引き籠もりVTuber 学生編

龍之介21時

文字の大きさ
上 下
8 / 173

学校は怖い

しおりを挟む
【竹取家 亜沙美の部屋】
喫茶店から帰った亜沙美は悩んでいた

「学校かぁ…どうしようかなぁ…太一は…「嫌なら自主退学すれば誰にも迷惑かけないだろ!」…って言ってたなぁ……確かにそうなんだよなぁ…お母さんならなんて言うかな?」
 
竹取家は母親と亜沙美の2人家族で、その母親も日常的に国内外を飛び歩いていて、たまに気が向いた時に帰ってくるだけ。亜沙美は母親の事を考えながらスマホを見詰めていた

(母さんに相談する?……うーん、きっと母さんは
「亜沙美が自分で考えて出した答えなら、お母さん何も言いません。ただ、簡単にやり直せない事は本当に良く考えるのよ!」…って言うんだろうなぁ…)

「結局は自己責任って事だよね…どうしようかなぁ?VTuberだって大変だろしなぁ…」
 

今回は掘り下げないが…亜沙美の母親は高校は卒業したものの…それ以降は自分で全て選択して生きてきた人なのだ
少なくとも亜沙美は本人からそう聞かされてきたし、今まで相談しても「こうしなさい!」と決めつけたりはせずに、基本的には全て亜沙美に判断を委(ゆだ)ねてきた
されたとしても軽いアドバイス程度をするだけで、どちらかの答えに誘導する様な言い回しはしない人だった

「母さんが父さんと結婚した時も周りに反対されてたけど…母さんが惚れたから!って周りの反対意見を押し切ったとか、今の仕事も周りから反対されたのに母さんが「やる、絶対ヤル!」って自分で決めたって話だからなぁ…」
  

誰でも答えを求める時は周りの人間に意見を求めるものだが、コミニュケーションが下手で普段から1人暮らししている亜沙美には、直接相談する相手が居なかった
亜沙美の母親もそうだったのかは知る由もない亜沙美だが…とにかく自分で決めたことに対しては、周りが呆れ返るほどに努力し続ける。それが亜沙美の母親だ

「そうだ!配信中に視聴者さんに聞いてみるのはどうだろうか?………いや、待てよぉ……」

亜沙美は初配信から昨夜までの、計3回の配信中にもらっていたコメントを思い出していた

「(;-ω-)ウーン…優しいコメントしてくれる人も居たけど…茶化すだけの人も何人か居たよね~……それに、号泣配信でトレンド入りしたばっかりだからなぁ…マジの相談をするのって危険だよねぇ…
でも、いつまでも放置しておく訳にもイカないよね…はぁ、学校って怖いなぁ……そうだ!ああいう系なら私でも!」

学校への不登校問題で今後のことを悩んでいた亜沙美。彼女は学校に恐怖心を抱いている
最初は足が竦(すく)んで本当に登校出来なかったのだが…今では「嫌だなぁ…」という気持ちで行かない!そんな感じでズルズルと不登校になっている
学校に行き部活を終えて夕方過ぎに帰宅した時に「ただいまぁ♪」と言っても「おかえり~♪」と出迎えてくれる人が居なくなった。その環境の変化が、亜沙美を不登校にさせたキッカケだった

……………………………………………

「コレだ!コレならイけるハズぅ!」

亜沙美がネットから見つけ出したのは…
【学校の怪談】だった

「【バイオパニック】みたいに激しいアクションやシューティング要素が入ってないから、コレなら私も配信でやれそうだよねぇ♪」

亜沙美は細かい操作を要求されない内容のホラー系なら、自分も配信でやれると考えたようだ



【その日の21時】
「皆さん、こんばんは!AA(ダブルエー)VTuberの浅宮アミです!今夜もよろしくお願いしますね!」
 
✱「来たな!」
✱「こんばんは」
✱「続きすんの?」
✱「ホラー抜きで練習したら?」

「確かにね!苦手なホラー要素と、得意じゃないアクションシューティングの要素が重なってると、アミにはハードル高い気がするわ(汗)」
 

✱「違うのすんのか?」
✱「アミちゃんの悲鳴無いの?」
✱「無理すなやー」
✱「不安しかないが…」

「ホラー要素は残して操作が簡単な…【学校の怪談】を今日はプレイしたいと思います!今夜も1時間のお相手ヨロシクね!」
✱「お!ソッチで来たか」
✱「どうかな?」
✱「アミの悲鳴期待してる」
✱「でも叫びそ」

「もぉ!今夜は泣かないからね!それじゃ、
早速始めて行くよぉ!」

VTuber活動も、どうせするなら結果を出したい亜沙美は、トレンド入りした時に怖がる自分が世間に受けたので、ホラーゲーム【学校の怪談】を今夜の配信にチョイスしたのだが、果たして大丈夫なのだろうか?



続く
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

若妻の穴を堪能する夫の話

かめのこたろう
現代文学
内容は題名の通りです。

隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました

ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら…… という、とんでもないお話を書きました。 ぜひ読んでください。

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

お嬢様、お仕置の時間です。

moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。 両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。 私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。 私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。 両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。 新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。 私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。 海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。 しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。 海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。 しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

処理中です...