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異世界での一歩
街に行こう!3
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「位置に着いて。よーいドン」バザール市の名物、女子障害物レースが始まる。
リリィーは、必死に駆け出す。
今、スタートしたけど実際の勝負は、レース前から始まっていたんだよ。
「あんた、見ない顔ね!ジャマ!」
「もっと端に行ってよ!」
あと、少し押されたり。軽く体当たりされたりしたかな。
しかし、召喚前は女子高生だったからね。
たいした事は無い。可愛もんだよ。
「よーい、スタート」障害物レースが始まった。
最初は網を潜って、前進する。
あちこっちで、悲鳴が上がる。
お次は、平均台。何本か有る、平均台は泥水のプールの中に置かれている。
落ちたら、当たり前に泥まみれ。
落ちなくても、泥水の飛沫が掛かるんだよ。
こうなってくると、もう自分の事だけでしか気にならない。
次は、白粉に入っている御菓子を手を使わないで食べる。
そんな事をしたら・・・・。
そう、顔なんて真っ白だよ。
隣の子の顔を見てしまったら、大爆笑してしまった。
笑われた子も、私の顔を見たら爆笑していたよ。
さあ!最後の競技。二人三脚だ。
走り込んだ先に居た子とペアーを組む。
知らない子、そんな事、関係無い。
2人で肩を組、呼吸を合わせる。
皆、顔が汚れてる。泥まみれの子も居るよ。
ペアの子と、ゴールを目指す。
だって、その先にはサイラスが手を広げて、待っていてくれてる!
私は、サイラスの懐に飛び込む!
さあ、気になる順位です・・・・。
正直、ビリに近い結果です。
頑張りましたよ。
ですが、星の魔石は貰えました。
星の魔石、なんて、ロマンチックな響きなんでしょう。
ですが、実際は魔石の屑・・・・欠けてしまった破片等なんだそうです。
完走した子全員に渡される、賞品でした。
それでも、私は嬉しかった。
与えられるだけの私。
今の私が手に入れられる物。
私の力で手に入れたのが、嬉しかった。
そして、断突のトップは・・・・。
ヴィオレットでした。
いやいや、気付かなかった。
水色の髪は、鬘で隠していたみたいですが、取れたみたいですね。
優しそうな男性に、甘えてます。
彼は、クラーク公爵閣下の叔父君でエリック様。
彼女の、婚約者の1人だそうです。
公爵閣下よりも、年下だそうです。
さすが、貴族社会ですね。
「リリィー星の魔石を、こいつに渡すのか?」
ヴィオレット、直球ですよ!
「ぅん・・・・その予定」
少し、恥ずかしくなってしまいます。
「止めろ、止めろ!」
ヴィオレットが騒ぐと「くそガキ、煩いぞ」
サイラスに首根っこを、摘ままれてしまってます。
しかし、ヴィオレットは、構わずに反撃してます。
さすが、ヴィオレットです。相変わらず、男前ですね。
そんな光景をエリックさんは、優しく眺めていたのが、印象的でした。
障害物競争が終わった、噴水広場は、さながらフードコーナーの様に変わります。
素朴な木材のテーブルが沢山持ち込まれ、広場の周りは、屋台で一杯になります。
子供達は、大人に小銭を貰い、遊びながら甘味を楽しむの。
勿論、私とヴィオレットも、それに混ざります。
サイラス達は・・・お酒を飲みながら、屋台で求めたツマミを楽しんでます。
ラーメン屋さんであった、サイラスの隊の人達も合流したみたいです。
もう、宴会ですね。
そんな光景を見ている私に、ヴィオレットが話しかけてきます。
「幸せか?」
「うん。ヴィオレットは?」
「幸せだな」
私達は手を繋ぎ、再び広場を掛け巡り甘味料を頬張ります。
ドーン!! パン!パン!
ドーン!! パン!パン!
夕方に、なると花火が上がり薄暗い空を、照らします。
子供達は、大人の横で夕食の変わりに酒のツマミを食べる。
「リリィー、楽しかったか?」
サイラスは、ほろ酔い加減に聞いてきます。
「とても楽しかった!今日は有り難う」
笑顔で返します。本当に楽しかったから。
楽しい1日も、後、少しで終わります。
秋のバザール市は、冬に備える市でもあるのです。
秋の澄んだ空の花火を見て、王都の人達は厳しい冬を乗り越え、春に野に咲く花を見る決意をするのです。
感動して、まったりした空気になっていました。
「今晩は、サイラスさん」
綺麗な、少女が声を掛けてきました。
漆黒の黒髪、青い瞳。
「ご一緒しても宜しいかしら?」
黒髪の少女の連れの男性達は、不審げに少女を見てます。
「男連れで、男を引っ掛けるなんて、下品ね」
何時の間にか、空いていた私の隣の席に少女が座って居ます。
白髪に、水色の瞳。繊細な印象の美少女ですが、めちゃくちゃ、黒髪の少女を罵っています。
正直、黒髪の少女が哀れに思えてしまいます。
黒髪の少女が、耐えきれなくなったみたいで、退散しました。
「ジャスミンには、気を付けて」
白髪の美少女が、私に話し掛けてきました。
彼女は、鈴蘭の君で、先程の黒髪の美少女、ジャスミンさんが大嫌だそうです。
召喚された、花の乙女の方でした。
彼女も友達の、カモミールさん、セントポーリアさんが来ると、さっさと帰ってしまいました。
そしてヴィオレットも「ジャスミンか、気を付けろ」なんて、言ってます。
彼女にしては、厳しい顔付で。
最後に、女のバトルが有りましたが、楽しい1日でした。
秋の、狩猟大会が終わると私はキャスル侯爵領に、向かいます。
王都に居るのも、僅かです。
リリィーは、必死に駆け出す。
今、スタートしたけど実際の勝負は、レース前から始まっていたんだよ。
「あんた、見ない顔ね!ジャマ!」
「もっと端に行ってよ!」
あと、少し押されたり。軽く体当たりされたりしたかな。
しかし、召喚前は女子高生だったからね。
たいした事は無い。可愛もんだよ。
「よーい、スタート」障害物レースが始まった。
最初は網を潜って、前進する。
あちこっちで、悲鳴が上がる。
お次は、平均台。何本か有る、平均台は泥水のプールの中に置かれている。
落ちたら、当たり前に泥まみれ。
落ちなくても、泥水の飛沫が掛かるんだよ。
こうなってくると、もう自分の事だけでしか気にならない。
次は、白粉に入っている御菓子を手を使わないで食べる。
そんな事をしたら・・・・。
そう、顔なんて真っ白だよ。
隣の子の顔を見てしまったら、大爆笑してしまった。
笑われた子も、私の顔を見たら爆笑していたよ。
さあ!最後の競技。二人三脚だ。
走り込んだ先に居た子とペアーを組む。
知らない子、そんな事、関係無い。
2人で肩を組、呼吸を合わせる。
皆、顔が汚れてる。泥まみれの子も居るよ。
ペアの子と、ゴールを目指す。
だって、その先にはサイラスが手を広げて、待っていてくれてる!
