハズがないと読み、試合開始直後から既に策を張っていた
「きゃあっ!?」
舞台の床石の中を走らせていた魔法のロープで、近寄って来たエリエスの右足首を絡めとって上空へ伸びていく!
「駄目ですっ!」
右足を10数メートル真上に上げられた為、逆さ吊りにされたスカート姿のエリエスのパンツが、会場の全員に晒されてしまった!
「いやぁ!見ないでください!」
「今だ!撃ち抜け【七精守護霊(ハーロウィーン)】!!!」
エリエスの動きを【光糸細工(シークェット)】で封じ、アテナはヒイロの渾身のチカラで羽交い締めにしている。ソコへ向けてカルーアの最大呪文が放たれた!
「まさか、こんな目に合わされるとはっ!」
瞬間的には鋼鉄の塊でさえも素手で破壊できる程のチカラを出せるアテナだが…鍛冶師で鍛えられたヒイロの筋肉と、絶対的な身長の差から羽交い締めから脱出出来ないでいた
この対戦はアテナ&エリエスが絶対有利と言われていたが、クラウン最強の格闘家【舞闘女神】に最大のピンチが訪れていた!
続く
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