911 / 953
戦いの準備
エルフ族の思惑
しおりを挟む
「『氷槍』!」
俺はエンチャント:穿つ者を発動して、エルフと護衛の男たちの間に氷の槍を放つ。
「ん?ほう。まだ下等種族が隠れていたか。大人しく隠れていればいいものを。」
エルフの男は俺とアキーエに向き直る。
「まったくお前らはゴブリンと一緒だな。1匹見つけたと思ったら10匹は出てくる。まったく掃除する側の身にもなるがいい。」
誰がゴブリンだ。
こんなにイケメンなゴブリンがいるはずないだろうが!
「ゴブリン‥‥」
アキーエさんや‥
何故俺の顔を見ながら目を細めてるのかな?
ちなみにあいつの言い方だと、俺だけじゃなくてアキーエさんもゴブリンって言われてますよ。
「はっ!誰がゴブリンよ!」
あ、途中で気づいたみたいですね。
「お、お前は!」
アルトスが俺に気づいたのか、俺たちを指さしながら震えている。
「よかったな。兄思いの妹がいて。お前がどう思おうと、キリーエはお前の事を心配してるんだよ。わざわざこうやって助けに来たんだ。後でキリーエに礼を言っとけよ。」
「キ、キリーエも来てるのか!?」
「当たり前だろう。キリーエがあんたを助けたいって言ったんだからな。」
「ぐ‥くぅ‥」
アルトスは苦虫を噛み潰したような顔でこちらを睨んでいる。
なんで睨むかな?
助けに来てくれてありがとうの一言くらい言っても良さそうなんですけど?
そんなに妹に助けられる事が屈辱なのかね?
コンプレックスを拗らせたやつだな‥
「ふむ。下等種族同士で何を話している?誰が助けに来ようが、お前達がここで死ぬ事は変わらんぞ?まあ誰か1人逃して王国に報告させるのも面白いとは思うが‥」
「残念だが誰1人殺させるわけにはいかないな。しかしあんたたちが引くなら俺たちも引こう。どうだ?今ならどちらも犠牲が出ていないから良い案だと思わないか?」
「はっはっは!お前達下等種族となぜ取引などせねばならぬ?我々は我々のやりたい事をやるだけだ。しかしお前は不快だな。我々エルフを敬っておらん。」
「何でお前らを敬わなければならないんだ?ただの引き篭もり集団だろ?」
大人しく家から出てこなければよかったのに。
だいたい敬うとか自分嫌いですから。
最近気が緩んでる時に身体が光ったりするんです。
あまり考えないようにしていますが、おそらく敬うが関係あるんだろうなって思いますから。
「下等種族のくせによく口が回るな。エルフを苛立たせる才能もあるようだ。しかし全てに意味がないのだ。力で全てを押し通すからな。『火の精霊よ、こやつらを焦がせ!』」
エルフの周りを漂っていた火のトカゲが、何故かこちらを見ながらオロオロしている。
「む?どうした火の精霊よ?焼き尽くせ!」
エルフの男が精霊に声をかける。
しかし火トカゲはオロオロしたまま、何もしようとしない。
「何だと言うのだ?まあいい。ならば『火の上位精霊よ、獄炎を顕現せよ!』」
エルフの後ろにいた炎で形取られた巨人がエルフとこっちを交互に見ている。
深いため息をついた炎の巨人が火を操り、こちらを攻撃してきた。
精霊もため息つくんだな‥
しかしどうしたんだ一体?
さっきまで護衛の男たちにぽんぽん火の攻撃をしていた精霊が攻撃を躊躇するなんて‥
まあいい。
とりあえず精霊の攻撃を防がないと‥
「原初の炎よ。我が身を護るためその姿を現せ『紅炎壁』!」
俺が氷の魔法を放つために魔力を練り始めた時、アキーエが俺の前に立ち魔法を放った。
アキーエの前に凄まじい勢いの炎の火柱が立ち昇り、火の精霊が放った火を飲み込む。
うっわ、怖っ!
何その魔法の威力!
エルフの人が自慢気に放ってた上位精霊の魔法が、火の粉程度に見えるんですけど‥
「な、な、なんだその魔法はっ!そんな馬鹿げた威力の魔法を何故人族如きが使えるのだ!」
う~ん‥
なぜ?
