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戦いの準備
対応策
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「それじゃあキリーエの兄貴を監視して、取引に行く時についていって、後は出たとこ勝負ってところでいいかな?」
助けないって選択肢はないからな。
あってないような作戦だけど、これが最善ってところか。
「はい!」
「お?ミミウどうした?」
「マルコイさん挙手がなかったですぅ!」
「あ、すみません‥はい!今のでいいですかね?」
疲労した腕を何とか上げながら確認する。
アレカンドロとリルは、また戦えると思って顔がニヤけてる。
脳筋どもめ‥
ガッツォさんは深く頷き、正人たちはお互いに顔を見合わせている。
「はい!正人たちはどうする?今回も魔王が関与しているかどうかわからない。まあおそらくどちらかは関与していると思うけどな。ただ憶測だからここで待機してても構わないぞ。」
正人は少し考える様な様子を見せる。
するとその後ろからあやめが声を上げた。
「はい!」
あやめが急に手を上げて返事した。
あ、挙手したのか。
順応性高いね君。
「今回はあたし達も行くわ。いいでしょみんな?」
「へあ?そりゃいいっちゃいいけど、あやめが行くの躊躇ってたじゃん?」
「そうだけど‥多分あたし達が行かなくても、恵は行くでしょ?これ以上恵があたしのいない所でおかしくなるのを見てられないのよ。日本にいた時に見たことある?あんな恵‥」
あやめの視線の先には、未だ地面でビタンビタンしている恵がいる。
た、たしかに最近の恵は個性爆発だからな‥
心配になるのもわからないでもない。
だが断じて俺のせいじゃないからな‥
「わかった。マルコイさん、俺達も今回は参加するって感じでお願いするわ。」
「そうか。まあエルフとのいざこざだけなら、お前たちは後ろで控えてたらいい。何かあればアキーエさんが暴発すると思うから。そのかわりもし魔王が関わっていて、何か仕掛けてくるようなら頼む事になるぞ。」
「ういーっす。そんときゃ頑張るっすわ。まあ俺達がいなくてもマルコイさん1人で大丈夫っぽいけどさ。」
馬鹿め、それじゃあ俺が目立ってしまうだろうが。
俺が魔王と戦ったとかフーラさんに知られたら、タルタル教の布教が加速化してしまう‥
これ以上布教を進めさせるわけにはいかんのだよ。
「行き当たりばったりな感じはするけど、臨機応変に対応していく事にしよう。それじゃあキリーエはこのままキリーエの兄貴の監視を頼む。エルフの国との境界辺りであれば1日くらい遅く出ても追いつく事はできるだろ。みんなもいつでも動ける様に準備しといてくれ。あと正人たちは渡すものがあるから、明日そのつもりでいてくれよ。」
「渡す物?」
あやめが不思議そうな、それでいてプレゼントをもらえる子供の様な顔になっている。
「ああ。魔王と戦う事になったら、今の装備じゃまずいからな。4人に武具を作成したから渡したいと思ってる。」
「え?マジ?やりぃ!マルコイさんの武器とか、ちょーテンション上がるっすわ!」
ふっふっふ‥
今のうちにテンションとやらを上げておくがいい。
正人よ。
お前には明日地獄を見せてやろう‥
「皆さん。話し合いは終わりましたか?喉が乾いたと思って、お茶をお持ち‥あっ!」
ティーポットやティーカップなど、紅茶を飲むために必要な道具が乗っているトレーが、ベアトリスさんが何故か何もないところで躓いたため宙に舞う。
トレーとその他道具に関しては俺の元に綺麗に飛んできて、そのまま何事もなく受け止める事ができた。
しかしなぜ何故かティーポットだけが正人の方に向かって飛んでいる。
何故だろう‥?
不思議な力が働いているとしか思えない。
何かスキルとか神の引力とか、何らかの力なんだろうな‥
「ぐわっちぃ!」
「ああっ!正人様!」
熱さのために地面を転がる正人。
あ、今ビタンビタンしてる恵にぶつかった‥
正人が被ったお湯が飛んできたのか、ビタンビタンのスピードが速くなった‥
しばらくして落ち着いたのか、ゆっくりと立ち上がる正人。
「ベアトリスちゃん!あっざーっす!ベアトリスちゃんが大量の愛を込めたお湯を浴びる事ができた感じがするぜ!」
うっさい正人。
それは何の変哲もないただのお湯だ。
「もう!正人様ったら。」
ホワホワすな。
「馬鹿は放っておくとして、本当にあたし達の武器作ってくれたんだ?ありがとう、マルコイが作った武器なら凄いんでしょうね。」
「ああ、良い物が出来たと思うぞ。今回は前回ダンジョンで拾ってもらったような玩具じゃなくて、本気で機能を追求した装備だからな。期待してもらっていいと思うぞ。」
「マルコイ様!私の装備もあるんでしょうか!?」
恵がビタンビタンから復活して詰め寄ってきた。
ちっ、もう少しビタンビタンしてればいいのに‥
「ああ。お前の武器もあるぞ。」
「ああ‥ようやく手に入れた、マルコイ様の愛の詰まった武器‥」
「その武器があれば、恵のためにマルコイを亡き者に‥」
くっ、面倒なやつらだ‥
やっぱり作らない方がよかった気がするんだけど‥
助けないって選択肢はないからな。
あってないような作戦だけど、これが最善ってところか。
「はい!」
「お?ミミウどうした?」
「マルコイさん挙手がなかったですぅ!」
「あ、すみません‥はい!今のでいいですかね?」
疲労した腕を何とか上げながら確認する。
アレカンドロとリルは、また戦えると思って顔がニヤけてる。
脳筋どもめ‥
ガッツォさんは深く頷き、正人たちはお互いに顔を見合わせている。
「はい!正人たちはどうする?今回も魔王が関与しているかどうかわからない。まあおそらくどちらかは関与していると思うけどな。ただ憶測だからここで待機してても構わないぞ。」
正人は少し考える様な様子を見せる。
するとその後ろからあやめが声を上げた。
「はい!」
あやめが急に手を上げて返事した。
あ、挙手したのか。
順応性高いね君。
「今回はあたし達も行くわ。いいでしょみんな?」
「へあ?そりゃいいっちゃいいけど、あやめが行くの躊躇ってたじゃん?」
「そうだけど‥多分あたし達が行かなくても、恵は行くでしょ?これ以上恵があたしのいない所でおかしくなるのを見てられないのよ。日本にいた時に見たことある?あんな恵‥」
あやめの視線の先には、未だ地面でビタンビタンしている恵がいる。
た、たしかに最近の恵は個性爆発だからな‥
心配になるのもわからないでもない。
だが断じて俺のせいじゃないからな‥
「わかった。マルコイさん、俺達も今回は参加するって感じでお願いするわ。」
「そうか。まあエルフとのいざこざだけなら、お前たちは後ろで控えてたらいい。何かあればアキーエさんが暴発すると思うから。そのかわりもし魔王が関わっていて、何か仕掛けてくるようなら頼む事になるぞ。」
「ういーっす。そんときゃ頑張るっすわ。まあ俺達がいなくてもマルコイさん1人で大丈夫っぽいけどさ。」
馬鹿め、それじゃあ俺が目立ってしまうだろうが。
俺が魔王と戦ったとかフーラさんに知られたら、タルタル教の布教が加速化してしまう‥
これ以上布教を進めさせるわけにはいかんのだよ。
「行き当たりばったりな感じはするけど、臨機応変に対応していく事にしよう。それじゃあキリーエはこのままキリーエの兄貴の監視を頼む。エルフの国との境界辺りであれば1日くらい遅く出ても追いつく事はできるだろ。みんなもいつでも動ける様に準備しといてくれ。あと正人たちは渡すものがあるから、明日そのつもりでいてくれよ。」
「渡す物?」
あやめが不思議そうな、それでいてプレゼントをもらえる子供の様な顔になっている。
「ああ。魔王と戦う事になったら、今の装備じゃまずいからな。4人に武具を作成したから渡したいと思ってる。」
「え?マジ?やりぃ!マルコイさんの武器とか、ちょーテンション上がるっすわ!」
ふっふっふ‥
今のうちにテンションとやらを上げておくがいい。
正人よ。
お前には明日地獄を見せてやろう‥
「皆さん。話し合いは終わりましたか?喉が乾いたと思って、お茶をお持ち‥あっ!」
ティーポットやティーカップなど、紅茶を飲むために必要な道具が乗っているトレーが、ベアトリスさんが何故か何もないところで躓いたため宙に舞う。
トレーとその他道具に関しては俺の元に綺麗に飛んできて、そのまま何事もなく受け止める事ができた。
しかしなぜ何故かティーポットだけが正人の方に向かって飛んでいる。
何故だろう‥?
不思議な力が働いているとしか思えない。
何かスキルとか神の引力とか、何らかの力なんだろうな‥
「ぐわっちぃ!」
「ああっ!正人様!」
熱さのために地面を転がる正人。
あ、今ビタンビタンしてる恵にぶつかった‥
正人が被ったお湯が飛んできたのか、ビタンビタンのスピードが速くなった‥
しばらくして落ち着いたのか、ゆっくりと立ち上がる正人。
「ベアトリスちゃん!あっざーっす!ベアトリスちゃんが大量の愛を込めたお湯を浴びる事ができた感じがするぜ!」
うっさい正人。
それは何の変哲もないただのお湯だ。
「もう!正人様ったら。」
ホワホワすな。
「馬鹿は放っておくとして、本当にあたし達の武器作ってくれたんだ?ありがとう、マルコイが作った武器なら凄いんでしょうね。」
「ああ、良い物が出来たと思うぞ。今回は前回ダンジョンで拾ってもらったような玩具じゃなくて、本気で機能を追求した装備だからな。期待してもらっていいと思うぞ。」
「マルコイ様!私の装備もあるんでしょうか!?」
恵がビタンビタンから復活して詰め寄ってきた。
ちっ、もう少しビタンビタンしてればいいのに‥
「ああ。お前の武器もあるぞ。」
「ああ‥ようやく手に入れた、マルコイ様の愛の詰まった武器‥」
「その武器があれば、恵のためにマルコイを亡き者に‥」
くっ、面倒なやつらだ‥
やっぱり作らない方がよかった気がするんだけど‥
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