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戦いの準備
アラクネ卓
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2人とも魔道具を何とか動かせるようになり、先行している冒険者に追いつくよう急いで移動する。
卓は初めてだったからわかるけど、なぜ魔族との戦いの時に扱っていたラケッツさんまで練習が必要だったのかいまいち意味がわからない‥
魔道具を操作しているラケッツさんは、ラケッツさんの中に眠る別のラケッツさんなのだろうか?
もしそうだとしたら『魔道具の勇者』として活動するときは、頑張って前に出てきてほしいものだ。
できれば今も出てきて欲しいんだけど。
しかしガルベルトに渡した時は人数もいたから移動する時も壮観だったが、3人で『脚がいっぱい速いぞ君』で移動すると何だか不気味な感じがするよな。
人が見たら蜘蛛型のモンスターが3匹連なって移動しているように見えるんじゃないだろうか‥
「マルコイさん。案内板もありましたし、そろそろ村につきそうですね。」
「ああ。しかし冒険者には追いつけなかったな。村でまだ待機してくれているとありがたいんだけど。」
モンスターとは何度か遭遇したが、先行している冒険者に会う事はなかった。
俺たちが来るとわかっているはずもないので、村で待機しているとも思えない。
慎重な人なら待機して明日から討伐を開始しようと思うかもしれないけど、いつ村が襲われるかわからないような状況下であればついたらすぐに討伐に行きそうな気がする‥
「マルコイさん、あれ!」
ようやく村が見えてきた。
村の入り口には数名の人が立っているんだが、なにやら騒がしい‥
オーク関連だろうか‥?
村に近づくにつれ、叫び声や泣き叫ぶ声が大きくなっていく。
急がなければ‥
「弓矢をありったけ持ってこい!近づく前にできるだけ弓で体力を削るんだ!せっかくあの人たちがオーク村を退治しにいってくれたのに、アラクネが現れるなんて!絶対村を守るぞ!」
へ?
「卓!ラケッツさん!ストップ!」
俺は卓とラケッツさんの魔道具の脚を掴み急停止させる。
「ぷげらっ!」
ラケッツさんが勢い余って外に放り出されたが、まあ必要な犠牲だ。
「すぐに魔道具から降りるぞ。そして村に俺たちが安全だって伝えるんだ。」
そう。
村の人たちが恐れていたのは、アラクネという蜘蛛型のモンスターと見間違えている俺たちだった。
「すみません!俺たちは冒険者です!急ぎの用があったので魔道具を使って移動してただけです!」
危なかった。
気づかずに村に突っ込んでたら、弓の餌食になってたところだった。
ラケッツさんが‥
「むむう!言葉を喋るアラクネだと!?騙されんぞ!あの人たちが帰ってくるまで村を守るんだ!」
おいおい。
言葉を喋る時点でモンスターじゃないだろうが。
言葉を喋るモンスターはあの古龍さんだけで十分だ。
「だから!そのオークの村を討伐しに行った冒険者さんの手伝いに来たんです!もしオークの村に上位種が多数いたら、いくら高ランクの冒険者でも危ないかもしれません!オークの村がある場所を教えてください!」
「なんと!あの人たちをアラクネが手伝ってくれるだと!?」
「だからアラクネから外れろっての!見たまま人族だろうが!アラクネに間違えるのは色白の卓だけにしといてくれ!」
「なぜに!?いや、マルコイ様が言われるのであれば、身も心もアラクネになりましょう!」
いやならんでええがな。
「とにかくその冒険者はすでにオークの討伐に向かったんですよね?急がないと‥もし村にオークキングでもいたら先行した冒険者だけでは勝てないかもしれない!すみませんが、場所を早く教えてください。」
ちょっと寄っただけの村の人があれだけ信頼してるんだ。
なんとか助けたい。
もし俺の心配が過剰なだけであればそれでいい。
実際オークの村は出来たばかりで上位種のオークもオークナイトだけの可能性もある。
しかしオークキングまでいるのであればAランクパーティでも複数で当たらなければ厳しいはず。
「オ、オークの村はここから北西に行ったところにある!だがオークの村が発見されてそんなに日も経っていないのに、オークキングなんて‥」
オークが集まって村になったのであれば、その中の1匹が村を統率するために進化してオークナイトやオークジェネラルになる可能性もある。
しかしもし先にオークキングに進化した個体がいれば?
その個体のせいで村ができたのであれば?
こればかりは行ってみないとわからない。
「‥‥グガァァァァ‥‥」
オークの鳴き声?
もう戦闘が始まっている?
急がなければ!
