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少女は再び目覚める
16 in牢獄は現在進行形①
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俺は、記憶を取り戻しディスティニーに会いに行く為に旅立ち、公爵家にたどり着いたが、再び牢獄に入っている。
ディスティニーと出会ったのは、死と静寂が支配する、死刑囚専用の牢獄。
死に戻りの記憶が蘇ったのは、戦闘の最中だった為危なかったが、蘇った事により勝利する事ができたんだ。
星形の痣を見て、蘇った記憶が白昼夢ではなかった事を確信する。
今の俺は、気儘な傭兵だ。
帝国からの依頼で、戦場を渡り歩いている。
「おい、帝国から依頼が来ているぞ」
「もう、傭兵は引退する」
「はっ?お前、今が盛りじゃあないか」
傭兵として稼げる期間は短い。皆、体力が有るうちに稼ぐのが当たり前だ。
「娘を迎えに行く事にしたんだ。今、10才前後の筈なんだ」
「10才って、お前幾つの時の子だ」
10才になってしまうが、べつに良いだろう。
戦闘に勝利し金も手に入れる事もできた。
俺が今まで貯めた金と合わせると、結構な金額になる。
「此だけ有れば、子供の1人、2人は養えるな」
今のディスティニーは、ま10才前後の筈。可愛らしい姿を想像する。
牢獄にいたディスティニーは拷問の為、酷い姿だったが美少女だった事は、分かっていた。
『ディスティニー、今日から俺が父親だ』
『お父さん、嬉しい』
俺は、こんな脳内妄想をしながら王都の公爵家を目指す事にした。
「畜生、ディスティニーは俺の事は、おじさんてよんでたな」
仕方ない事だが、当時の俺は鍛冶屋のオッサンだった。
今回の戦闘での怪我で再起できなくなり、故郷に帰り鍛冶屋になっていたからな。
髭も延びきった状態だ。
「ディスティニーは、ビックリするな」
傭兵仲間は俺に娘がいる事をしり、快く送り出してくれた。
俺に冤罪を被せた貴族は、都合が良い事に今回の戦場の責任者だった。
奴のせいで、牢獄に入る事になったんだ。
奴の愛用の短剣も、秘密裏に手に入れた。
家紋が入っている特注品だ。
きっと役に立つ時が有る。
「娘がいるなら仕方ない。達者で暮らせよ」
俺がそんな事をした事を知らない仲間たちは、別れを惜しんでくれたよ。
傭兵稼業も悪くなかった。
だが、二度目の人生のようなもんだ。
処刑の為に連れて行かれた、少女の姿が忘れられない。
行かせない為に必死に抵抗したが、守れなかった。
もうすぐで敵と味方が区別できない、狂った時代がやってくる。
その前に、さっさとディスティニーを連れて平和な南の島に行こう。
鍛冶の腕をいかして、小さなアクセサリー店を開いて、観光客相手に気楽に暮らそう。
『お父さん、ご飯ができたよ』
『ディスティニーの飯は、上手いからな』
脳内劇場が展開する。
が、事態はそんな簡単にはいかなかった。
旅の目的である王都に着き、そのままキャラバン公爵邸に向かったら、城?のような屋敷に度肝を抜かれた。
とりあえず、目的達成の為に門番にディスティニーとの面会を求めると。
お前誰?なに考えてるの?
