彼女の記憶

ショー・ケン

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彼女の記憶

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A子さんの大学生時代の話。仲のいい男友達Bが、様子がおかしい事があった。どうやら、心霊スポットにいってから、髪の長い片目だけだした恐ろしい女に監視されているという。

心霊スポットにいったのは友人のCもつれだってだというので、A子さんは彼に問いただした。
「ああ、あそこには霊がいるよ、それで連れて帰ってきたのかもね」
 と平然という。腹がたっていたが、続けてCはいった。
「そんな事よりさ、あいつ彼女出来たの知ってる?」
「はあ?そんな事きいてないけど」
「隠してるからな」
 A子さんは少しそのことでも腹が立って、しばらくBともかかわらなかった。しばらくして、Bがどんどんとやつれていくのでおかしいと思いやはりお祓いをしてもらおうと、知り合いのつてをあたってある力ある住職にお祓いをしてもらうことにした。

 大学の近くのアパートに一人暮らしをしているB、窓をあける。Bはにこやかにいった。
「彼女がいてさ、彼女の、D子っていうんだ」
 住職とA子は唖然とした。そこに人はいなかったからだ。しかし住職は、何かが見えているようで、こういった。
「ここには二人、幽霊がいます」
 住職いわく、Bが彼女とよんだ霊は今風で、金髪だったらしく心霊だと気づかないのも無理もないほどのいでたちだったという。住職は自分が責任をもつといいすぐにお祓いをした。どうやらBはひどく問題のある取りつかれ方をされていたようだった。除霊は2か月に及んだが、やがてBは健康を取り戻した。

 しばらくして、Bが学校に通い始めると噂がたったころ、Cが別の友人たちに
「あいつを心霊スポットにつれていったら、面白い事になった、あの心霊スポットには二人の女の霊がいるって噂だったけど、一人って嘘をついたらあいつ、二人にとりつかれているのに気づかないでやんの」
 と自慢話をしているのをきいた。もともと素行のわるかったCだったが、Bが根はいい奴だという事をしんじていたが、A子さんは、大学に復帰したBにCとの関係を断つようにいって、それから自分の想いに気づいたA子さんは、Bと付き合うことになり、やがて結婚したそうだ。
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