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笑う当主と踊る幽霊

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 両家の調印と読み上げが終わり、結納の儀式が終わりとなる

本来ならば、園遊会、又は舞踏会が催されるのだが。

しかし、テアルスティア家の当主がデビュータントを終えていない事と王女の婚約者であるサイラス・フォン・テアルスティアが不在の為、軽食を摘まみながらの立食パーティーが小規模で行われる運びになった。





 調印式と第三者の読み上げ、複数の教団の高位の者たちからの、立ち合いの署名が終わり儀式は終わったの。

儀式の最中の陛下の顔色が赤くなったり、青くなったりしていたのよ。 

何か、健康面で不安を抱えているのかしら?
今までのループでそんな事はなかったのよ、心配だわ。

彼には、まだまだ王位に就いていて欲しいわ。


 儀式が終わり、貴賓室の重厚な扉が開け放たれるわ。

高位の貴族、要職に就いている者達が待ち構えているのが此方からでも解るの。

儀式が終わり、最初に貴賓室から出るのは国王と降嫁先の先の当主になるのよ。

陛下にエスコートされる形で待ち構えている人々の前に立つの。


皆様の視線が物語っているの。

早く、早くと催促されている気分だわ。

大きな声で伝えたい気分だわ。

『良いもの、貰ったわー!!』まあ、そんな事はできないけどね。


 その後、待ち構えていた皆さんには、壮絶な歓迎を受けたのよ。

まあ、私達が色々な噂を流していたせいもあるから、しかたないわね。

お父様と、ヴァジールお兄様にエスコートされながら皆様からお祝いの言葉を頂いたの。

でも疲れてしまって。お兄様をみると、教団関係の方と賑やかに話をしているし、お父様は知り合いの方々と談笑していたわ。

だから、少しだけ庭園に出てみたの。

お気に入りの場所があったから、行ってみようと
思ってしまったの。
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