「Ｒ-18」異世界で花の乙女になった少女 ～侯爵夫人への階段を昇る～

物語の始まり

神様に貰う名前、家族になる誓い4

　厳格な中にも荘厳な礼拝堂は1000人を収用出来る規模を誇っている。

現在、礼拝堂には、王族を筆頭に王都に在留している貴族のほとんどが集い、花の乙女達の品定めをしている最中だ。

その様な中、王都でも有名な貴公子が姿を見せれば注目される事は間違いないだろう。

クラーク公爵は、名門の高位貴族の当主。
クラーク公爵家の領土は海に面し、巨大な海軍を要していながら貿易にも精通し、成功を納め巨大な富を手にしていた。

対して、クリフォードは、キャスル侯爵家の嫡男で有り氷の美貌で人々を魅力するも、冷徹な視線の刃で、彼に近づく者を刺す。
「それがいいの━━━━━！！」
「その視線で刺して━━━━━！！」と騒ぐ、老若男女の存在を彼は、虫けらのように嫌う。

彼らが、礼拝堂を祭壇を目指し進んで行くと人々の喧騒が波紋のように広がって行き、貴族の令嬢達のため息が聞こえ、令嬢達は勿論、花の乙女達も胸わをトキメカセている。

以前から、彼等は、容姿も、地位、財産、何をとっても、独身の令嬢がたの注目の的だった。

彼女達の、視線が抱き上げられている幼女達に移る。確かに美しい幼女だが己の方が相応しいと思う。
高位の貴族家の女性は特に思うだろうが、幼女達の纏っている、贅を凝らした衣装や装飾品を見て嫉妬の炎をもやす。
『あれらは、私の物になるはずだった』


結婚適齢期の令嬢方が彼等に近付いていく。

彼女達の親族は遠巻きにそれを見つめる。

男爵、子爵家の親達は貴重な女子でも、王族や高位貴族が愛人に望めば喜んで差し出す。
彼等が持つ、継ぐで有ろう権力も魅力的だからだ。

高位の貴族達の親達は、彼等の反応と幼女達の資質、己の娘の器を測る為に静観している。
高位貴族達は理解している。
花嫁を手に入れた両家にとって令嬢達の価値は低いと。

　美貌と才知、高い魔力を武器に高位貴族の令嬢達が、彼等に近付いて行く。
彼女達にとって、この舞台は魅力的な獲物を狙う最後の戦場だ。
花嫁は、一族が賜った物、だからこそ彼等自信を崩落できたら己を中心にした新たなプライドを作る事が出来るかも知れない。

複数の夫達の中心に、彼等を据える事に最後の夢を掛ける。

他家に嫁ぐ未来より、裕な暮らしの為に。


中世、ヨーロッパの出で立ちをした麗しい貴公子に群がる、ドレスを纏う美少女達を、召喚された花の乙女達は、舞台上の華麗な一幕のように見つめる。

そして、一番、高貴な血継ぎの美少女が挨拶をする
「ご機嫌よう。クラーク公爵閣下、クリフォード様」
完璧なカーティシーと笑みで周囲を威圧する。