女の子になるよ～バトル神官になります～

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　ルカがトリスティヌという人物を初めて見た時の印象は、筋肉ダルマの猛獣。

　王都の花街に有る『女の子クラブ』は、男娼を置く娼館。

娼館では男娼の事を女の子と呼ぶ決まりになっている。

営業時間は、夕方から明け方まで。

営業スタイルは、酒場で女の子をなで回したり、ぺニスに御奉仕をさせる。

気に入った女の子とセックスをしたい場合は、店と交渉する。

パートで酒場での営業しかしない女の子もいるからだ。

働いている女の子は、さまざまで学費の為に働いている子、お小塚が堪らない子、店に借金が有る子、特殊な事情で預かる子、奴隷。

ちなみに、この国にも、特殊な事情で奴隷に落ちる子がいる。

女の子はさまざまな事情で働いている。

中には、昼は大工。週の何日かだけ女の子クラブで夜のアルバイトをする猛者もいるのだ。

そんな、様々な者がいる中でも筋肉ダルマはいなかった。


　連れて来られた当初は、監禁部屋で鎖に繋いで様子を見守っていた。

暴れて、手が付けられなかったからだ。

しかし、食事を与えても吐き戻し、幻覚のような者と戦い始めたり、喉を引っ掻き回したり。

明らかに異常だったのだ

「内科の医者を呼べ」マダムに言われた通り医者に診てもらうと。

「薬物中毒です」医師の診断は長期に渡る過剰な薬物摂取。

トリスティヌは長期に渡り薬物を摂取していたらしい。

薬物中毒の治療は、優しい道のりではなかった。
薬を飲ますのにも数人で押さえ込みながらだったからね。

自我が戻ってきた頃、マダムがトリスティヌに聞いたんだ。

結果、トリスティヌは自分の意思で薬物摂取をしていなかった。

幼い頃のトリスティヌは、母君譲りの線の細い美少年だったらしい。
病弱で優しい子、対して妹君は元気で明るい子。

後継者の教育係りは、焦りを感じトリスティヌに幼い頃から定期的に薬物の摂取をさせたらしい。

ルカはトリスティヌの身体を優しく撫でる。

身体に合わない筋肉は、重かったに違いない。
毎日、重い鎧を着ていたようなものだ。

身体に合わない筋肉は、血行を圧迫し脳や内臓に悪影響を及ぼし攻撃的な性格に変貌をとげた。

ねぇ、トリスティヌ、君は後少し遅かったら死んでいたかも知れないんだよ。

ルカの指先が、トリスティヌの巻き毛の感触を楽しむ。

　トリスティヌの内蔵は、かなりのダメージを受けていたのだ。

　
　ただ、トリスティヌを、女の子クラブに放り込んだ先方の要求は事情ん説明しても余りかわらなかった。

男を受け入れる心と身体。

過去の反省。

思いやりの有る心。

トリスティヌの本来の魅力を引き出す。

男を受け入れる心と身体のめどはついた。

過去の反省。

　例え薬物中毒であっても、それはトリスティヌの責任なのだ。

ルカの経験上、罪には利子が発生する。
ならば、早いに越した事はないのだ。

女の子になり、男の欲望の塊でアナルを突かれながら、暴力を振るった婦女子の痛みを知るのだろう。

金銭の解決法はトリスティヌの生家で、終わらせている。

トリスティヌの生家とマダムの話会いで、今後、一切の関わりを断つ。

厳しいように思えるが、トリスティヌにとっては幸いだろう。
後継者が薬物に侵されていた事に気付かない親なんて、ろくな者ではない。

「此をチャンスに変えるか、そのまま沈むかはトリスティヌ次第なんだよ」

ルカは眠っているトリスティヌの瞼にキスをする。


　食堂に中々来ない二人が、マダムに怒られるのは
この少し後の出来事。