引き籠もりVTuber 学生編

龍之介21時

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学校は怖い

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【竹取家 亜沙美の部屋】
喫茶店から帰った亜沙美は悩んでいた

「学校かぁ…どうしようかなぁ…太一は…「嫌なら自主退学すれば誰にも迷惑かけないだろ!」…って言ってたなぁ……確かにそうなんだよなぁ…お母さんならなんて言うかな?」
 
竹取家は母親と亜沙美の2人家族で、その母親も日常的に国内外を飛び歩いていて、たまに気が向いた時に帰ってくるだけ。亜沙美は母親の事を考えながらスマホを見詰めていた

(母さんに相談する?……うーん、きっと母さんは
「亜沙美が自分で考えて出した答えなら、お母さん何も言いません。ただ、簡単にやり直せない事は本当に良く考えるのよ!」…って言うんだろうなぁ…)

「結局は自己責任って事だよね…どうしようかなぁ?VTuberだって大変だろしなぁ…」
 

今回は掘り下げないが…亜沙美の母親は高校は卒業したものの…それ以降は自分で全て選択して生きてきた人なのだ
少なくとも亜沙美は本人からそう聞かされてきたし、今まで相談しても「こうしなさい!」と決めつけたりはせずに、基本的には全て亜沙美に判断を委(ゆだ)ねてきた
されたとしても軽いアドバイス程度をするだけで、どちらかの答えに誘導する様な言い回しはしない人だった

「母さんが父さんと結婚した時も周りに反対されてたけど…母さんが惚れたから!って周りの反対意見を押し切ったとか、今の仕事も周りから反対されたのに母さんが「やる、絶対ヤル!」って自分で決めたって話だからなぁ…」
  

誰でも答えを求める時は周りの人間に意見を求めるものだが、コミニュケーションが下手で普段から1人暮らししている亜沙美には、直接相談する相手が居なかった
亜沙美の母親もそうだったのかは知る由もない亜沙美だが…とにかく自分で決めたことに対しては、周りが呆れ返るほどに努力し続ける。それが亜沙美の母親だ

「そうだ!配信中に視聴者さんに聞いてみるのはどうだろうか?………いや、待てよぉ……」

亜沙美は初配信から昨夜までの、計3回の配信中にもらっていたコメントを思い出していた

「(;-ω-)ウーン…優しいコメントしてくれる人も居たけど…茶化すだけの人も何人か居たよね~……それに、号泣配信でトレンド入りしたばっかりだからなぁ…マジの相談をするのって危険だよねぇ…
でも、いつまでも放置しておく訳にもイカないよね…はぁ、学校って怖いなぁ……そうだ!ああいう系なら私でも!」

学校への不登校問題で今後のことを悩んでいた亜沙美。彼女は学校に恐怖心を抱いている
最初は足が竦(すく)んで本当に登校出来なかったのだが…今では「嫌だなぁ…」という気持ちで行かない!そんな感じでズルズルと不登校になっている
学校に行き部活を終えて夕方過ぎに帰宅した時に「ただいまぁ♪」と言っても「おかえり~♪」と出迎えてくれる人が居なくなった。その環境の変化が、亜沙美を不登校にさせたキッカケだった

……………………………………………

「コレだ!コレならイけるハズぅ!」

亜沙美がネットから見つけ出したのは…
【学校の怪談】だった

「【バイオパニック】みたいに激しいアクションやシューティング要素が入ってないから、コレなら私も配信でやれそうだよねぇ♪」

亜沙美は細かい操作を要求されない内容のホラー系なら、自分も配信でやれると考えたようだ



【その日の21時】
「皆さん、こんばんは!AA(ダブルエー)VTuberの浅宮アミです!今夜もよろしくお願いしますね!」
 
✱「来たな!」
✱「こんばんは」
✱「続きすんの?」
✱「ホラー抜きで練習したら?」

「確かにね!苦手なホラー要素と、得意じゃないアクションシューティングの要素が重なってると、アミにはハードル高い気がするわ(汗)」
 

✱「違うのすんのか?」
✱「アミちゃんの悲鳴無いの?」
✱「無理すなやー」
✱「不安しかないが…」

「ホラー要素は残して操作が簡単な…【学校の怪談】を今日はプレイしたいと思います!今夜も1時間のお相手ヨロシクね!」
✱「お!ソッチで来たか」
✱「どうかな?」
✱「アミの悲鳴期待してる」
✱「でも叫びそ」

「もぉ!今夜は泣かないからね!それじゃ、
早速始めて行くよぉ!」

VTuber活動も、どうせするなら結果を出したい亜沙美は、トレンド入りした時に怖がる自分が世間に受けたので、ホラーゲーム【学校の怪談】を今夜の配信にチョイスしたのだが、果たして大丈夫なのだろうか?



続く
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