897 / 953
戦いの準備
閃光の勇者
しおりを挟む
倒れたオークエンペラーに近寄る。
どうやら事切れているようだ‥
オークエンペラーの身体を確認する。
オークエンペラーの額の部分、ガッツォさんが持っていた『全部燃やし斬ったれ炎剣君』の刀身が当たっていた部分に黒い穴ができている。
確認すると、後頭部にも額に空いていた黒い穴が同じように出来ている。
貫通しているのか‥?
なるほど‥
おそらく炎で出来た刀身では、一瞬で相手を焼き斬る事はできないようだが、ほんの僅かな時間でも同じところに当てる事で、その部分を焼き尽くす事が出来るようだ。
「な、なんだ一体?何が起こったんだ?お、おいマルコイ。オークエンペラーは死んでいるのか?」
ガッツォさんがオロオロしながら、俺とオークエンペラーを交互に見ている。
「誠に残念だけど、オークエンペラーは事切れているようだ‥」
「な、なぜ残念なのかわからないが、倒せたんだな?」
「誠に遺憾ながら‥」
納得はできていないが、そんな感じの武器として使うしかないかな‥
「すげーっ!兄貴すげーよ!オークエンペラーを倒しちまうなんて!」
「ばかやろう!俺が凄いんじゃねえ!マルコイが渡してくれた武器が凄いんだ!マルコイ‥重ね重ね助かった、礼を言う。ありがとう。」
「別に気にしなくていいさ。俺が助けたいと思ったんだからさ。」
「ははは。だが、俺だけじゃなく、こいつらも助けられた。それに俺は死を覚悟したんだが、なぜ助かったんだ?」
ガッツォさんが笑顔で聞いてくる。
白い歯と頭が眩しい。
「確かにオークジェネラルに斬りつけられて危なかったよ。でも俺が持ってるポーションをかけまくったから何とか間に合った。」
「お、お前、死に面した程の傷を治すポーションなんて、どれだけ貴重なんだ!?そんな物を俺の為なんかに‥‥」
うっ‥
そんなに感動されると困るんだが‥
キリーエにたくさん貰って『スペース』の中に適当にぶっ込んでたやつなんですけど‥
「マルコイ!俺の命はお前に救われた!これから先、俺が必要な時はいつでも言ってくれ!俺はお前のために命を使おう!」
さすがガッツォさんだ。
その言葉も頭も光ってやがる。
「そう言ってくれると助かる。実は俺たちは魔王と戦ってるんだ。ガッツォさんにもその戦いに参加してもらうとありがたい。」
「魔王といえば、魔族たちの王だろう?俺はBランクの冒険者だ。俺なんかで役に立つのかどうかわからないが、俺が必要だというのであれば共に戦わせてくれ!」
むっふぅ!
なんて事だ。
こ、こんな都合のいい展開になるとは‥
ガッツォさんの事だから、お願いすれば助力してくれるとは思っていたが、勇者として名乗りを上げてもらうのは難しいと思っていたのだが‥
「ありがたい。さっきも言ったが、渡した武器はガッツォさん専用の武器だ。それは試作品でもっと強いのを作っていくつもりだ。魔王と戦うまでには間に合わせる。だから、魔王と戦う時に中心となって戦って欲しい。」
「‥‥‥わかった。俺なんかの力がどこまで助けになるかわからないが、前線で戦わせてもらおう!」
むふふ‥
これで勇者が揃ったな。
ようやく魔王討伐に駒を進める事が出来そうだ‥
「兄貴すげえ‥‥兄貴は今から魔王と戦うんすね!まるで勇者じゃないっすか!いや、兄貴はやっぱり勇者だったんだ!兄貴は『閃光の勇者』っすね!」
ガッツォさんと一緒に来たと思われる男がガッツォさんの頭を見ながらそんな事を言い出した。
う~む‥
それもいいかもしれない。
俺は『スキンヘッドの勇者』と思っていたが、『閃光の勇者』か‥
何か光属性のすっごい強い勇者っぽくない?
