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少女は再び目覚める
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キャラバン公爵家で日常と成りつつある、新任の家庭教師とディスティニーとの学習時間。
事件は、夫人がお茶会に出掛けてる時に起こった。
『近隣諸国の動向の復習をする』
『帝国の南に位置する海を挟むサハラ国が、王室を廃止、民主化を成功させました。しかし、内乱は収まってはいません。内乱により農土が荒廃し、恐らく餓死者がでると思われます』
『サハラ国の主要な生産物を述べよ』
『サハラ国の・・・・』
「なんなのよ!全然解らないじゃない!」
確かに、エリスに解らないように私達は古典語を使い勉強してるいる
「エリス嬢、静かにできないなら退室して下さい」
先生の見た目は、美形の好青年だ。エリスが見逃す筈がない。
「誰に向かっていってるの。貴方なんか首よ!」
エリスってこんな感じの子だったの?
自分も一緒に勉強したいって言ったのに
「私は、先代公爵様にディスティニー嬢の家庭教師を依頼されています。今の貴女の発言は先代公爵様を否定される事になりますよ」
「・・・・」
さすがにエリスも黙ったのに。
「お嬢様に対し、言い過ぎですよ。ディスティニー様も同罪です。妹君を大切になさらなくては、貴女なぞ」
「私は、エリスを蔑ろになんかしていないわ」
「ですが、実際にエリス様は悲しんでいらっしゃいます」
「先生の言っている事は、正しいわ」
現在の侍女長は、継母である公爵夫人が実家から連れてきた女性だ。
「それにエリスを大切にしないと、私はどうなるのかしら」
「貴女は自分の立場が、お分かりにならないのですか」
「分からないわ、教えなさい!」
「エリス様に比べ、貴女の母君は」
「お黙りない!」
お出掛けになられた筈の、お義母様が戻ってきたのだ。
「奥様!ディスティニー様に・・・・」
「お黙りない!」
「ですが、ディスティニー様に自分の立場を理解して貰う良い機会です!」
「お義母様、私の立場を教えて下さい」
「・・・・」
突如、戻ってきた継母により、修羅場は終息となった。
「今回の事は、先代公爵に報告致します。私は、ディスティニー様の専属の家庭教師として依頼を受けました。業務の中には、ディスティニー様の健やかな育成も入っています。先代公爵への報告は義務です」
「内々には済まないようね。侍女長、貴女を解雇します」
「お母様、侍女長は悪くないわ。先生とお姉さまが悪いのよ」
「エリス、貴女は部屋に謹慎です」
継母は、速やかに処分を決めていく。
「奥方様、ディスティニー様への予算が横流しされている証拠です。犯人はそこにいる侍女長です」
先生が報告書を、公爵夫人に渡している。
先生は、割りと早い時期に私の部屋の装飾品、クローゼットの中を、メイド達とチェックして思う事があったらしい。
「随分と手回しが良いのね。侍女長は、警羅に渡します。この侍女は、私の生家である侯爵家縁の者だからかしら」
そう、この人も背負っているものが有るのだ。
エリスを通し、公爵家を手に入れる。
エリスも、彼等からしたら政略の駒の一つでしかない。
貴族の家に産まれた者には、このように生きるしかないのでしょうか。
ええ、だからこそ足掻かなくてはならないのでしょうね。
その日に侍女長は横領の疑いで、警羅に引き渡されました。
ちなみにですが、公爵家の正門で騒ぎを起こした男性もいたらしく連行されたみたいです。
事件は、夫人がお茶会に出掛けてる時に起こった。
『近隣諸国の動向の復習をする』
『帝国の南に位置する海を挟むサハラ国が、王室を廃止、民主化を成功させました。しかし、内乱は収まってはいません。内乱により農土が荒廃し、恐らく餓死者がでると思われます』
『サハラ国の主要な生産物を述べよ』
『サハラ国の・・・・』
「なんなのよ!全然解らないじゃない!」
確かに、エリスに解らないように私達は古典語を使い勉強してるいる
「エリス嬢、静かにできないなら退室して下さい」
先生の見た目は、美形の好青年だ。エリスが見逃す筈がない。
「誰に向かっていってるの。貴方なんか首よ!」
エリスってこんな感じの子だったの?
自分も一緒に勉強したいって言ったのに
「私は、先代公爵様にディスティニー嬢の家庭教師を依頼されています。今の貴女の発言は先代公爵様を否定される事になりますよ」
「・・・・」
さすがにエリスも黙ったのに。
「お嬢様に対し、言い過ぎですよ。ディスティニー様も同罪です。妹君を大切になさらなくては、貴女なぞ」
「私は、エリスを蔑ろになんかしていないわ」
「ですが、実際にエリス様は悲しんでいらっしゃいます」
「先生の言っている事は、正しいわ」
現在の侍女長は、継母である公爵夫人が実家から連れてきた女性だ。
「それにエリスを大切にしないと、私はどうなるのかしら」
「貴女は自分の立場が、お分かりにならないのですか」
「分からないわ、教えなさい!」
「エリス様に比べ、貴女の母君は」
「お黙りない!」
お出掛けになられた筈の、お義母様が戻ってきたのだ。
「奥様!ディスティニー様に・・・・」
「お黙りない!」
「ですが、ディスティニー様に自分の立場を理解して貰う良い機会です!」
「お義母様、私の立場を教えて下さい」
「・・・・」
突如、戻ってきた継母により、修羅場は終息となった。
「今回の事は、先代公爵に報告致します。私は、ディスティニー様の専属の家庭教師として依頼を受けました。業務の中には、ディスティニー様の健やかな育成も入っています。先代公爵への報告は義務です」
「内々には済まないようね。侍女長、貴女を解雇します」
「お母様、侍女長は悪くないわ。先生とお姉さまが悪いのよ」
「エリス、貴女は部屋に謹慎です」
継母は、速やかに処分を決めていく。
「奥方様、ディスティニー様への予算が横流しされている証拠です。犯人はそこにいる侍女長です」
先生が報告書を、公爵夫人に渡している。
先生は、割りと早い時期に私の部屋の装飾品、クローゼットの中を、メイド達とチェックして思う事があったらしい。
「随分と手回しが良いのね。侍女長は、警羅に渡します。この侍女は、私の生家である侯爵家縁の者だからかしら」
そう、この人も背負っているものが有るのだ。
エリスを通し、公爵家を手に入れる。
エリスも、彼等からしたら政略の駒の一つでしかない。
貴族の家に産まれた者には、このように生きるしかないのでしょうか。
ええ、だからこそ足掻かなくてはならないのでしょうね。
その日に侍女長は横領の疑いで、警羅に引き渡されました。
ちなみにですが、公爵家の正門で騒ぎを起こした男性もいたらしく連行されたみたいです。
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