「Ｒ-18」異世界で花の乙女になった少女 ～侯爵夫人への階段を昇る～

物語の始まり

良く有る、始まりの物語

「ユウカちゃん、聞いている？」

「はい、はい、聞いているよ」
適当に話をながしているのに、気付いたのかな？

「だからね！ユウカちゃんを振った孝君に好きって言われたけど、ちゃんと振ったからね！」

「………」
なんで、私に聞かせるの？

「あれー！ユウカちゃん、怒ってる？」

「別に、怒ってないよ！」

　撫子と私は再従兄弟同士で、撫子は本家のお嬢様。

私はしがない分家の娘で、本家にしてみたら、撫子の従者扱いだ。

現代日本でも、地方の旧家は閉塞している。
本当は、高校は違う学校に行きたかった。
でも、行かせて貰えなかった。
撫子と同じ学校に行くように強制されたのだから。

「ユウカちゃん、ずっと一緒にいようね！」　

「………………　」
いえいえ、勘弁して下さい。

「ユウカちゃん……………」
撫子の瞳に涙が浮かんでいる。以前、泣いている撫子を、家に返した時に本家から連絡が来て、夜、父に殴られた時があった。

撫子は学校の帰り道に、野鳥の死骸を見て泣いたのに。
私が悪者になっていた。
一夜明けてみると、撫子は野鳥の事を忘れて笑っていた。


「ユウカちゃん！ユウカちゃん！ユウカちゃん！」
撫子が私の腕を取り組み、泣きながら抱き締めてくる。

泣きたいのは私だ！

私の涙が零れる、その瞬間に眩い光が点滅し始めた。

身体が宙に浮かび、幼い頃の記憶が走馬灯のように流れ時間の感覚が無くなり、身体の記憶が書き換えられて行くのが解る。



そして……　私を呼んだ人達の元に堕ちていく。





　私は産まれた姿で、真っ白な大理石の床の上に立立ち尽くしていた。

　


「ユウカちゃん！ユウカちゃん！ユウカちゃん！」
撫子の声が隣から聞こえるが、何だか様子が違う。

撫子も立っていて、私も立っている。
私の頭は撫子の腰より、少し高いぐらいだ。
手のひらは、幼い子供の手になっている。
全裸なのでおっぱいを見てみる。
ツルペタの子供おっぱいだ！！

鏡のような大理石の床に自分を写して見る。
銀髪に新緑の瞳の美幼女が、間抜けな顔で此方を見ている。

もしかして、私？

隣の撫子を見上げると撫子の髪は桜色、瞳は良く解らない。

「ママ、パパ助けて！」

撫子も全裸何だけど、跳び跳ねて泣いてるせいか、おっぱいが、たっぷんたっぷんと揺れている。

止めないとダメだとは、分かる。
だが、撫子に私の存在を知らせたくない。
私は人生の分岐点に立っているのだ。
上手く行けば撫子と袂を分かつ事ができる。



　周りを落ち着いて見てみる。20人位の女性がいる。
皆、全裸のせいか身体を小さくして見える面積を減らしている。
こちらが普通の反応だと思うよ。

　

　部屋を見渡すと、現在の私と同じ位の幼児がいる。

「ねぇ」

「日本人か？」

「うん」
同じような見た目のせいか近親感がある。

水色の髪、菫色の瞳の美幼女と扉が開く短時間に出来る限りの想定と対策を考えた。