侯爵家の当主になります~王族に仕返しするよ~

Mona

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笑う当主と踊る幽霊

22 笑う当主と踊る幽霊(完)・テアルスティア劇場

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 これは架空の物語。


 ある大国に隣国から王女様が王子様の花嫁になるために国境を超え、お越しになられました。

しかし、式の前の晩に王女様は退屈になってしまったのです。

舞台上では王女の部屋に、スポットライトが当たる。


王女は、長椅子に座り不機嫌さを隠さない。

トントン。

「王女殿下、お呼びですか」

大国の高位貴族で在り、王女殿下のブライダルメイトに選ばれた令嬢が部屋を訪ねる。

王女は令嬢に対して傲慢に振る舞います。
面白いゲームなどを持って来るように命じるのです。

 令嬢は不安になります。

このような人が王妃になるのかしら。



舞台は、城の厩舎に変わる。



 令嬢の小性と城の厩務員の会話。

「ねぇ、最近面白い事は無いのかい」
若い小性は、王女を訪ねてきた令嬢を待ちながら厩務員にたずねる。

「そうだな、最近北の塔に幽霊がでる噂がある」

暇を持て余した小性と厩務員は北の塔に行く事にしました。

小性と、厩務員が北の塔に向かう途中に貴族の様な青年に出会います。

「私も退屈していたんだ」

青年も仲間に加わりました。


舞台は北の塔に移る。

「シクシク・・・・あっ、私は何でここにいるのかしら」

水色のドレスを着た幽霊が、塔の中で涙を流している。

「お嬢さん、どうしましたか」

貴族の様な青年が幽霊に話し掛ける。

実は、青年はこの国の王子で、幽霊に一目惚れしてしまうのです。

「私は、隣国の王女です。輿入れの途中、悪い魔女に身体を奪われてしまいました」


王子は、小性と厩務員を共に王女に成りすましている魔女の元に行き無事に、王女の身体を取り戻し結婚するのです。


場内から盛大な拍手がおこる。

司会者が舞台に上がる。

 「本日は、テアルスティア劇場にお越し下さいまして誠に有り難うございます。
今回の演目は、劇場が建てられた時に最初に演目された物語りです。

どうか此れからも宜しくお願いいたします」
場内は、再び拍手に包まれる。






~貴族専用のボックス席での風景~

 「お母様、面白かった」
小さな男の子が母親に話し掛ける。

「お父様、王子様か素敵だったわ」
今度は、女の子が父親に話し掛ける。

「そう、楽しかったのね。もう行きましょう」
母親は、二人の子供に優しく話し掛ける。

「そうね、アリス様の赤ちゃんを見にいくのよね」
女の子は、楽しそうだ。
「僕、アリス様は好きだけど伯爵は嫌いだ」
「あっ~わかる。私もかな、いつも難しい顔してるよね」


「さあ、王子様、お姫様行くよ」

美丈夫な父親が、二人の子供を抱上げる。


男の子と女の子の髪の色は・・・・秘密。

瞳の色は・・・・秘密。


これは未来の話かも?

さあ、だってこれは単なる読者へのサービスだから。(笑)


『笑う当主、踊る幽霊』完





 笑う当主、踊る幽霊。予定より長くなってしまいましたが無事終わりました。

読んで頂いてありがとうございます。

閑話と幕間を入れ新章『poison』(予定)になります。

感想、もしアイデア、リクエストなどがありましたら、お知らせ下さい。




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「令嬢の願い」新連載を初めました。
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