みたいな顔をされて相手にされない。
そんな事を繰り返しているうちに、屋敷の方から女が警羅に引き摺られて出てきた。
その女は、明らかにディスティニーの事をバカにしている事を喚いている。
自分の体温が下がっていくのが分かる。
「オーイ!此方にも怪しい奴がいるんだ」
門番が警羅に俺の事を、通報してる。
少しだけ再会するのが遅れてしまうが、俺は抵抗する事なく警羅に連行される事にした。
そして、今、俺がいるのは変質者専門の牢屋だ。
どうやら、ロリコン変態の容疑らしい。
変態専用の牢屋は、地上に有るので居心地は悪く無い。
俺は、夜を待つことにした。
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俺は、記憶を取り戻しディスティニーに会いに行く為に旅立ち、公爵家にたどり着いたが、再び牢獄に入っている。
ディスティニーと出会ったのは、死と静寂が支配する、死刑囚専用の牢獄。
死に戻りの記憶が蘇ったのは、戦闘の最中だった為危なかったが、蘇った事により勝利する事ができたんだ。
星形の痣を見て、蘇った記憶が白昼夢ではなかった事を確信する。
今の俺は、気儘な傭兵だ。
帝国からの依頼で、戦場を渡り歩いている。
「おい、帝国から依頼が来ているぞ」
「もう、傭兵は引退する」
「はっ?お前、今が盛りじゃあないか」
傭兵として稼げる期間は短い。皆、体力が有るうちに稼ぐのが当たり前だ。
「娘を迎えに行く事にしたんだ。今、10才前後の筈なんだ」
「10才って、お前幾つの時の子だ」
10才になってしまうが、べつに良いだろう。
戦闘に勝利し金も手に入れる事もできた。
俺が今まで貯めた金と合わせると、結構な金額になる。
「此だけ有れば、子供の1人、2人は養えるな」
今のディスティニーは、ま10才前後の筈。可愛らしい姿を想像する。
牢獄にいたディスティニーは拷問の為、酷い姿だったが美少女だった事は、分かっていた。
『ディスティニー、今日から俺が父親だ』
『お父さん、嬉しい』
俺は、こんな脳内妄想をしながら王都の公爵家を目指す事にした。
「畜生、ディスティニーは俺の事は、おじさんてよんでたな」
仕方ない事だが、当時の俺は鍛冶屋のオッサンだった。
今回の戦闘での怪我で再起できなくなり、故郷に帰り鍛冶屋になっていたからな。
髭も延びきった状態だ。
「ディスティニーは、ビックリするな」
傭兵仲間は俺に娘がいる事をしり、快く送り出してくれた。
俺に冤罪を被せた貴族は、都合が良い事に今回の戦場の責任者だった。
奴のせいで、牢獄に入る事になったんだ。
奴の愛用の短剣も、秘密裏に手に入れた。
家紋が入っている特注品だ。
きっと役に立つ時が有る。
「娘がいるなら仕方ない。達者で暮らせよ」
俺がそんな事をした事を知らない仲間たちは、別れを惜しんでくれたよ。
傭兵稼業も悪くなかった。
だが、二度目の人生のようなもんだ。
処刑の為に連れて行かれた、少女の姿が忘れられない。
行かせない為に必死に抵抗したが、守れなかった。
もうすぐで敵と味方が区別できない、狂った時代がやってくる。
その前に、さっさとディスティニーを連れて平和な南の島に行こう。
鍛冶の腕をいかして、小さなアクセサリー店を開いて、観光客相手に気楽に暮らそう。
『お父さん、ご飯ができたよ』
『ディスティニーの飯は、上手いからな』
脳内劇場が展開する。
が、事態はそんな簡単にはいかなかった。
旅の目的である王都に着き、そのままキャラバン公爵邸に向かったら、城?のような屋敷に度肝を抜かれた。
とりあえず、目的達成の為に門番にディスティニーとの面会を求めると。
お前誰?なに考えてるの?
みたいな顔をされて相手にされない。
そんな事を繰り返しているうちに、屋敷の方から女が警羅に引き摺られて出てきた。
その女は、明らかにディスティニーの事をバカにしている事を喚いている。
自分の体温が下がっていくのが分かる。
「オーイ!此方にも怪しい奴がいるんだ」
門番が警羅に俺の事を、通報してる。
少しだけ再会するのが遅れてしまうが、俺は抵抗する事なく警羅に連行される事にした。
そして、今、俺がいるのは変質者専門の牢屋だ。
どうやら、ロリコン変態の容疑らしい。
変態専用の牢屋は、地上に有るので居心地は悪く無い。
俺は、夜を待つことにした。
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