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戦いの準備
エルフとの戦い⑨
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段ボールは派手に転がって動きを止める。
そのまま起き上がらない段ボール。
「むう!ま、まさかこれで終わりですか!?まだ何もしておりませんぞ!マルコイ殿だけ楽しんでずるいですぞ!」
ちょっと怪我しててしんどかったからアレカンドロの助太刀はありがたかったけど、別に楽しんでなかったからね。
あとトドメ刺したのもアレカンドロだから‥
「ぐっ‥‥じょお‥」
まだ意識があるのか‥
身体はボロボロのはずだが、操られている精神だけで動いている感じだな。
腕や足の骨も完全に折れている。
だが段ボールはそれでも上空に跳躍しようと脚に力を込めて立ちあがろうとしている。
スキル【加重操作】は自分にかかる重力を軽くする事もできる。
だとしたら限りなく軽くした状態で空に飛び、高い跳躍をしていたのだろう。
今の状態でも自身の重さをなくしてしまえば、跳躍する事もできるのかもしれない。
「ふっ!ぐべっ!」
負傷した身体で無理やり跳躍しようとした段ボールを止めるため、俺は段ボールの上空の空間を【時空魔法】で固めて壁を作った。
首が本来曲がらない方に曲がっていたが、多分大丈夫だろう。
エ、エルフは長生きするくらいだから、身体も丈夫だと思うし‥
「マルコイ‥この人どうするの?」
アキーエが可哀想な人を見る目で段ボールを見ながら問いかけてきた。
「知り合いの肉親みたいだから、とりあえず命までは取らないつもりだ。それよりも気になるのはおそらくこいつも洗脳されてそうって事だ。他のエルフはそんな風に思わなかったけど、こいつだけはリルと同じような感覚があった。多分他のエルフとは違い、こいつは洗脳する必要があったんだと思う。」
「他のエルフとは違う?それってどういう事?」
「こいつはエルフを至高の種族だとは思っているみたいだ。それに人族を下にも見ている。それは他のエルフと変わらないが、多分こいつだけが今の女王のやり方に違和感を持ってるんじゃないかな?」
「違和感?」
「まあ多分というか、俺がそう思っただけで後は本人に聞いてみるしかないだろうな。だから生かして洗脳を解きたかったんだ。」
俺はポーションを段ボールに振りかける。
段ボールが率いていたエルフたちは、隊長がやられた後も特に士気を下げる事なく俺たちに向かって来ている。
何人か隊を支持してるやつがいるから戦えているみたいにも見えるが、段ボールがいなくても特に問題なかったともとれるな‥
それでもリルや残念な顔をして向こうに戻っていったアレカンドロ、それに勇者たちがいる俺たち優位に戦いは進んでいる。
「すまないアキーエ。こいつの洗脳が解けるかやってみるから、周りを任せていいか?」
「わかったわ。さっきみたいに精霊を纏うエルフもいないみたいだから大丈夫よ。」
「助かる。」
俺は段ボールに向き直り、顔を掴む。
「さて解けてくれよ。」
俺はエンチャント:勇敢なる者を発動して掌に光属性の魔力を集める。
「くらえっ!」
「じょお‥‥おぼぼぼぼぼぼぼッ!」
段ボールの手が俺の手を払おうと掴む。
俺は振り払われないように手に力を込める。
ミシミシといった音が聞こえたが、気にしない気にしない。
しばらく光属性の魔力を流して手を離す。
段ボールの身体はピクピクとしていたが、やがて身体が力を取り戻し起きあがろうとする。
どうだ?
「くっ‥お、俺は‥がっ!じ、じょおうさま‥」
くそ‥
リルの洗脳を解いた時よりも光属性の威力は高くなっているはずなのだが‥
やはり洗脳のレベルが上がっているのだろうか‥?
「どうマルコイ?『炎球陣』!」
アキーエが周りのエルフをぶっ飛ばしながら心配そうに声をかけてくる。
おお‥
エルフがドミノ倒しのように転がっていく‥
「以前より洗脳が強くなっているみたいだ。俺の光属性じゃ洗脳を解けきれない。仕方ないがもう少し試してみて、無理なら諦めるしかなさそうだ‥」
「光属性の力を増やせばいいの?だったら本物の勇者の人たちに頼んでみたらいいんじゃない?」
ん?
あ、なるほど!
そういえばここには光属性の本家がいるんだった!
「正人!すまないがちょっとこっちに来てくれないか?」
俺は正人たちがいる方に声を上げる。
「どうしたんマルコイさん?そっち行くっすわ。」
正人が俺の声に反応してこっちに向かって来てくれた。
すごく近くにいるような気がするんだけど‥
あ、頭がデカいだけか。
近寄ってくると頭の異様さがわかる。
木々も挟まってるけど、それ以外に人の足のような物も見えるんだけど‥
あの頭って、それだけで武器になってそうだな。
でも挟まった物を取り出すのは至難の技だし、頭の中でゴソゴソされるのは大変そうだ‥
「マルコイさんちっす。どうしたっすか?」
「いや、こいつが洗脳されてるみたいだから、どうにかして解いてやりたいんだ。それで以前頭に光属性の魔力を流したら元に戻ったんだ。それで今回もそうしたいんだが、俺の魔力だけじゃ無理みたいにだから、正人も協力してもらっていいか?」
「わかったっす。でも頭に直接魔力流すとか、やっぱマルコイさんパネェっすね。」
あり?
パねぇかな‥?
そのまま起き上がらない段ボール。
「むう!ま、まさかこれで終わりですか!?まだ何もしておりませんぞ!マルコイ殿だけ楽しんでずるいですぞ!」
ちょっと怪我しててしんどかったからアレカンドロの助太刀はありがたかったけど、別に楽しんでなかったからね。
あとトドメ刺したのもアレカンドロだから‥
「ぐっ‥‥じょお‥」
まだ意識があるのか‥
身体はボロボロのはずだが、操られている精神だけで動いている感じだな。
腕や足の骨も完全に折れている。
だが段ボールはそれでも上空に跳躍しようと脚に力を込めて立ちあがろうとしている。
スキル【加重操作】は自分にかかる重力を軽くする事もできる。
だとしたら限りなく軽くした状態で空に飛び、高い跳躍をしていたのだろう。
今の状態でも自身の重さをなくしてしまえば、跳躍する事もできるのかもしれない。
「ふっ!ぐべっ!」
負傷した身体で無理やり跳躍しようとした段ボールを止めるため、俺は段ボールの上空の空間を【時空魔法】で固めて壁を作った。
首が本来曲がらない方に曲がっていたが、多分大丈夫だろう。
エ、エルフは長生きするくらいだから、身体も丈夫だと思うし‥
「マルコイ‥この人どうするの?」
アキーエが可哀想な人を見る目で段ボールを見ながら問いかけてきた。
「知り合いの肉親みたいだから、とりあえず命までは取らないつもりだ。それよりも気になるのはおそらくこいつも洗脳されてそうって事だ。他のエルフはそんな風に思わなかったけど、こいつだけはリルと同じような感覚があった。多分他のエルフとは違い、こいつは洗脳する必要があったんだと思う。」
「他のエルフとは違う?それってどういう事?」
「こいつはエルフを至高の種族だとは思っているみたいだ。それに人族を下にも見ている。それは他のエルフと変わらないが、多分こいつだけが今の女王のやり方に違和感を持ってるんじゃないかな?」
「違和感?」
「まあ多分というか、俺がそう思っただけで後は本人に聞いてみるしかないだろうな。だから生かして洗脳を解きたかったんだ。」
俺はポーションを段ボールに振りかける。
段ボールが率いていたエルフたちは、隊長がやられた後も特に士気を下げる事なく俺たちに向かって来ている。
何人か隊を支持してるやつがいるから戦えているみたいにも見えるが、段ボールがいなくても特に問題なかったともとれるな‥
それでもリルや残念な顔をして向こうに戻っていったアレカンドロ、それに勇者たちがいる俺たち優位に戦いは進んでいる。
「すまないアキーエ。こいつの洗脳が解けるかやってみるから、周りを任せていいか?」
「わかったわ。さっきみたいに精霊を纏うエルフもいないみたいだから大丈夫よ。」
「助かる。」
俺は段ボールに向き直り、顔を掴む。
「さて解けてくれよ。」
俺はエンチャント:勇敢なる者を発動して掌に光属性の魔力を集める。
「くらえっ!」
「じょお‥‥おぼぼぼぼぼぼぼッ!」
段ボールの手が俺の手を払おうと掴む。
俺は振り払われないように手に力を込める。
ミシミシといった音が聞こえたが、気にしない気にしない。
しばらく光属性の魔力を流して手を離す。
段ボールの身体はピクピクとしていたが、やがて身体が力を取り戻し起きあがろうとする。
どうだ?
「くっ‥お、俺は‥がっ!じ、じょおうさま‥」
くそ‥
リルの洗脳を解いた時よりも光属性の威力は高くなっているはずなのだが‥
やはり洗脳のレベルが上がっているのだろうか‥?
「どうマルコイ?『炎球陣』!」
アキーエが周りのエルフをぶっ飛ばしながら心配そうに声をかけてくる。
おお‥
エルフがドミノ倒しのように転がっていく‥
「以前より洗脳が強くなっているみたいだ。俺の光属性じゃ洗脳を解けきれない。仕方ないがもう少し試してみて、無理なら諦めるしかなさそうだ‥」
「光属性の力を増やせばいいの?だったら本物の勇者の人たちに頼んでみたらいいんじゃない?」
ん?
あ、なるほど!
そういえばここには光属性の本家がいるんだった!
「正人!すまないがちょっとこっちに来てくれないか?」
俺は正人たちがいる方に声を上げる。
「どうしたんマルコイさん?そっち行くっすわ。」
正人が俺の声に反応してこっちに向かって来てくれた。
すごく近くにいるような気がするんだけど‥
あ、頭がデカいだけか。
近寄ってくると頭の異様さがわかる。
木々も挟まってるけど、それ以外に人の足のような物も見えるんだけど‥
あの頭って、それだけで武器になってそうだな。
でも挟まった物を取り出すのは至難の技だし、頭の中でゴソゴソされるのは大変そうだ‥
「マルコイさんちっす。どうしたっすか?」
「いや、こいつが洗脳されてるみたいだから、どうにかして解いてやりたいんだ。それで以前頭に光属性の魔力を流したら元に戻ったんだ。それで今回もそうしたいんだが、俺の魔力だけじゃ無理みたいにだから、正人も協力してもらっていいか?」
「わかったっす。でも頭に直接魔力流すとか、やっぱマルコイさんパネェっすね。」
あり?
パねぇかな‥?
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