友人?

ショー・ケン

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友人?

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 ある飲食店に学生バイトのAとBがいた。ほかにも大勢バイトが板がほとんどが学生。AとBはいつも皆と距離をおいていた、彼ら以外はとても皆なかがよかったが、なによりBの人相がとても悪く、かつAはいつもおどおどしてBに従っているようにみえたので、彼らのあまりよくなさそうな関係性と、あまり関わりたくないという意識から、皆二人をさけていた。

 だが、ある時からAはバイト先に来なくなった。もともと人見知りが激しいしコミュニケーションが得意ではなさそうだったかれは、居場所を失ったのかもしれないと噂になった。それでも彼は悪い人ではなかったし真面目だったので、多くのバイトが彼を心配して、早く戻ってくれないかとおもっていた。だが待てども待てども戻らず、店長に聞いても言葉を濁すばかりだった。

 それから、Bは段々居場所を失っていった。もともとびくびくしながら彼にかまっていたのはAだけだったし、あんなに彼がおびえていたのにダルがらみしたせいで、彼は職場にこなくなったのではないかという噂も流れた。

 そしてBは徐々にシフトをへらしていった。そんなある時だった。Bがホールの掃除をしているときに、店のドアがあいた。
《カラーンカラーン》
 ざわめく店内。といっても客はほとんどいない。従業員たちが見る先にはAが立っていた。
「ごめんB君しばらくこれなくて……これ、かりてた漫画本、返しに来たよ、またしばらく会えなくなるから……ちょっと遠くに引っ越すことになって」
 あまりのことにあっけにとられているB
「ここで仲良くしてくれたのは君だけだったよ、見た目は怖くて、一見近寄りがたいけど、人は見ためじゃないってよくわかったよ、君はとてもやさしく手愉快な人だった、仲良くしてくれて、ありがとうね」
 と、そういった瞬間、彼はまるで霧にでもなるかのように消えた。従業員もお客もそれをみていて、あまりのことに声もでなかった。

 その数日後だった。Aが死んだという連絡がその店にきて、バイト皆でその葬式にいったのは、どうやら、重い病だったらしく店長は家族の要望もあり、そのことを隠していた。そして、何より驚愕だったのがあの時、久しぶりに店に顔をだしBを訪ねてきたA、その頃にはもう危篤状態だったらしく、尋ねてこれるはずがないという事だ。それにもまして皆が驚いたのは、Bがその葬式で誰より号泣していたことだった。
 その後、その店ではアルバイト達の中はより一層よくなり、Bもその輪の中に入るようになった、見た目に反してただの人見知りらしく、とてもいい奴だと話題にもなった。その後、皆が社会人になっても連絡をとりあう仲で、お互いの事を信頼しあっているそうだ。
 Bはよくいっている。
「あのとき、Aが俺の事をよくいってくれなかったら、今頃も俺は、人とうまく関われなかったかもしれない」
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