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poison

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 「アルバニア、起きて大丈夫なのか?」

「大丈夫です」
アルバニアは、長椅子に怠惰に寛ぐ。

大丈夫。えぇ、大丈夫なんだけど味覚がもどらないのよ。

私が飲んだ液体は、お仕置きに使われる苦薬の原液だったの。

まさか、バレているなんて思わなかったわ。



カラン~、コロ~ン♪


王都に、処刑の音が鳴り響くのよ。

元、女官長は処刑台の露に消えたわ。

彼女の存在を、第一側妃様は疎ましく思ってしまったのかもしれない。

女官長の地位に在る者は、表に出ない後宮の秘密を知る。

彼女は、危険分子に見なされたのよ。もし、私が側妃様の立場なら・・・・。

考えても仕方ない事ね。

そして王妃の処分は、幽閉となったわ。

表向きの発表は病気の為、離宮での療養。

彼女は、禁じられた薬剤の調合を止めなかった危険人物と見なされた。

只、王太子の立場の安定の為に直接的な処分をしなかったのね。



 王妃が幽閉された離宮。それは、蔦が絡まる寂れ
た塔。


悪い魔女は塔に閉じ込められた。

まるで、物語のラストのような終わり方になったわ。


 薬は、調合しだいで妙薬にも毒にも代わる。

だからこそ、薬を提供するがわは私利私欲をそこにはさんではいけない。

薬を望む者は、只、信じる事しかできないのだから。


 王妃の生国では、薬学に秀でた者に畏怖と敬意を込め、魔女と呼ぶらしい。


それならば、彼女は堕ちた魔女なのだ。


残りの生涯を、朽ちた塔で過ごすがいい。








 味覚が戻った頃に、私宛てに手紙が届いたのよ。





 🐾当主様へ

 当主様、今回は私の失敗で迷惑を掛けたニャン。

まさか、気付かれているなんて思わなかったニャンヨ。

今は、テアルスティア家の領地で反省の日々ニャン。

皆、当主様が帰って来るのを楽しみにしてるニャン。

本当にごめんなさいニャンヨ。

         キースの手下のニャン子🐾





 「アルバニア様、又、その手紙を読んでいるのですか」
マリアは、にやけた顔のアルバニアに尋ねる。

「クスクス・・・・可愛らしい手紙何ですもの」



 ニャン子には、メイドとして後宮に潜入してもらっていたのよ。



そう、ハーブティーの道具をオーロラの部屋迄運んだ、ちょっぴり軽い感じのメイドの正体はニャン子だったのだ。



彼女は獣人の末裔、耳もシッポも退化して見た目は私達と変わらない。

彼女達の特徴は、祈りの力が無い代わりに優れた身体能力。

彼女のニャンニャン語は、受け狙いかしら?

この世界は『ファンタジー世界の出涸らし』なのだから、有りなのかしら。


それとも・・・・キースの趣味?



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