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貧乏神
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昔、ある貧乏な家系があった。その家のまだ小さな息子のヨシは、両親が早くにしに、祖父に育てられた。祖父はいつも貧乏だ、貧乏だ、家には貧乏神がついているというと
「神様はいずれも徳が高い方々なんだ、そんな事をいっちゃいけん、何かを学ばせるための貧乏だ」
といった。
ヨシが家を嘆くのにも理由があった。周りは百姓から地位を上げるものばかり、やれ職人だ、やれ商人だ。もともと栄えていなかったその地域から、次第に商売を成功する人々がでてきたからだ。
ヨシの最も中のよい友人のマタキチは、その村の豪族でもともとは小さな家で、滅びかけたこともあった家だったらしいが、それも、今では栄えに栄えていた。これも“福の神”の仕業だ、とマタキチはいう。
マタキチはイヤミな奴で、いつもヨシに嫌味や皮肉をいったが、それでもヨシは、あまり賢くなかったために、彼のイヤミをものともしなかった。言葉を間違えたと指摘されても、貧乏な格好を指摘されても、別段嫌な顔はしなかった。むしろその言葉の響きの中に美しさ、ユーモラスな風情じみたものを感じさえした。
だがあるとき、マタキチが彼の妹のサエと自分をつれて彼の屋敷を遊びまわっているとき、地下の蔵で、奇妙な巻物をみつけた。
「お兄ちゃん、これなあに」
サエからマタキチはそれをぶんどって突き飛ばした。泣きじゃくるサエを、ヨシが優しくささえてなだめた。
「お兄ちゃんさ、いずれ悪いことがおこる、悪い事が」
「大丈夫だ、きっとそうだ」
自分の事を言われる事はなんでもなかったが、人を傷つけるときには、ヨシはマタキチを嫌におもった。マタキチがマキモノを広げると、どうも達筆すぎる字で何事かかいている。
「ふむふむ」
「勝手にみちゃまずいものじゃないか?この蔵は、おっとさんがたの大事な……」
「だまれ!!」
今度はヨシがつきとばされた。この時も何も思わなかったが、何か暗闇から奇妙な人影がこちらに出てくるのが見えた気がした。
「うーん」
マタキチが、ずっと悩んでいる。
「マタキチ!!」
叫んでも反応はしなかった。
「マタキチってば!!」
「うるさいのお」
そういってマタキチは、後ろもみずに、手を振り払った。その手が懲りずに兄に近寄っていたサエにあたりそうだったので、ヨシは彼女を庇ってやった。
しばらくそうしていたが、マタキチはさすがにこらえられなくなった。文字はやはりほとんど読めなかった。読めたのは
「神は大事にせよ」
というような文言ばかりだった。そのとき、目の前に、まるでズタボロの浮浪者のような格好の男が、奥からあらわれた。そしてマタキチのもっていた巻物をぶんどるようにしてとった。
「き、きさま、きさま何者だ」
マタキチは、小刀をとりだした。武士の真似事をしてもっている、包丁ほどの長さもないような小刀だった。
「ハ、ハハ、ハ……巻物……大事ナ」
「何!!?貴様のものである訳がなかろう、まるで貴様、そんな貧乏神のような格好をしよって!!」
「ハハハ……ハ、大事な、約束」
「約束ゥ?」
マタキチは頭をひねった。父は、物忘れが多く、しかし、だからこそ日頃から書物を大事に扱えといっていた。そして父は、蔵などの書物もすべて毎年の終わりになると読み漁る。マタキチは、この書物もその一部だとおもった。そして、さっき読んだ文の一節が突然脳裏によみがえった。
「幸と不福を繰り返すべし」
とかかれていた。マタキチはふと思い出すことがあった。まだ物心がついたばかりのころ、父はこういっていたのだ。
「なぜ私の家は、こうも幸が訪れたり、不幸が訪れたり、繰り返すのだろうか、どうしかして、幸福だけ手にする事はできないものか」
マタキチは、そう考えると今目の前にいるものが、何者であれ貧乏神にしかみえなくなってきた、またどうせ浮浪者であるという考えが、卑しき感情を湧き起らせた。そして、彼に思いきりきりつけたのだ。
「ワ、ワワ、ワ」
浮浪者は、1,2度それをよけたが、マタキチがしめた!とふりあげた小刀が必ずあたるとおもったそのとき、姿がまるごと薄くなって消えてしまった、かわりに、蔵の入り口があいて、父があらわれ、浮浪者がもっていた書物をひろいあげると、マタキチがふりあげた剣がその書物を切ってしまった。
「あ……」