多分アキーエさんだからですよ。
アキーエのスキル【魔闘士】は近接戦闘が出来る上に魔法も使えるという、規格外のスキルだった。
しかし最近魔法の威力が更に上がっているような気がする。
【魔闘士】ってスキルの魔法威力の上限は壊れてるんじゃないかと最近思い始めてきた。
【魔闘士】のスキルレベルが上がれば、魔法の威力も爆上がりだ。
その代わりアキーエさんは火魔法というか、爆殺魔法と言ったらいいのかわからないが、それしかほぼ使えない。
水魔法も使えるのだが、魔力を込めて水鉄砲くらいしか発現しない。
まあアキーエらしいと言えばそれまでだが‥
その代わり火関連の魔法であれば、エルフすら顎が外れるくらい驚く威力となっているようだ。
「お、お前は何者だ!?はっ!もしや幻覚の魔道具を使っているエルフではないのか?そうであれば納得がいく。何故人族と一緒にいるのかわからんが、それだけの威力の魔法を使えるのだ。今ならエルフの国に戻ってくることを許すぞ。」
「原初の炎よ、敵を穿つ弾となれ『火球!』」
アキーエの周りに特大の火球が3つほど浮いて、身体の周りを回っている。
「何を言ってるのか意味がわかんないけど、友達の家族を傷つけようとした人は許せないわよ。」
アキーエさん‥
激怒ですね。
俺はエンチャント:穿つ者を発動して、エルフと護衛の男たちの間に氷の槍を放つ。
「ん?ほう。まだ下等種族が隠れていたか。大人しく隠れていればいいものを。」
エルフの男は俺とアキーエに向き直る。
「まったくお前らはゴブリンと一緒だな。1匹見つけたと思ったら10匹は出てくる。まったく掃除する側の身にもなるがいい。」
誰がゴブリンだ。
こんなにイケメンなゴブリンがいるはずないだろうが!
「ゴブリン‥‥」
アキーエさんや‥
何故俺の顔を見ながら目を細めてるのかな?
ちなみにあいつの言い方だと、俺だけじゃなくてアキーエさんもゴブリンって言われてますよ。
「はっ!誰がゴブリンよ!」
あ、途中で気づいたみたいですね。
「お、お前は!」
アルトスが俺に気づいたのか、俺たちを指さしながら震えている。
「よかったな。兄思いの妹がいて。お前がどう思おうと、キリーエはお前の事を心配してるんだよ。わざわざこうやって助けに来たんだ。後でキリーエに礼を言っとけよ。」
「キ、キリーエも来てるのか!?」
「当たり前だろう。キリーエがあんたを助けたいって言ったんだからな。」
「ぐ‥くぅ‥」
アルトスは苦虫を噛み潰したような顔でこちらを睨んでいる。
なんで睨むかな?
助けに来てくれてありがとうの一言くらい言っても良さそうなんですけど?
そんなに妹に助けられる事が屈辱なのかね?
コンプレックスを拗らせたやつだな‥
「ふむ。下等種族同士で何を話している?誰が助けに来ようが、お前達がここで死ぬ事は変わらんぞ?まあ誰か1人逃して王国に報告させるのも面白いとは思うが‥」
「残念だが誰1人殺させるわけにはいかないな。しかしあんたたちが引くなら俺たちも引こう。どうだ?今ならどちらも犠牲が出ていないから良い案だと思わないか?」
「はっはっは!お前達下等種族となぜ取引などせねばならぬ?我々は我々のやりたい事をやるだけだ。しかしお前は不快だな。我々エルフを敬っておらん。」
「何でお前らを敬わなければならないんだ?ただの引き篭もり集団だろ?」
大人しく家から出てこなければよかったのに。
だいたい敬うとか自分嫌いですから。
最近気が緩んでる時に身体が光ったりするんです。
あまり考えないようにしていますが、おそらく敬うが関係あるんだろうなって思いますから。
「下等種族のくせによく口が回るな。エルフを苛立たせる才能もあるようだ。しかし全てに意味がないのだ。力で全てを押し通すからな。『火の精霊よ、こやつらを焦がせ!』」
エルフの周りを漂っていた火のトカゲが、何故かこちらを見ながらオロオロしている。
「む?どうした火の精霊よ?焼き尽くせ!」
エルフの男が精霊に声をかける。
しかし火トカゲはオロオロしたまま、何もしようとしない。
「何だと言うのだ?まあいい。ならば『火の上位精霊よ、獄炎を顕現せよ!』」
エルフの後ろにいた炎で形取られた巨人がエルフとこっちを交互に見ている。
深いため息をついた炎の巨人が火を操り、こちらを攻撃してきた。
精霊もため息つくんだな‥
しかしどうしたんだ一体?
さっきまで護衛の男たちにぽんぽん火の攻撃をしていた精霊が攻撃を躊躇するなんて‥
まあいい。
とりあえず精霊の攻撃を防がないと‥
「原初の炎よ。我が身を護るためその姿を現せ『紅炎壁』!」
俺が氷の魔法を放つために魔力を練り始めた時、アキーエが俺の前に立ち魔法を放った。
アキーエの前に凄まじい勢いの炎の火柱が立ち昇り、火の精霊が放った火を飲み込む。
うっわ、怖っ!
何その魔法の威力!
エルフの人が自慢気に放ってた上位精霊の魔法が、火の粉程度に見えるんですけど‥
「な、な、なんだその魔法はっ!そんな馬鹿げた威力の魔法を何故人族如きが使えるのだ!」
う~ん‥
なぜ?
