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幕間

乙女の夢

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 夢の中の私は何時もの様に過ごしている。

「お嬢様、お茶をこちらに置いておきますね」
夢の中で私は、お気に入りの画集を見ているわね。
夢中になっているわね。
あれ、いつものメイドではないわ。
「あっ!」
「お嬢様、大丈夫ですか!」
ウーン、いつものメイドならこんな事にはならなかったはず。

いつも、お茶を入れてくれるメイドは私が何かに夢中になっている時は、ぬるめに入れて置いてくれるの。
「大丈夫よ、これから乗馬の予定日なの。ついでに着替えてしまうわ」

ああっ、これは落馬した日ね。


予定より早く着替えたせいか、ずいぶん早く厩舎に着いてしまったの
だから、従者達もまだいなかった。

でもね、馬に鞍は着いていたの
だから乗ってしまったのね。

最高の気分。

だって、楽しそうに乗っているもの。
森に入る事は禁じられていたけど。

でも、入ってしまった。
好奇心に負けてしまった。

森の中は緑の匂いで満たされ、綺麗な色の小鳥が可愛く鳴いているの。

夢の中の私は、奥に進んで行く。

森の中の小道でかなりのスピードを出してね。

通り過ぎる緑のカーテンの中を泳ぐように。

言い付けを破った事は、興奮する気持ちの潤滑油にしかならない。

愛馬と己の間で一体感が生まれ、我を忘れる。

そんな時・・・・そう・・・・思い出した。

草むらからウサギが突然、飛び出したの。

手綱を引いた・・・・力の限り・・・・。

私の身体が宙を舞っている。

草むらが血に染まっているわ。

心臓の音が・・・・消えて・・・・。


どうして?今までのループでは起きなかったのに。


「アルバニア様起きて下さい」

「マリア、お早う」

「もしかして、怖い夢をみてましたか?うなされていました」

「ええ、怖かった気が・・・・不思議ね。忘れてるわ」


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