まあ輝いてるのは光属性じゃなくて頭なんだけどさ。
「だから何度も言ってるだろうが!凄いのは俺じゃねえ、マルコイだって!」
「た、たしかにマルコイ‥さんも凄いっすね。」
男2人が何故か冷や汗を流しながら恐る恐る俺に話をかけてきた。
「さすが、闘技会で優勝するような人だ。ただもんじゃないと思ってたんですけど、まさかここまでお強いとは思わなかったっすよ。」
ん~‥
やっぱりどこかであった気がするんだが‥
「こいつらは5~6人くらいのパーティだったんだが、あまり素行が良くなくてな。俺が少し活をいれたんだが、それからこの2人がついてくるようになってな。」
5~6人くらいのパーティ‥
素行が良くない‥
「あっ!お前らカーロッタのギルドでギバスさんに絡んで、ついでに俺にも突っかかってきたやつらじゃないか!」
確かロンギルに行く途中に寄った生まれ故郷で報酬の高い依頼を出せとか絡んでたやつらだ!
「へい‥あ!でもあれから心を入れ替えて、今はガッツォの兄貴に男を教えてもらってる最中です!」
ほうほう。
これは『閃光の勇者』とその従者をまとめてゲットした感じじゃないか?
むふふふ。
君たちも『閃光の勇者』に相応しい仲間になってもらわないとね。
知らない人だとアレだけど、一度拳を交えた仲だからね、安心して実験‥‥じゃなかった、強くできるっぽいぞ!
どうやら事切れているようだ‥
オークエンペラーの身体を確認する。
オークエンペラーの額の部分、ガッツォさんが持っていた『全部燃やし斬ったれ炎剣君』の刀身が当たっていた部分に黒い穴ができている。
確認すると、後頭部にも額に空いていた黒い穴が同じように出来ている。
貫通しているのか‥?
なるほど‥
おそらく炎で出来た刀身では、一瞬で相手を焼き斬る事はできないようだが、ほんの僅かな時間でも同じところに当てる事で、その部分を焼き尽くす事が出来るようだ。
「な、なんだ一体?何が起こったんだ?お、おいマルコイ。オークエンペラーは死んでいるのか?」
ガッツォさんがオロオロしながら、俺とオークエンペラーを交互に見ている。
「誠に残念だけど、オークエンペラーは事切れているようだ‥」
「な、なぜ残念なのかわからないが、倒せたんだな?」
「誠に遺憾ながら‥」
納得はできていないが、そんな感じの武器として使うしかないかな‥
「すげーっ!兄貴すげーよ!オークエンペラーを倒しちまうなんて!」
「ばかやろう!俺が凄いんじゃねえ!マルコイが渡してくれた武器が凄いんだ!マルコイ‥重ね重ね助かった、礼を言う。ありがとう。」
「別に気にしなくていいさ。俺が助けたいと思ったんだからさ。」
「ははは。だが、俺だけじゃなく、こいつらも助けられた。それに俺は死を覚悟したんだが、なぜ助かったんだ?」
ガッツォさんが笑顔で聞いてくる。
白い歯と頭が眩しい。
「確かにオークジェネラルに斬りつけられて危なかったよ。でも俺が持ってるポーションをかけまくったから何とか間に合った。」
「お、お前、死に面した程の傷を治すポーションなんて、どれだけ貴重なんだ!?そんな物を俺の為なんかに‥‥」
うっ‥
そんなに感動されると困るんだが‥
キリーエにたくさん貰って『スペース』の中に適当にぶっ込んでたやつなんですけど‥
「マルコイ!俺の命はお前に救われた!これから先、俺が必要な時はいつでも言ってくれ!俺はお前のために命を使おう!」
さすがガッツォさんだ。
その言葉も頭も光ってやがる。
「そう言ってくれると助かる。実は俺たちは魔王と戦ってるんだ。ガッツォさんにもその戦いに参加してもらうとありがたい。」
「魔王といえば、魔族たちの王だろう?俺はBランクの冒険者だ。俺なんかで役に立つのかどうかわからないが、俺が必要だというのであれば共に戦わせてくれ!」
むっふぅ!
