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8月8日 悪霊調査2

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さっそく調査を開始する。
まず、新聞だ。ネットに関しては、電車に乗っている時や、家でも調べられる。新聞に関しては、風北町の文化ホール内にある、図書室で調べられる。

かつて、あの震災時には避難場所にもなっていた大きな造りだ。ここの図書室には、およそ20年前ぐらいまでの新聞が、電子化されて保管されている。

「すいませーん…」

受付にて、許可書にサインする。サインさえすれば、誰でも過去の記事を閲覧することができる。
しかもご丁寧に、電子化されているから、とても探しやすい。

―資料室―

ここのパソコンに、様々な記事が保管されている。検索を掛ければすぐにヒットした。
まずは、『風北町 行方不明』と検索。

(うわあ…)

すると何万件と記事が出てくる。様々な新聞社の新聞記事が保管されているので、同じ事件の記事はたくさんあるが、自分の生まれ育った町で、こんなにもたくさんの事件が起きていたとは、まったく思ってもいなかった。

今まで、確かに行方不明の話などを聞いたりはしていたが、どこか遠くの世界のような気がしていた。
しかし、この現状を目の当たりにしてみると…。

(愛未は…ほんと、運がよかったのかもな…)

どこか違う世界では、もしかすると愛未は、いなくなっていたのかもしれない。パラレルワールドではないが、きっとそんな世界があったのではないかと思うと、俺はこの世界に生まれていてほんとよかった、と思った。

「……」

記事を見ていると、20年前は年間1~2人ほどのペースだったようにうかがえる。しかも、高齢者であれば、認知症などの可能性があり、ある程度事件性は低いように思えるが、年齢層に偏りは見られなかった。

この町で、これだけ失踪者がいても、警察は他の町の失踪者と同じような扱いなのか、あまり積極的には動いていないように記事からうかがえる。

愛未の記事も見つける。愛未のように見つかった人もいるようだが、数は圧倒的に少ない。そして、現代に近づくほど、行方不明者の数は激増。昨年は隣のF市とあわせて、年間7名の方が疾走し、誰一人見つかっていないようだ。

(F市も…失踪者が多いのか…)

でも、これだけ失踪者が多いのに、F市も、風北町も、なぜ対策に乗り出さないのだろう。それを疑問に思う。

昨年の行方不明者の記事に、何か共通点は無いかと探し出す。
年齢…住所…性別…どれも共通点はなさそうだ。というより、新聞の記事だけでは限界があった。警察でもなければ、詳しい詳細とかは分からないだろう。

(もっとも…)

警察が、真剣にこのことを調査しているのだろうか、と思ってしまった。

(雑誌ならばどうだろう…)

雑誌といっても、この手の事をメインに取り上げたオカルト雑誌だろう。しかしこちらも、探すのは一苦労しそうだ。
そもそも図書館にそんなもの置いているのだろうか?

(……)

ダメもとで探してみたが、やはりなかった。
風北町文化ホールの図書館は、県内ではかなり大きい方なので、ここになければ他もダメだろうと思った。

これはいよいよ警察に直接聞いてみるか…。そう思っていたが

(いや…まてよ)

そういや、教えてくれそうな人がいたな。それも『元警察』の…。
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