とマタキチら子供一同、父のおしかりに怯えた。が、父はその書物が二つに切れると同時に。
「なんだったか……まあ、大事な用ではなかろう」
と、今目の前で起きたことすら忘れたように立ち去るのだった。
幾日かたち、元日になった。その夜はこの村で特別な意味があった。元日の夜に戸の前に神が現れる。“福の神”を迎えるか“貧乏神”を迎えるか選べる、という言い伝えがあったのだ。福の神を迎えるのは、その家の家長である場合がほとんど、その理由は、家長以外には知らされていない。
マタキチの家では父がでた。元日の夜、玄関で声がして、でると、ぼろぼろの布切れをきた例の浮浪者がでてきた。
(貧乏神だ)
とおもった父は、それを追い払ってしまった。
また、ヨシの家にも声をかけるものがあった。そのころ祖父は風邪で寝込んでいた。が、彼の家はせまく、今まで一度だって、神が扉をたたくことなどなかった。しかしその日ばかりは違った。
「オーイ」
「なんだ?こんな夜中に……」
ヨシは、その言い伝えを本当だとはおもっておらず、物取りか、遭難者かと思った。
「オーイ・オーイ」
「誰じゃ、誰じゃ……」
うなされて寝ぼけている祖母がうめくので、ヨシは仕方なく玄関にたち、扉をあけた。雪が肩につもった、件の浮浪者がいた。
「イレテくれぬか、イレテはくれぬか?」
「……いいけど」
「よすか?……よすのか?」
「そうじゃない、じっちゃんが風邪をひいたんだ、あんたに映ったら悪いとおもって」
「よいこじゃ、よいこじゃ」
浮浪者はそういいながら、無遠慮に敷居をまたいだ。その瞬間、ヨシはあっと声をあげた。戸をまたいだ瞬間、その浮浪者は消えてしまったのだ。
それからの一年間は、ヨシの家には不幸が続いた。祖父は大病を患い、ヨシもマタキチと喧嘩をし、彼の取り巻きが嫌がらせをしてきた。だが祖父のためにもヨシは小さいからだで立派に働いた。その頑張りを村中みていた。
それと反対にマタキチの家は、ひどいいわれようだった。なにせ、人の反感をかったとか、やっていた商売がうまくいかなかったとかで、父も母も働くことがばからしくなり、やることなすことすべてずさんになった。
「貧乏神にとりつかれたんだ」
とマタキチは嘆き、自身もまた、他人に当たるようになっていった。そして一年とたたず、みごとに没落していき、貧乏な百姓の家系になっていったのだった。
その次の年の元日に、今度はヨシが風邪をひいていると、うなされて妙な夢をみた。ベッドの脇で、件の浮浪者と、寝込んでばかりだった祖父が鍋をつついて話をしていた。
「そうじゃったか、そうじゃったか」
「そうじゃ………そうじゃテ」
祖父が話を聞きうなずき、どうやら浮浪者が同じ話を繰り返しているらしい。
「この村ニハ、昔から貧乏神しかおらんのじゃ、じゃが古イしきたりゆえ、人々は忘れているのじゃ、昔贄を捧げてから、しきたりはきまった、ニエを捧げぬかわりに、貧乏神をこの村ニ招くと」
「ほうほう」
「貧乏神は、しきたりを守るものに不幸をもたらす、だが同時に幸福をももたらす、それは、この村ニ招いたものたちが承諾したものだ、二度と、ニエを出さぬように」「ふむ」
「ワケがわかるか?ワケが、ワケが、どうして、その二つが必要か」
祖父は少し考えたあと答えた。
「貧乏神も神のうち、人は栄えるとありがたみを忘れてしまう、故に貧乏神は、それを教えるために、貧乏だが優れたものに取りつき、時に幸運を、時に不運をもたらすのかのう」
「ああ、そうじゃ、そうジャ……」
浮浪者は涙を流して笑っていた。
「ワシは、ソレなのじゃ、わしは、この村で、心優しきイエをみつけては、頼み事をするのだ、“優しく清き心を持つもの”をみつけ、その家を順繰りまわっているノダ、だが“しきたり”を忘れたものは、私を忘れ、より不幸になるのじゃ、それが心苦しい」
「仕方ないことですじゃ、仕方のない……」
祖父が、そう頷いていると、浮浪者はぽーっと光をはなち、そのまま消えてしまった。
あくる日から、奇妙な出来事が続いた。家の前にだれかが、様々なものをおいていった。野菜、魚、時には金銀財宝など、はじめは神の贈り物かとかんがえたヨシだったが、実は村人たちが、ヨシの働きに関心していたのだ。
そして徐々にヨシは、持ち前の知恵をつかい、畑を大きくし、しだいに商売に手を出し、青年になるころには、立派な豪族家の家主となった。サエをめとり、その後は幸せに暮らしたという。
この話を先祖の話として祖父からきいた、某大会社の社長のAさんはこういう。