なんて事だ。
こ、こんな都合のいい展開になるとは‥
ガッツォさんの事だから、お願いすれば助力してくれるとは思っていたが、勇者として名乗りを上げてもらうのは難しいと思っていたのだが‥
「ありがたい。さっきも言ったが、渡した武器はガッツォさん専用の武器だ。それは試作品でもっと強いのを作っていくつもりだ。魔王と戦うまでには間に合わせる。だから、魔王と戦う時に中心となって戦って欲しい。」
「‥‥‥わかった。俺なんかの力がどこまで助けになるかわからないが、前線で戦わせてもらおう!」
むふふ‥
これで勇者が揃ったな。
ようやく魔王討伐に駒を進める事が出来そうだ‥
「兄貴すげえ‥‥兄貴は今から魔王と戦うんすね!まるで勇者じゃないっすか!いや、兄貴はやっぱり勇者だったんだ!兄貴は『閃光の勇者』っすね!」
ガッツォさんと一緒に来たと思われる男がガッツォさんの頭を見ながらそんな事を言い出した。
う~む‥
それもいいかもしれない。
俺は『スキンヘッドの勇者』と思っていたが、『閃光の勇者』か‥
何か光属性のすっごい強い勇者っぽくない?
まあ輝いてるのは光属性じゃなくて頭なんだけどさ。
「だから何度も言ってるだろうが!凄いのは俺じゃねえ、マルコイだって!」
「た、たしかにマルコイ‥さんも凄いっすね。」
男2人が何故か冷や汗を流しながら恐る恐る俺に話をかけてきた。
「さすが、闘技会で優勝するような人だ。ただもんじゃないと思ってたんですけど、まさかここまでお強いとは思わなかったっすよ。」
ん~‥
やっぱりどこかであった気がするんだが‥
「こいつらは5~6人くらいのパーティだったんだが、あまり素行が良くなくてな。俺が少し活をいれたんだが、それからこの2人がついてくるようになってな。」
5~6人くらいのパーティ‥
素行が良くない‥
「あっ!お前らカーロッタのギルドでギバスさんに絡んで、ついでに俺にも突っかかってきたやつらじゃないか!」
確かロンギルに行く途中に寄った生まれ故郷で報酬の高い依頼を出せとか絡んでたやつらだ!
「へい‥あ!でもあれから心を入れ替えて、今はガッツォの兄貴に男を教えてもらってる最中です!」
ほうほう。
これは『閃光の勇者』とその従者をまとめてゲットした感じじゃないか?
むふふふ。
君たちも『閃光の勇者』に相応しい仲間になってもらわないとね。
知らない人だとアレだけど、一度拳を交えた仲だからね、安心して実験‥‥じゃなかった、強くできるっぽいぞ!
10
お気に入りに追加
554
あなたにおすすめの小説
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
*****************************
***毎日更新しています。よろしくお願いいたします。***
*****************************
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス
於田縫紀
ファンタジー
雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。
場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
スキルは見るだけ簡単入手! ~ローグの冒険譚~
夜夢
ファンタジー
剣と魔法の世界に生まれた主人公は、子供の頃から何の取り柄もない平凡な村人だった。
盗賊が村を襲うまでは…。
成長したある日、狩りに出掛けた森で不思議な子供と出会った。助けてあげると、不思議な子供からこれまた不思議な力を貰った。
不思議な力を貰った主人公は、両親と親友を救う旅に出ることにした。
王道ファンタジー物語。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅
聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

クラス召喚に巻き込まれてしまいました…… ~隣のクラスがクラス召喚されたけど俺は別のクラスなのでお呼びじゃないみたいです~
はなとすず
ファンタジー
俺は佐藤 響(さとう ひびき)だ。今年、高校一年になって高校生活を楽しんでいる。
俺が通う高校はクラスが4クラスある。俺はその中で2組だ。高校には仲のいい友達もいないしもしかしたらこのままボッチかもしれない……コミュニケーション能力ゼロだからな。
ある日の昼休み……高校で事は起こった。
俺はたまたま、隣のクラス…1組に行くと突然教室の床に白く光る模様が現れ、その場にいた1組の生徒とたまたま教室にいた俺は異世界に召喚されてしまった。
しかも、召喚した人のは1組だけで違うクラスの俺はお呼びじゃないらしい。だから俺は、一人で異世界を旅することにした。
……この物語は一人旅を楽しむ俺の物語……のはずなんだけどなぁ……色々、トラブルに巻き込まれながら俺は異世界生活を謳歌します!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる