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キャスル侯爵領
夢見るタンポポ
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「ルーチェ、お見合いはどうだった」
「子供だったわ」
「いやいや、お前も子供だから」
「女の子と男の子の成長の速さは違うのよ。同世代なんて赤ちゃんね」
「何歳ぐらい、いや、どんなタイプが好きなんだ」
「そうね、30才以上。中肉マッチョかしら?」
最近良く耳にする会話だ。
ルーチェとはキャスル侯爵家の三男のリオンと、その家族達で預かっている女の子。
私と同じ6歳の少女。
彼女とは、謁見の儀の時に知り合いました。
マーロンかリオンが侯爵家に来る時は一緒に来るの。
彼女は、お見合いを良くしているんだけど、好きな人がいるみたい。
ちなみに、ルーチェと舌戦を繰り広げているのはリオンのお父さん。
キャスル家の当主の弟に当たる人、お母様の2人目の旦那様。
当主であり、厳格なお父様とは正反対な人。
とても愉快な人です。
私とルーチェは、おじ様て読んでいるの。
「おじ様、私すきな人が居るの」
「この前、振られただろう」
「諦めないから!」
「勝手にしろ」
この会話は、侯爵家の名物になっています。
彼女の好きな人。それは冒険者ギルドの、ギルドマスター。
ふっふっ、この世界には冒険者ギルドが有るんだよ。
ギルドマスターは彼女の理想の身体なんだそうだ。
彼女、6歳だよ。
マーロンが冒険者ギルドに依頼を出しに行く時に、一緒に行って、出会ったらしい。
中肉マッチョのギルドマスターにね。
彼女は恋する乙女、うーん、恋する幼女です。
「リリィにも、私の旦那様を紹介したいよ」
「ルーチェはまだ結婚してないよ」
彼女はある意味、自由人の枠に入るのかも知れない。
でもルーチェと居ると、とても楽しい。
一緒に勉強して、オヤツを食べたりする事に幸せを感じている。
お城の中を走って、怒られてしまう事もあるの。
領地での生活は、王都に比べてとても自由に過ごしている事で、解放感もあるのかな。
此処に居ると、王都の鳥籠の様な生活には戻れ無いかも。
そんな風に思ってしまう。
ルーチェの髪は最近伸びてきて、肩に届く様になった。
マーロン達に出会う前は、男の子として過ごしていたらしい。
彼女は彼女で、いろいろと抱えているのかも知れない。
なら、尚更、この瞬間を楽しみたい。
子供でいられる今を。
ここは、キャスル侯爵領の城塞都市。侯爵家の住まいは風靡な古城。
毎日が探検で、終わってしまう。
「ルーチェ、マーロンが来る前に探検に行こう」
「うん、行こう」
私達は、手を繋ぎ冒険に出る。
彼女は搭の窓際に立ち上がり、風を感じている。
「私ね、この世界を見て周りたい」
私は思わず、窓際に立っている彼女の足を掴む。
「うふふ、まだ行かないよ。此処で大人になる」
マーロン達の仕事が終わると、彼女は一緒にに帰ってしまう。
夕方の中を帰って行く彼等は、本当の親子に見える。
彼女は、タンポポの様な人。
いつか旅立っていくのでしょう。
自由に、ひたすら自由に。
私は、彼等と共にこの地を守りたい。
もし彼女が大人になり、恋に泣く事があっても故郷が彼女の心を癒せるように。
「子供だったわ」
「いやいや、お前も子供だから」
「女の子と男の子の成長の速さは違うのよ。同世代なんて赤ちゃんね」
「何歳ぐらい、いや、どんなタイプが好きなんだ」
「そうね、30才以上。中肉マッチョかしら?」
最近良く耳にする会話だ。
ルーチェとはキャスル侯爵家の三男のリオンと、その家族達で預かっている女の子。
私と同じ6歳の少女。
彼女とは、謁見の儀の時に知り合いました。
マーロンかリオンが侯爵家に来る時は一緒に来るの。
彼女は、お見合いを良くしているんだけど、好きな人がいるみたい。
ちなみに、ルーチェと舌戦を繰り広げているのはリオンのお父さん。
キャスル家の当主の弟に当たる人、お母様の2人目の旦那様。
当主であり、厳格なお父様とは正反対な人。
とても愉快な人です。
私とルーチェは、おじ様て読んでいるの。
「おじ様、私すきな人が居るの」
「この前、振られただろう」
「諦めないから!」
「勝手にしろ」
この会話は、侯爵家の名物になっています。
彼女の好きな人。それは冒険者ギルドの、ギルドマスター。
ふっふっ、この世界には冒険者ギルドが有るんだよ。
ギルドマスターは彼女の理想の身体なんだそうだ。
彼女、6歳だよ。
マーロンが冒険者ギルドに依頼を出しに行く時に、一緒に行って、出会ったらしい。
中肉マッチョのギルドマスターにね。
彼女は恋する乙女、うーん、恋する幼女です。
「リリィにも、私の旦那様を紹介したいよ」
「ルーチェはまだ結婚してないよ」
彼女はある意味、自由人の枠に入るのかも知れない。
でもルーチェと居ると、とても楽しい。
一緒に勉強して、オヤツを食べたりする事に幸せを感じている。
お城の中を走って、怒られてしまう事もあるの。
領地での生活は、王都に比べてとても自由に過ごしている事で、解放感もあるのかな。
此処に居ると、王都の鳥籠の様な生活には戻れ無いかも。
そんな風に思ってしまう。
ルーチェの髪は最近伸びてきて、肩に届く様になった。
マーロン達に出会う前は、男の子として過ごしていたらしい。
彼女は彼女で、いろいろと抱えているのかも知れない。
なら、尚更、この瞬間を楽しみたい。
子供でいられる今を。
ここは、キャスル侯爵領の城塞都市。侯爵家の住まいは風靡な古城。
毎日が探検で、終わってしまう。
「ルーチェ、マーロンが来る前に探検に行こう」
「うん、行こう」
私達は、手を繋ぎ冒険に出る。
彼女は搭の窓際に立ち上がり、風を感じている。
「私ね、この世界を見て周りたい」
私は思わず、窓際に立っている彼女の足を掴む。
「うふふ、まだ行かないよ。此処で大人になる」
マーロン達の仕事が終わると、彼女は一緒にに帰ってしまう。
夕方の中を帰って行く彼等は、本当の親子に見える。
彼女は、タンポポの様な人。
いつか旅立っていくのでしょう。
自由に、ひたすら自由に。
私は、彼等と共にこの地を守りたい。
もし彼女が大人になり、恋に泣く事があっても故郷が彼女の心を癒せるように。
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