「もしかしたらでたらめな話かもしれないが、でも教訓はある、私の家系は沈んだり登ったりの繰り返しだが、そのおかげで決して、汚い事をできない心が身についているんだ」
とわらっていった。
「神様はいずれも徳が高い方々なんだ、そんな事をいっちゃいけん、何かを学ばせるための貧乏だ」
といった。
ヨシが家を嘆くのにも理由があった。周りは百姓から地位を上げるものばかり、やれ職人だ、やれ商人だ。もともと栄えていなかったその地域から、次第に商売を成功する人々がでてきたからだ。
ヨシの最も中のよい友人のマタキチは、その村の豪族でもともとは小さな家で、滅びかけたこともあった家だったらしいが、それも、今では栄えに栄えていた。これも“福の神”の仕業だ、とマタキチはいう。
マタキチはイヤミな奴で、いつもヨシに嫌味や皮肉をいったが、それでもヨシは、あまり賢くなかったために、彼のイヤミをものともしなかった。言葉を間違えたと指摘されても、貧乏な格好を指摘されても、別段嫌な顔はしなかった。むしろその言葉の響きの中に美しさ、ユーモラスな風情じみたものを感じさえした。
だがあるとき、マタキチが彼の妹のサエと自分をつれて彼の屋敷を遊びまわっているとき、地下の蔵で、奇妙な巻物をみつけた。
「お兄ちゃん、これなあに」
サエからマタキチはそれをぶんどって突き飛ばした。泣きじゃくるサエを、ヨシが優しくささえてなだめた。
「お兄ちゃんさ、いずれ悪いことがおこる、悪い事が」
「大丈夫だ、きっとそうだ」
自分の事を言われる事はなんでもなかったが、人を傷つけるときには、ヨシはマタキチを嫌におもった。マタキチがマキモノを広げると、どうも達筆すぎる字で何事かかいている。
「ふむふむ」
「勝手にみちゃまずいものじゃないか?この蔵は、おっとさんがたの大事な……」
「だまれ!!」
今度はヨシがつきとばされた。この時も何も思わなかったが、何か暗闇から奇妙な人影がこちらに出てくるのが見えた気がした。
「うーん」
マタキチが、ずっと悩んでいる。
「マタキチ!!」
叫んでも反応はしなかった。
「マタキチってば!!」
「うるさいのお」
そういってマタキチは、後ろもみずに、手を振り払った。その手が懲りずに兄に近寄っていたサエにあたりそうだったので、ヨシは彼女を庇ってやった。
しばらくそうしていたが、マタキチはさすがにこらえられなくなった。文字はやはりほとんど読めなかった。読めたのは
「神は大事にせよ」
というような文言ばかりだった。そのとき、目の前に、まるでズタボロの浮浪者のような格好の男が、奥からあらわれた。そしてマタキチのもっていた巻物をぶんどるようにしてとった。
「き、きさま、きさま何者だ」
マタキチは、小刀をとりだした。武士の真似事をしてもっている、包丁ほどの長さもないような小刀だった。
「ハ、ハハ、ハ……巻物……大事ナ」
「何!!?貴様のものである訳がなかろう、まるで貴様、そんな貧乏神のような格好をしよって!!」
「ハハハ……ハ、大事な、約束」
「約束ゥ?」
マタキチは頭をひねった。父は、物忘れが多く、しかし、だからこそ日頃から書物を大事に扱えといっていた。そして父は、蔵などの書物もすべて毎年の終わりになると読み漁る。マタキチは、この書物もその一部だとおもった。そして、さっき読んだ文の一節が突然脳裏によみがえった。
「幸と不福を繰り返すべし」
とかかれていた。マタキチはふと思い出すことがあった。まだ物心がついたばかりのころ、父はこういっていたのだ。
「なぜ私の家は、こうも幸が訪れたり、不幸が訪れたり、繰り返すのだろうか、どうしかして、幸福だけ手にする事はできないものか」
マタキチは、そう考えると今目の前にいるものが、何者であれ貧乏神にしかみえなくなってきた、またどうせ浮浪者であるという考えが、卑しき感情を湧き起らせた。そして、彼に思いきりきりつけたのだ。
「ワ、ワワ、ワ」
浮浪者は、1,2度それをよけたが、マタキチがしめた!とふりあげた小刀が必ずあたるとおもったそのとき、姿がまるごと薄くなって消えてしまった、かわりに、蔵の入り口があいて、父があらわれ、浮浪者がもっていた書物をひろいあげると、マタキチがふりあげた剣がその書物を切ってしまった。
「あ……」
とマタキチら子供一同、父のおしかりに怯えた。が、父はその書物が二つに切れると同時に。
「なんだったか……まあ、大事な用ではなかろう」
と、今目の前で起きたことすら忘れたように立ち去るのだった。
