63 / 82
異世界での一歩
閑話 宴の余韻 ~鈴蘭の君、奮闘する~
しおりを挟む
召喚された乙女達の中でも、一際美しい少女がドレスを脱ぎ捨てる。
「此は、大胆ですね」
神官服を纏った男は、抑揚の無い声で感想を述べる。
少女は、その声に不機嫌に成りながらも、男を誘惑しようとする。
見せ付けるように、全裸になり男を見詰め、唇を濡らす。
娟やかな白髪は、無垢な様を擬態し、潤んだ水色の大きな瞳は比護欲を誘う。
「鈴蘭の君、如何なさいました」
神官は、瞳を細め問う。
「神官様・・・・相談したい事が有ります」
少女は神官の胸に甘える様に、身体を寄せる。
「舞踏会で問題を、起こした事ですか」
神官は、冷淡に問う。
「問題?」
少女は、不思議そうに神官を見上げる。
「問題など・・・・当たり前の事を、しただけです」
少女は、熟れた声で語る
「私を知って貰いたいと、思いました」
少女は、容姿から想像出来ない、豊かな胸を神官に押し付ける。
「私を知って貰えたら」
「知って貰えたら?」
神官は、冷ややかな態度で言葉の先を促す。
「私を妻に望む筈」
神官は、笑いたいのを我慢するのに、苦慮する。
少女は、神官に跪く。
潤んだ瞳で見上げると、神官の腰に手を伸ばしてぺニスに頬擦りを始めた。
衣を挟んでの行為だが、少女が初ではないと思わせる手管。
神官は処女では無いことを、確信する。
少女達の身体が、転移するときに改変される事は知らされているので、新しい身体は処女なのだろうが。
少女は、神官のぺニスが興奮しない事に内心焦る。
少女の野望は、本当の上流階級に仲間入りする事。
日本で通っていた、私立の名門女子高には、名家のお嬢様達も通っていた。
母親から譲り受けた美貌。
金銭に困った事も、無かった。
だが、名家の子女のグループには、入れて貰えなかった。
彼女の母親、愛人だったから。
母親の生き方が、嫌いだった。
そして、名家の出身の生徒達が嫌いだった。
少女の出自が噂になった時、皆を諌め、少女に微笑みを向けた名家のクラスメイトがいた。
少女は、気付いてしまったのだ。
少女に向けられた、クラスメイトの微笑みの中に、自分を蔑む物が含まれていたのを。
「もう、終わりですか?」
神官が呼び鈴を鳴らすと、数人の側付きの神官が入室してきた。
失敗したの?
少女は、面白くなってきた。
美貌と、身体を、武器に生きてきた。
少女を、蔑む微笑みを向けた女生徒も、落とし入れてやった。
その為に、身体も使った。
今宵も、同じ事。
自分に足らない情報と人脈を目の前の、高位の神官から、得ようとしただけ。
「鈴蘭の君、頑張りましたね」
高位の神官は、少女にシーツを纏わせる。
「残念ですわ」
少女は、掛けられたシーツを、纏い直す。
艶やかに、微笑みながら豊かな胸を晒す。
周囲にいる、側付きの神官達を誘惑するように。
「良い物を、見せてくれたお礼に忠告しますよ。キャスル侯爵家は止めておきなさい」
神官は、美しい手で、少女の豊かな胸をシーツで隠す。
「学園での、貴方の活躍を神に祈っておきましょう」
少女は神官を、見上げる。
「有難いけど、必要無いわ」少女は、艶やかに微笑みながら颯爽と、去っていった。
鮮やかに去って行く後ろ姿に、神官に笑みが漏れる。
神官は月を見上ながら、先程の少女を思い浮かべる。
「鈴蘭の君」の資質。幸せを呼び寄せる、純粋な心。
そして、忘れては為らない注意事項。
『毒』
愛らしい見た目に、反して毒花で有ること。
まるで、少女の行動その物だ。
彼女が、やり過ぎる事無く、目的を叶える事を祈る。
神官は、瞳を閉じる。
浮かぶのは、1人の少女。
リンゴの香りを、微かに纏い、はにかむ笑顔。
彼は彼女を、娶る為に、明日、還俗するのだ。
そして、花嫁争奪戦に参加する予定だ。
数日前の会話を、思い出す。
「貴方の名前を呼ぶ事を、許してください」
彼女は、照れながら頷いてくれた。
