銀河(ユリース)最弱の賞金稼ぎと、朽ちゆく惑星(ほし)のハンドガン

ショー・ケン

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第一章

アンドロイド

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 カルシュの頭に鈍痛、うっすら目を開けると……薄暗い夜の闇の中、遠くのほうに明かりがともっており、岩でできた洞窟のような場所にいるらしかった。キャンプらしきものの中で、子供や大人の声がする。しかしやけに骨ばっている……よく目を凝らした。
「※AR(Automatic Repair)コアのアンドロイドたちか」
 ※(100年程度の自律活動に耐えうる、自動で資源を集めエネルギーを生成する事のできる機械心臓部、AIとナノマシンが組み込まれている)

 彼は崖を隔てた岩肌の小さな洞穴に手足を縛られており、彼の目線の先では、キャンプの中、彼の携帯端末“スマートガジェッド”が物珍しそうに人間によくにた大人のアンドロイドたちと子供アンドロイドたちにいじくりまわせてれていた。ガジェットから投影されたホログラム上のロジーが叫ぶ。
「た、助けてえ~~旦那さまー」
 カルシュはロジーのあまり見ない姿に、場違いながら少し微笑んでしまった。何より危険がなさそうで……すると、ゴツンと、背後からアンドロイドに殴られる。
「仲間が捕まっていルのニ何楽しんデル」
 振り返るとそこにたっていたのは、赤い渦文様のバンダナを頭にかぶった男だった。ほかのアンドロイド同様、簡素な作りでただ、よくみるとこれらは重要な箇所はプラスチック上のカバーで守られているようだった。カルシュはまじめな顔になり、ふてくされながら訪ねる。
「あんたは?」
「ここのリーダー“エス”とヨばれている」
「この縄を外してくれよ」
 そういって、カルシュはアゴで指示した。
「それとこれとは話が違ウ……この星ニ何の用だ、素直に答えれば解放しよウ」

 どうやら外を見ると、岩肌がみえることから、巨大な岩をくりぬいた場所なのだろう、涼しく、砂漠の暑さはしのげそうだ。
「用、別に用なんてない」
「ふん、身分証を見タぞ“賞金稼ぎ”」
「俺は、“落とし物”を探してるんだよ、ある富豪がかつてここにきたときになくしたアクセサリー、まあ、帰ってくるとも思えないって安い値段で依頼をだされた、ここは安全な星だしな」
「フム……まあ、宝を盗ムのでないのならいいが、もし宝に手を出せば……」
「宝?何のことだ?」
「この星でもっとも貴重とされている、“来るべき日に来るべきものが持ち、古代の秘密を手にスル”この星の住民が先代からずっと受け継いできタ古代秘宝……使えるものにだけそれは継承されルのだ、お前たちのようなものや星間機構になど、盗まれてはならヌ」
「ふーん、で、それはどんなもので、用途は?」
「サア……」
「さあって」
 カルシュは立ち上がる。
「ともかく、ここから早く、南半球にいかなければ、小さな星だしすぐにつくだろう、そんで俺が宝を盗みそうなら、奪いにくるがいいよ、俺は強くない……」
「南半球ゥ……??やめておけ」
「何で?」
「化け物がイル……」
「??」

 結局その夜は集落でおせわになりアンドロイドたちに手を振る。カルシュたちがさったあとアンドロイドたちは、あるテントにむかった。エスが彼らに呼びかける。
「様子はドウダ」
「もう長くナイだろう」
 エスは腕組をした。
「実験を続ケなければ」
 そのテントの最奥、毛布にくるまれた男が体中コケやら触手のようなものが生えていて、口は人工呼吸器があてがわれ、体は様々な実験器具や医療器具につながれて身動きがとれなくなっていた。
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