「すまない!あの人たちを助けてくれ!」
「ああ、わか‥」
「ええ!任せておいてください!このアラクネ卓がオークを退治して、冒険者の人たちを助けてきます!」
す、卓に台詞取られた‥
てかアラクネ卓って‥
少し気に入ってるんじゃね?
卓は初めてだったからわかるけど、なぜ魔族との戦いの時に扱っていたラケッツさんまで練習が必要だったのかいまいち意味がわからない‥
魔道具を操作しているラケッツさんは、ラケッツさんの中に眠る別のラケッツさんなのだろうか?
もしそうだとしたら『魔道具の勇者』として活動するときは、頑張って前に出てきてほしいものだ。
できれば今も出てきて欲しいんだけど。
しかしガルベルトに渡した時は人数もいたから移動する時も壮観だったが、3人で『脚がいっぱい速いぞ君』で移動すると何だか不気味な感じがするよな。
人が見たら蜘蛛型のモンスターが3匹連なって移動しているように見えるんじゃないだろうか‥
「マルコイさん。案内板もありましたし、そろそろ村につきそうですね。」
「ああ。しかし冒険者には追いつけなかったな。村でまだ待機してくれているとありがたいんだけど。」
モンスターとは何度か遭遇したが、先行している冒険者に会う事はなかった。
俺たちが来るとわかっているはずもないので、村で待機しているとも思えない。
慎重な人なら待機して明日から討伐を開始しようと思うかもしれないけど、いつ村が襲われるかわからないような状況下であればついたらすぐに討伐に行きそうな気がする‥
「マルコイさん、あれ!」
ようやく村が見えてきた。
村の入り口には数名の人が立っているんだが、なにやら騒がしい‥
オーク関連だろうか‥?
村に近づくにつれ、叫び声や泣き叫ぶ声が大きくなっていく。
急がなければ‥
「弓矢をありったけ持ってこい!近づく前にできるだけ弓で体力を削るんだ!せっかくあの人たちがオーク村を退治しにいってくれたのに、アラクネが現れるなんて!絶対村を守るぞ!」
へ?
「卓!ラケッツさん!ストップ!」
俺は卓とラケッツさんの魔道具の脚を掴み急停止させる。
「ぷげらっ!」
ラケッツさんが勢い余って外に放り出されたが、まあ必要な犠牲だ。
「すぐに魔道具から降りるぞ。そして村に俺たちが安全だって伝えるんだ。」
そう。
村の人たちが恐れていたのは、アラクネという蜘蛛型のモンスターと見間違えている俺たちだった。
「すみません!俺たちは冒険者です!急ぎの用があったので魔道具を使って移動してただけです!」
危なかった。
気づかずに村に突っ込んでたら、弓の餌食になってたところだった。
ラケッツさんが‥
「むむう!言葉を喋るアラクネだと!?騙されんぞ!あの人たちが帰ってくるまで村を守るんだ!」
おいおい。
言葉を喋る時点でモンスターじゃないだろうが。
言葉を喋るモンスターはあの古龍さんだけで十分だ。
「だから!そのオークの村を討伐しに行った冒険者さんの手伝いに来たんです!もしオークの村に上位種が多数いたら、いくら高ランクの冒険者でも危ないかもしれません!オークの村がある場所を教えてください!」
「なんと!あの人たちをアラクネが手伝ってくれるだと!?」
「だからアラクネから外れろっての!見たまま人族だろうが!アラクネに間違えるのは色白の卓だけにしといてくれ!」
「なぜに!?いや、マルコイ様が言われるのであれば、身も心もアラクネになりましょう!」
いやならんでええがな。
「とにかくその冒険者はすでにオークの討伐に向かったんですよね?急がないと‥もし村にオークキングでもいたら先行した冒険者だけでは勝てないかもしれない!すみませんが、場所を早く教えてください。」
ちょっと寄っただけの村の人があれだけ信頼してるんだ。
なんとか助けたい。
もし俺の心配が過剰なだけであればそれでいい。
実際オークの村は出来たばかりで上位種のオークもオークナイトだけの可能性もある。
しかしオークキングまでいるのであればAランクパーティでも複数で当たらなければ厳しいはず。
「オ、オークの村はここから北西に行ったところにある!だがオークの村が発見されてそんなに日も経っていないのに、オークキングなんて‥」
オークが集まって村になったのであれば、その中の1匹が村を統率するために進化してオークナイトやオークジェネラルになる可能性もある。
しかしもし先にオークキングに進化した個体がいれば?
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こればかりは行ってみないとわからない。
「‥‥グガァァァァ‥‥」
オークの鳴き声?
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「すまない!あの人たちを助けてくれ!」
「ああ、わか‥」
「ええ!任せておいてください!このアラクネ卓がオークを退治して、冒険者の人たちを助けてきます!」
す、卓に台詞取られた‥
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