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幸福癖
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不幸癖がある、という女性Bさんがいた。Aさんは、同じ大学に通う男性で、彼女の美しさとどこか影のある感じに惚れていた。
しかし、彼女はどこまでも陰気で暗い性格をしていたために、どう誘ってもうまくいかない。あるとき、友人のCが彼女と付き合っていると告白してきた。
「お前、どうやって彼女をモノにしたんだ」
Aさんは、この男はいずれ別れるだろうから、コツでも聞いておこうとおもったのだ。
Cはいった。
「簡単だよ、俺には霊感があるっていったのさ」
口が軽く、女遊びが激しく、嘘ばかりいうこの男にそんなものがあるはずがない。しかし、彼により親しい友人に訪ねると、それは本当のことだという。
「じゃあ、何かしらの非日常的な体験を感じて彼女は……」
そう考えていたが、彼が別の友人と彼女を口説いたときのことをより詳細に話しているのを盗み聞きして、彼はあきらめることになった。
「あいつはいうだろ、私は“不幸癖”があるって、昔からそうだった、俺は同級生だったのさ、だが、俺は昔から彼女がひときわ美しい事に気づいていたさ、そして何てナンパしたのか、簡単さ“俺が不幸癖をなおしてやる、俺は誰より幸福だから、お前を幸福にしてやるっていったのさ”」
Aさんは例のごとく、彼に詳しい友人に訪ねると、友人はいった。
「いや、あいつは“並”だな、それよりあいつに歯向かった人間は不幸になるという話がある」
Aさんはピンときて、Cを呼びだしていった。
「なあ、お前Bさんに何かしただろう?お前、彼女に呪いをかけ、長い事彼女を不幸にして、それで、呪いをといてこういったんだ、俺が幸福だからお前を幸福にしてやるって」
「プッ……」
「何がおかしい」
「それがどうした、そうだろうと、どうだろうと、お前には関係あるまい、彼女は“平凡”が幸福だと思っているんだから、それに俺にそんな能力はないよ」
Aさんがピンときたのには、訳があった。Cはもともと女癖が悪いが、ナンパの際かならず女性が不運の最中にあるという。女性の中では“人を助ける紳士だからモテる”という噂があるが、きっと違うのではないかと。
予感は的中した。CはAさんを避けるようになったのだ。嘘ばかりいうAさんが、彼に親しい友人たちいわく“最も分かりやすいウソ”をいったあとに、人をさけ、縁を切るのだと。
しかし、彼女はどこまでも陰気で暗い性格をしていたために、どう誘ってもうまくいかない。あるとき、友人のCが彼女と付き合っていると告白してきた。
「お前、どうやって彼女をモノにしたんだ」
Aさんは、この男はいずれ別れるだろうから、コツでも聞いておこうとおもったのだ。
Cはいった。
「簡単だよ、俺には霊感があるっていったのさ」
口が軽く、女遊びが激しく、嘘ばかりいうこの男にそんなものがあるはずがない。しかし、彼により親しい友人に訪ねると、それは本当のことだという。
「じゃあ、何かしらの非日常的な体験を感じて彼女は……」
そう考えていたが、彼が別の友人と彼女を口説いたときのことをより詳細に話しているのを盗み聞きして、彼はあきらめることになった。
「あいつはいうだろ、私は“不幸癖”があるって、昔からそうだった、俺は同級生だったのさ、だが、俺は昔から彼女がひときわ美しい事に気づいていたさ、そして何てナンパしたのか、簡単さ“俺が不幸癖をなおしてやる、俺は誰より幸福だから、お前を幸福にしてやるっていったのさ”」
Aさんは例のごとく、彼に詳しい友人に訪ねると、友人はいった。
「いや、あいつは“並”だな、それよりあいつに歯向かった人間は不幸になるという話がある」
Aさんはピンときて、Cを呼びだしていった。
「なあ、お前Bさんに何かしただろう?お前、彼女に呪いをかけ、長い事彼女を不幸にして、それで、呪いをといてこういったんだ、俺が幸福だからお前を幸福にしてやるって」
「プッ……」
「何がおかしい」
「それがどうした、そうだろうと、どうだろうと、お前には関係あるまい、彼女は“平凡”が幸福だと思っているんだから、それに俺にそんな能力はないよ」
Aさんがピンときたのには、訳があった。Cはもともと女癖が悪いが、ナンパの際かならず女性が不運の最中にあるという。女性の中では“人を助ける紳士だからモテる”という噂があるが、きっと違うのではないかと。
予感は的中した。CはAさんを避けるようになったのだ。嘘ばかりいうAさんが、彼に親しい友人たちいわく“最も分かりやすいウソ”をいったあとに、人をさけ、縁を切るのだと。
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