多分アキーエさんだからですよ。
アキーエのスキル【魔闘士】は近接戦闘が出来る上に魔法も使えるという、規格外のスキルだった。
しかし最近魔法の威力が更に上がっているような気がする。
【魔闘士】ってスキルの魔法威力の上限は壊れてるんじゃないかと最近思い始めてきた。
【魔闘士】のスキルレベルが上がれば、魔法の威力も爆上がりだ。
その代わりアキーエさんは火魔法というか、爆殺魔法と言ったらいいのかわからないが、それしかほぼ使えない。
水魔法も使えるのだが、魔力を込めて水鉄砲くらいしか発現しない。
まあアキーエらしいと言えばそれまでだが‥
その代わり火関連の魔法であれば、エルフすら顎が外れるくらい驚く威力となっているようだ。
「お、お前は何者だ!?はっ!もしや幻覚の魔道具を使っているエルフではないのか?そうであれば納得がいく。何故人族と一緒にいるのかわからんが、それだけの威力の魔法を使えるのだ。今ならエルフの国に戻ってくることを許すぞ。」
「原初の炎よ、敵を穿つ弾となれ『火球!』」
アキーエの周りに特大の火球が3つほど浮いて、身体の周りを回っている。
「何を言ってるのか意味がわかんないけど、友達の家族を傷つけようとした人は許せないわよ。」
アキーエさん‥
激怒ですね。
10
お気に入りに追加
554
あなたにおすすめの小説

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~
春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。
冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。
しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。
パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。
そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!
七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」
その天使の言葉は善意からなのか?
異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか?
そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。
ただし、その扱いが難しいものだった。
転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。
基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。
○○○「これは私とのラブストーリーなの!」
主人公「いや、それは違うな」

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
転生前のチュートリアルで異世界最強になりました。 準備し過ぎて第二の人生はイージーモードです!
小川悟
ファンタジー
いじめやパワハラなどの理不尽な人生から、現実逃避するように寝る間を惜しんでゲーム三昧に明け暮れた33歳の男がある日死んでしまう。
しかし異世界転生の候補に選ばれたが、チートはくれないと転生の案内女性に言われる。
チートの代わりに異世界転生の為の研修施設で3ヶ月の研修が受けられるという。
研修施設はスキルの取得が比較的簡単に取得できると言われるが、3ヶ月という短期間で何が出来るのか……。
ボーナススキルで鑑定とアイテムボックスを貰い、適性の設定を始めると時間がないと、研修施設に放り込まれてしまう。
新たな人生を生き残るため、3ヶ月必死に研修施設で訓練に明け暮れる。
しかし3ヶ月を過ぎても、1年が過ぎても、10年過ぎても転生されない。
もしかしてゲームやりすぎで死んだ為の無間地獄かもと不安になりながらも、必死に訓練に励んでいた。
実は案内女性の手違いで、転生手続きがされていないとは思いもしなかった。
結局、研修が15年過ぎた頃、不意に転生の案内が来る。
すでにエンシェントドラゴンを倒すほどのチート野郎になっていた男は、異世界を普通に楽しむことに全力を尽くす。
主人公は優柔不断で出て来るキャラは問題児が多いです。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
スキル盗んで何が悪い!
大都督
ファンタジー
"スキル"それは誰もが欲しがる物
"スキル"それは人が持つには限られた能力
"スキル"それは一人の青年の運命を変えた力
いつのも日常生活をおくる彼、大空三成(オオゾラミツナリ)彼は毎日仕事をし、終われば帰ってゲームをして遊ぶ。そんな毎日を繰り返していた。
本人はこれからも続く生活だと思っていた。
そう、あのゲームを起動させるまでは……
大人気商品ワールドランド、略してWL。
ゲームを始めると指先一つリアルに再現、ゲーマーである主人公は感激と喜び物語を勧めていく。
しかし、突然目の前に現れた女の子に思わぬ言葉を聞かさせる……
女の子の正体は!? このゲームの目的は!?
これからどうするの主人公!
【スキル盗んで何が悪い!】始まります!

大国に囲まれた小国の「魔素無し第四王子」戦記(最強部隊を率いて新王国樹立へ)
たぬころまんじゅう
ファンタジー
小国の第四王子アルス。魔素による身体強化が当たり前の時代に、王族で唯一魔素が無い王子として生まれた彼は、蔑まれる毎日だった。
しかしある日、ひょんなことから無限に湧き出る魔素を身体に取り込んでしまった。その日を境に彼の人生は劇的に変わっていく。
士官学校に入り「戦略」「戦術」「武術」を学び、仲間を集めたアルスは隊を結成。アルス隊が功績を挙げ、軍の中で大きな存在になっていくと様々なことに巻き込まれていく。
領地経営、隣国との戦争、反乱、策略、ガーネット教や3大ギルドによる陰謀にちらつく大国の影。様々な経験を経て「最強部隊」と呼ばれたアルス隊は遂に新王国樹立へ。
異能バトル×神算鬼謀の戦略・戦術バトル!
☆史実に基づいた戦史、宗教史、過去から現代の政治や思想、経済を取り入れて書いた大河ドラマをお楽しみください☆

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる