含み笑い

ショー・ケン

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み笑い

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Aさんの友人に学生時代、Bさんという少年がいたそうだ。ユーモラスだがどこかミステリアスなところもあり、自分の好き嫌いなどはあまり話したがらない、その代わりに人の性格や好き嫌いによく気づく人だった。

別のクラスに不良グループがいて、Bはその不良の性格さえよく把握していた。
そんなある日、不良グループの中である噂がたった。Bが、Cというリーダー格の不良と会うたびに、にやりと含み笑いをしているというのだ。

そんなまさかという話になったがその不良グループ5人で確認をしてみることになった。数日間の確認で、たしかにBはCに向かって含み笑いをしている。それどころではなく、その不良グループ全員とあうたびにそんな様子で、なんだか陰気な感じがする。

Cは痛い目に合わせるか、という話を持ち出したがDというBと昔なかがよかったという不良グループの一人が、話題をそらして難を逃れた。実はC以外は、わりとBの事が好きだったので何か理由があるのだと考えたのだ。

だが後日、Bは顔を晴らしてみんなの前にあらわれた。Bはわけを話さなかったが、何か理由があるのは明白だった。きっと不良グループに絡まれたのだろうという噂になった。

その日の夜、不良グループはバイクにのり心霊スポットを訪れた。その道中DがCにBの事を聞くと、笑いながらCは答えた。
「ああ、あいつの事をだまらしてやったさ」
 今日いく心霊スポットは、いつもたまり場にしている所だ。何もないだろう、そう思っていた。だがCは、その話を返した後にこんな事をいっていた。
「でもあいつ変なこと言ってたな、俺が心霊スポットにいくから、こうするしかなかたっとか、おどして殴ったから詳しくはきけなかったけど、止めるためだとかなんとか」
「ふーん」
 と聞き流すD

 その心霊スポットでいつものようにだべっていると、その日に限ってCの様子が変だった。奇妙な物音がするとか、笑い声がするとか、しまいには寒いといってがくがく震えだしたのだ。
「あいつ、Bのやつ、俺に何かしやがったのか……」
「そんなわけはない」
 とかばうD
「だがこの場所が悪いことはたしかだ、俺がおくっていくから今日はお前かえれ」
 何度もいいきかせたがCは自分で帰るといって聞かず、結局最後までたむろしていた。

 その後、解散して、翌日目を覚ますと、Dは母親にたたき起こされた。
「C君事故にあったって!!」
 携帯をみるとたしかに仲間たちからも着信や連絡がはいっている。急いで病院にかけつけていった。

 病院にいくと、Cは妙な様子だった。妙におとなしくBに申し訳ないことをしたと話している。Cいわく、ここ最近妙なものをみていたという、家で物音を聞くし、街で赤い服の女をよく見たというのだ。おいかけて、付け回していることを尋ねようとすると姿がきえる。Bを殴ったあとに、その赤い服の女がより一層あらわれるようになり、事故の時目の前にあらわれて引きそうになったので、ハンドリングをあやまり、転倒し、事故にあったのだという。

 その後、病院から帰り、珍しく学校にいく、BにBとこのことが何か関係があるのではないかと尋ねようとしたのだ。Bに尋ねると、Bはいった。
「ああ、そうだよ」
「お前、むかしからオカルトに詳しかったもんな、でも今でも信じられないよ、殴られたからって、こんな事……なんで、そもそもお前があんな含み笑いするのが悪いじゃないか」
「?違うよ……あれは一種の除霊、祖母ちゃんから教わった除霊方法で、笑うことによって、霊にこちらの存在に気づかせて、俺にとりつかせ、あとできちんとした儀式で払う予定だったんだ、実際いくつかの霊は除霊に成功した」
 そういわれて思い出した。Bの祖母は霊媒師をやっていたのだ。
「え?どういうこと、つまり俺たちに笑いかけていたのってそういう」
「そう、言ってもわからないと思うからやめておいたけど……恩着せがましい事をいうつもりはないけど、だからこそC以外は事故にあわなかっただろう」
 そういわれると、Cと仲間は同じ方面に自宅があり一緒に帰宅していたがCだけが事故にあったらしい。Bは続けた
「いつも心霊スポットにいっていたでしょ、赤い服の女がどうこう、Cがいっていたはずだ、あの心霊スポットは本物だから近づかないほうがいいよ、まあ、殴られてから言っても遅いけどね」
 

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