神官は、静かに『サシェ』彼女の名前を、呟く。
「此は、大胆ですね」
神官服を纏った男は、抑揚の無い声で感想を述べる。
少女は、その声に不機嫌に成りながらも、男を誘惑しようとする。
見せ付けるように、全裸になり男を見詰め、唇を濡らす。
娟やかな白髪は、無垢な様を擬態し、潤んだ水色の大きな瞳は比護欲を誘う。
「鈴蘭の君、如何なさいました」
神官は、瞳を細め問う。
「神官様・・・・相談したい事が有ります」
少女は神官の胸に甘える様に、身体を寄せる。
「舞踏会で問題を、起こした事ですか」
神官は、冷淡に問う。
「問題?」
少女は、不思議そうに神官を見上げる。
「問題など・・・・当たり前の事を、しただけです」
少女は、熟れた声で語る
「私を知って貰いたいと、思いました」
少女は、容姿から想像出来ない、豊かな胸を神官に押し付ける。
「私を知って貰えたら」
「知って貰えたら?」
神官は、冷ややかな態度で言葉の先を促す。
「私を妻に望む筈」
神官は、笑いたいのを我慢するのに、苦慮する。
少女は、神官に跪く。
潤んだ瞳で見上げると、神官の腰に手を伸ばしてぺニスに頬擦りを始めた。
衣を挟んでの行為だが、少女が初ではないと思わせる手管。
神官は処女では無いことを、確信する。
少女達の身体が、転移するときに改変される事は知らされているので、新しい身体は処女なのだろうが。
少女は、神官のぺニスが興奮しない事に内心焦る。
少女の野望は、本当の上流階級に仲間入りする事。
日本で通っていた、私立の名門女子高には、名家のお嬢様達も通っていた。
母親から譲り受けた美貌。
金銭に困った事も、無かった。
だが、名家の子女のグループには、入れて貰えなかった。
彼女の母親、愛人だったから。
母親の生き方が、嫌いだった。
そして、名家の出身の生徒達が嫌いだった。
少女の出自が噂になった時、皆を諌め、少女に微笑みを向けた名家のクラスメイトがいた。
少女は、気付いてしまったのだ。
少女に向けられた、クラスメイトの微笑みの中に、自分を蔑む物が含まれていたのを。
「もう、終わりですか?」
神官が呼び鈴を鳴らすと、数人の側付きの神官が入室してきた。
失敗したの?
少女は、面白くなってきた。
美貌と、身体を、武器に生きてきた。
少女を、蔑む微笑みを向けた女生徒も、落とし入れてやった。
その為に、身体も使った。
今宵も、同じ事。
自分に足らない情報と人脈を目の前の、高位の神官から、得ようとしただけ。
「鈴蘭の君、頑張りましたね」
高位の神官は、少女にシーツを纏わせる。
「残念ですわ」
少女は、掛けられたシーツを、纏い直す。
艶やかに、微笑みながら豊かな胸を晒す。
周囲にいる、側付きの神官達を誘惑するように。
「良い物を、見せてくれたお礼に忠告しますよ。キャスル侯爵家は止めておきなさい」
神官は、美しい手で、少女の豊かな胸をシーツで隠す。
「学園での、貴方の活躍を神に祈っておきましょう」
少女は神官を、見上げる。
「有難いけど、必要無いわ」少女は、艶やかに微笑みながら颯爽と、去っていった。
鮮やかに去って行く後ろ姿に、神官に笑みが漏れる。
神官は月を見上ながら、先程の少女を思い浮かべる。
「鈴蘭の君」の資質。幸せを呼び寄せる、純粋な心。
そして、忘れては為らない注意事項。
『毒』
愛らしい見た目に、反して毒花で有ること。
まるで、少女の行動その物だ。
彼女が、やり過ぎる事無く、目的を叶える事を祈る。
神官は、瞳を閉じる。
浮かぶのは、1人の少女。
リンゴの香りを、微かに纏い、はにかむ笑顔。
彼は彼女を、娶る為に、明日、還俗するのだ。
そして、花嫁争奪戦に参加する予定だ。
数日前の会話を、思い出す。
「貴方の名前を呼ぶ事を、許してください」
彼女は、照れながら頷いてくれた。
神官は、静かに『サシェ』彼女の名前を、呟く。
3
お気に入りに追加
769
あなたにおすすめの小説