私は、サイラスの懐に飛び込む!
さあ、気になる順位です・・・・。
正直、ビリに近い結果です。
頑張りましたよ。
ですが、星の魔石は貰えました。
星の魔石、なんて、ロマンチックな響きなんでしょう。
ですが、実際は魔石の屑・・・・欠けてしまった破片等なんだそうです。
完走した子全員に渡される、賞品でした。
それでも、私は嬉しかった。
与えられるだけの私。
今の私が手に入れられる物。
私の力で手に入れたのが、嬉しかった。
そして、断突のトップは・・・・。
ヴィオレットでした。
いやいや、気付かなかった。
水色の髪は、鬘で隠していたみたいですが、取れたみたいですね。
優しそうな男性に、甘えてます。
彼は、クラーク公爵閣下の叔父君でエリック様。
彼女の、婚約者の1人だそうです。
公爵閣下よりも、年下だそうです。
さすが、貴族社会ですね。
「リリィー星の魔石を、こいつに渡すのか?」
ヴィオレット、直球ですよ!
「ぅん・・・・その予定」
少し、恥ずかしくなってしまいます。
「止めろ、止めろ!」
ヴィオレットが騒ぐと「くそガキ、煩いぞ」
サイラスに首根っこを、摘ままれてしまってます。
しかし、ヴィオレットは、構わずに反撃してます。
さすが、ヴィオレットです。相変わらず、男前ですね。
そんな光景をエリックさんは、優しく眺めていたのが、印象的でした。
障害物競争が終わった、噴水広場は、さながらフードコーナーの様に変わります。
素朴な木材のテーブルが沢山持ち込まれ、広場の周りは、屋台で一杯になります。
子供達は、大人に小銭を貰い、遊びながら甘味を楽しむの。
勿論、私とヴィオレットも、それに混ざります。
サイラス達は・・・お酒を飲みながら、屋台で求めたツマミを楽しんでます。
ラーメン屋さんであった、サイラスの隊の人達も合流したみたいです。
もう、宴会ですね。
そんな光景を見ている私に、ヴィオレットが話しかけてきます。
「幸せか?」
「うん。ヴィオレットは?」
「幸せだな」
私達は手を繋ぎ、再び広場を掛け巡り甘味料を頬張ります。
ドーン!! パン!パン!
ドーン!! パン!パン!
夕方に、なると花火が上がり薄暗い空を、照らします。
子供達は、大人の横で夕食の変わりに酒のツマミを食べる。
「リリィー、楽しかったか?」
サイラスは、ほろ酔い加減に聞いてきます。
「とても楽しかった!今日は有り難う」
笑顔で返します。本当に楽しかったから。
楽しい1日も、後、少しで終わります。
秋のバザール市は、冬に備える市でもあるのです。
秋の澄んだ空の花火を見て、王都の人達は厳しい冬を乗り越え、春に野に咲く花を見る決意をするのです。
感動して、まったりした空気になっていました。
「今晩は、サイラスさん」
綺麗な、少女が声を掛けてきました。
漆黒の黒髪、青い瞳。
「ご一緒しても宜しいかしら?」
黒髪の少女の連れの男性達は、不審げに少女を見てます。
「男連れで、男を引っ掛けるなんて、下品ね」
何時の間にか、空いていた私の隣の席に少女が座って居ます。
白髪に、水色の瞳。繊細な印象の美少女ですが、めちゃくちゃ、黒髪の少女を罵っています。
正直、黒髪の少女が哀れに思えてしまいます。
黒髪の少女が、耐えきれなくなったみたいで、退散しました。
「ジャスミンには、気を付けて」
白髪の美少女が、私に話し掛けてきました。
彼女は、鈴蘭の君で、先程の黒髪の美少女、ジャスミンさんが大嫌だそうです。
召喚された、花の乙女の方でした。
彼女も友達の、カモミールさん、セントポーリアさんが来ると、さっさと帰ってしまいました。
そしてヴィオレットも「ジャスミンか、気を付けろ」なんて、言ってます。
彼女にしては、厳しい顔付で。
最後に、女のバトルが有りましたが、楽しい1日でした。
秋の、狩猟大会が終わると私はキャスル侯爵領に、向かいます。
王都に居るのも、僅かです。
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