幾日かたち、元日になった。その夜はこの村で特別な意味があった。元日の夜に戸の前に神が現れる。“福の神”を迎えるか“貧乏神”を迎えるか選べる、という言い伝えがあったのだ。福の神を迎えるのは、その家の家長である場合がほとんど、その理由は、家長以外には知らされていない。
マタキチの家では父がでた。元日の夜、玄関で声がして、でると、ぼろぼろの布切れをきた例の浮浪者がでてきた。
(貧乏神だ)
とおもった父は、それを追い払ってしまった。
また、ヨシの家にも声をかけるものがあった。そのころ祖父は風邪で寝込んでいた。が、彼の家はせまく、今まで一度だって、神が扉をたたくことなどなかった。しかしその日ばかりは違った。
「オーイ」
「なんだ?こんな夜中に……」
ヨシは、その言い伝えを本当だとはおもっておらず、物取りか、遭難者かと思った。
「オーイ・オーイ」
「誰じゃ、誰じゃ……」
うなされて寝ぼけている祖母がうめくので、ヨシは仕方なく玄関にたち、扉をあけた。雪が肩につもった、件の浮浪者がいた。
「イレテくれぬか、イレテはくれぬか?」
「……いいけど」
「よすか?……よすのか?」
「そうじゃない、じっちゃんが風邪をひいたんだ、あんたに映ったら悪いとおもって」
「よいこじゃ、よいこじゃ」
浮浪者はそういいながら、無遠慮に敷居をまたいだ。その瞬間、ヨシはあっと声をあげた。戸をまたいだ瞬間、その浮浪者は消えてしまったのだ。
それからの一年間は、ヨシの家には不幸が続いた。祖父は大病を患い、ヨシもマタキチと喧嘩をし、彼の取り巻きが嫌がらせをしてきた。だが祖父のためにもヨシは小さいからだで立派に働いた。その頑張りを村中みていた。
それと反対にマタキチの家は、ひどいいわれようだった。なにせ、人の反感をかったとか、やっていた商売がうまくいかなかったとかで、父も母も働くことがばからしくなり、やることなすことすべてずさんになった。
「貧乏神にとりつかれたんだ」
とマタキチは嘆き、自身もまた、他人に当たるようになっていった。そして一年とたたず、みごとに没落していき、貧乏な百姓の家系になっていったのだった。
その次の年の元日に、今度はヨシが風邪をひいていると、うなされて妙な夢をみた。ベッドの脇で、件の浮浪者と、寝込んでばかりだった祖父が鍋をつついて話をしていた。
「そうじゃったか、そうじゃったか」
「そうじゃ………そうじゃテ」
祖父が話を聞きうなずき、どうやら浮浪者が同じ話を繰り返しているらしい。
「この村ニハ、昔から貧乏神しかおらんのじゃ、じゃが古イしきたりゆえ、人々は忘れているのじゃ、昔贄を捧げてから、しきたりはきまった、ニエを捧げぬかわりに、貧乏神をこの村ニ招くと」
「ほうほう」
「貧乏神は、しきたりを守るものに不幸をもたらす、だが同時に幸福をももたらす、それは、この村ニ招いたものたちが承諾したものだ、二度と、ニエを出さぬように」「ふむ」
「ワケがわかるか?ワケが、ワケが、どうして、その二つが必要か」
祖父は少し考えたあと答えた。
「貧乏神も神のうち、人は栄えるとありがたみを忘れてしまう、故に貧乏神は、それを教えるために、貧乏だが優れたものに取りつき、時に幸運を、時に不運をもたらすのかのう」
「ああ、そうじゃ、そうジャ……」
浮浪者は涙を流して笑っていた。
「ワシは、ソレなのじゃ、わしは、この村で、心優しきイエをみつけては、頼み事をするのだ、“優しく清き心を持つもの”をみつけ、その家を順繰りまわっているノダ、だが“しきたり”を忘れたものは、私を忘れ、より不幸になるのじゃ、それが心苦しい」
「仕方ないことですじゃ、仕方のない……」
祖父が、そう頷いていると、浮浪者はぽーっと光をはなち、そのまま消えてしまった。
あくる日から、奇妙な出来事が続いた。家の前にだれかが、様々なものをおいていった。野菜、魚、時には金銀財宝など、はじめは神の贈り物かとかんがえたヨシだったが、実は村人たちが、ヨシの働きに関心していたのだ。
そして徐々にヨシは、持ち前の知恵をつかい、畑を大きくし、しだいに商売に手を出し、青年になるころには、立派な豪族家の家主となった。サエをめとり、その後は幸せに暮らしたという。
この話を先祖の話として祖父からきいた、某大会社の社長のAさんはこういう。
「もしかしたらでたらめな話かもしれないが、でも教訓はある、私の家系は沈んだり登ったりの繰り返しだが、そのおかげで決して、汚い事をできない心が身についているんだ」
とわらっていった。
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