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【R18】騎士たちの監視対象になりました
ぴぃ
恋愛
異世界トリップしたヒロインが騎士や執事や貴族に愛されるお話。
*R18は告知無しです。
*複数プレイ有り。
*逆ハー
*倫理感緩めです。
*作者の都合の良いように作っています。
【完結】竿師、娼婦に堕ちる月の夜
Lynx🐈⬛
恋愛
首輪をされた女が幌ぐらい部屋のベッドの上で、裸にされていた。その女を囲む上半身裸の男達。
誰が閑静な洋館の1部屋で、この様な事が行われるのか、外からは思いもよらなかった。何故なら、この女は新しくメイドとしてやって来た女だったからだ。
主人の身の回りの世話や家事等の求人情報を紹介され来ただけである。
時は大正、西洋文化に侵食され始めた恋物語―。
籠の中の令嬢
ワゾースキー
恋愛
どうして、こうなってしまったのかしら。
私は、ひっそりと暮らして生きたかっただけなのに…
女の子の出生率が極端に少なく、一妻多夫制という他国と比較しても、数少ない配偶システムを導入している国で産まれた彼女は、とても美しい容姿故に求婚が後を立たず、そんな日々に嫌気がさしていた。
他国では男女の出生率が平均的であると知った彼女は、自分が女性というだけで執着されることのない、他国に憧れ、国を出る方法を画策していた。
彼女へ想いを寄せる4人の男性に計画を知られるまでは順調だった。
そう。知られるまでは…
気づけば知らない部屋。
脚に鎖が。
窓には鉄格子が。
あぁ…どうしてこうなったの…?
*・゜゚・*:.。..。.:*・'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
初執筆作品
右往左往しながら書いています。
至らぬ点につきましては、何卒ご寛容のほどお願い申し上げます。
R18です。
監禁、束縛、無理矢理など、苦手な方は回れ右でお願い致します。
完結 貞操観念と美醜逆転世界で薬師のむちむち爆乳のフィーナは少数気鋭の騎士団員を癒すと称してセックスをしまくる
シェルビビ
恋愛
前世の名前は忘れてしまったが日本生まれの女性でエロ知識だけは覚えていた。子供を助けて異世界に転生したと思ったら17歳で川に溺れた子供を助けてまた死んでしまう。
異世界の女神ディアナ様が最近作った異世界が人手不足なので来て欲しいとスカウトしてきたので、むちむち爆乳の美少女にして欲しいとお願いして転生することになった。
目が覚めると以前と同じ世界に見えたが、なんとこの世界ではもやしっ子がモテモテで筋肉ムキムキの精悍な美丈夫は化け物扱いの男だけ美醜逆転世界。しかも清楚な人間は生きている価値はないドスケベ超優遇の貞操観念逆転世界だったのだ。
至る所で中出しセックスをして聖女扱いさせるフィーナ。この世界の不細工たちは中出しを許されない下等生物らしい。
騎士団は不人気職で給料はいいが全くモテない。誰も不細工な彼らに近づきたくもない。騎士団の薬師の仕事を募集してもすぐにやめてしまうと言われてたまたま行ったフィーナはすぐに合格してしまう。
18禁乙女ゲーム…ハードだ(色んな意味で)
ヴィオ
恋愛
高校3年、見た目よし、パッと見大人しめ、中身はテンション高めの主人公。でも、周りからは妬まれ、虐められていた。
ある日、実の父親に母親と一緒に殺されてしまう。
変な女神から哀れまれ転生させられたのは前世でやっていた乙女ゲームの悪役令嬢で…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
※作者は心が弱いです
※ご都合主義です
※内容はほぼ無いです
※頭を空っぽにして読んでください
※カメさんです
感想聞くのやめます。
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる