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戦いの準備

仲間

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獣人国への道を歩む。

キリーエに情報は伝わっているだろが、流石にキリーエも黙って行動するような事はしないはずだ。

アキーエに相談するだろうし、もしキリーエが黙って出て行っているならアキーエから連絡が入るはずだ。

急ぎはしたいが、ガッツォさんとモブキャたちを置いていくわけには行かず、通常より少し早い程度で獣人国に着く程度になった。

そのまま首都であるロッタスに向かう。

かなりの強行した日程だったが、みんな冒険者や傭兵だけあって問題なくついてきてくれた。

もちろん冒険者と傭兵だけであって卓はすぐにへたばった為、速攻でアラクネ卓になっていたけど‥

でも流石に賢者というだけあって、長時間『脚がいっぱい速いぞ君』を使っても魔力切れを起こす事はなかった。

俺ほどではないが、卓もかなり魔力量があるようだ。


昼過ぎには自宅が見えてきた。

玄関先に大きな物が吊り下げられているのが見える。

うんうん。
既視感があるなぁ‥

あ、そうかあの時はアースドラゴンが吊られていたんだ。

今吊られているのはオークエンペラーかぁ‥

あれ?
オークエンペラーって伝説級のモンスターじゃなかったっけ?

ほとんどの人は一生見る事はないようなモンスターを短い間に2回見てるんですけど?

ま、まあそれはミミウだからって事か。

オークエンペラーも人里に出ずに暮らしていたはずなのに、ある日突然追いかけまわされて狩られる‥

すまんな。
俺がお肉を食わせたばっかりに‥

まあモンスターだし、人里に出てきたら討伐案件だし、しょうがないよね‥



オークエンペラーを見ようと集まった人たちをかき分けて家の中に入る。

見てる人にイザベラさんもいたような‥

「アキーエ帰ってきたよ。」

入ってすぐの居間に座っていたアキーエに声をかける。

「あら、マルコイ。お帰りなさい。」

笑顔で迎えてくれるアキーエ。

うん。
やっぱり可愛い。
久しぶりだから、ぎゅっとしたくなるな。

よし、久しぶりにハグを‥

「久しぶりだな、嬢ちゃん!」

「あれ?ガッツォさんじゃない!どうしたのよ急に?獣人国に何か用事があってきたの?」

「ああ。マルコイに命を救われてな。それで恩を返すために、魔王討伐に微力ながら加勢する事になったんだ。」

「そうなんだ!ありがとうガッツォさん。」

アキーエも王都で冒険者活動をするときに、ガッツォさんにはお世話になったからな。

「マルコイ変な格好してどうしたの?飲み物持ってくるから、席に座ってたら?」

うむ。
ハグとは心身をリラックスさせ、幸福感が得られる行為であり、また安心感が得られると同時に癒やしや安らぎといった効果もある。

そのままの姿でアキーエを見つめていると、アキーエが気づいてくれた。

「はぁ‥もう。」

そのまま俺のところまでやってきて抱擁してくれた。

うんうん。
はぁ、帰ってきたって感じですわ。

抱擁が終わり、アキーエは飲み物を作りに台所に向かった。

それを見て今のテーブルに座ろうとすると、ラケッツさんと目があった。

「マルコイさんにも人らしい心があったんすね‥」

ほう‥
ラケッツさんは獣人国に戻ってきたから安心しているのかね?
獣人国でも、ラケッツさんにはちょっとキツめの実験をしてもらう事になりそうだな。



しばらく待っているとアキーエと恵が人数分の紅茶を持ってやってきた。

「マ、マルコイさまー!寂しかったですー!」

律儀にテーブルに紅茶を置いてから飛びかかってくる恵。

お前もお変わりないみたいだな‥

とりあえず顔を掴んで動かなくしてから、隅に寄せる。

「アキーエ、キリーエはどこにいる?」

椅子に座り、自分の紅茶を飲み出したアキーエに問いかける。

「キリーエ?今日は朝から出て、まだ戻ってないわね。何かあったのか、ここ数日ずっとそんな感じよ。」

やはりキリーエには情報として伝わってるみたいだな‥

しかしまだアキーエに相談してないところをみると確かな情報が入っていないのか、それとも1人で何か行動しているのか‥

「アキーエ、キリーエの事なんだが‥‥実はキリーエの兄貴がちょっと問題を起こしてるみたいでな‥」

「あ、やっぱりそうなの。バタバタしてる時に、「あのバカ兄貴っ!」みたいな事を言ってたもん。何か手伝う事ある?って尋ねたら、手に負えそうになかったら相談するって。それともしマルコイが帰ってきたら、みんなに相談するって言ってたわよ。」

はは。

俺はまだ仲間の事を信じれてなかったみたいだな‥

キリーエは最初から自分だけの問題と思っておらず、仲間を信頼して相談するつもりだったみたいだ。

これだけ一緒にいるのに、バカだな俺は‥

「よし!アキーエ。キリーエが戻ったら、みんなで話し合いをしよう。キリーエの実家の問題やエルフの国の事。今後どうするかパーティで決めないとな。」
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