890 / 953
戦いの準備
冒険者への助力
しおりを挟む
「冒険者ギルドに何の用事があるんですか?」
「あ、私じゃないんですけど私の友人が依頼を出してて。その依頼を受けてくれた人がいたから、その報酬を預けに行くところなんです。」
「友人ですか?」
「ええ。冒険者ギルドもない小さな村に住んでるんですけど、最近近くにオークの村ができたみたいで‥報酬も満足に払えないような状況で、私も報酬を出したんですけど、足してもとてもオークの村を討伐するような報酬は出せなかったんです。」
ただのオークならそれほど高い報酬は必要ないが、オークの村となると話は違う。
下手するとオークの上位種がいるかもしれないからな。
「そんな少ない報酬でも引き受けてくれた冒険者の人がいて。なんでもその人は報酬なんてどうでもいいと。困っている人がいれば助ける、それが冒険者だと言って友達の村に向かったそうです。」
なんだって‥
冒険者でそんな人がいるのか‥
ほとんどの冒険者は生活のために戦っている。
だから報酬に見合った依頼を受ける。
だけどその人は報酬ではなく、困っている人の依頼だから受けたと言う。
そうか‥
「なあタールさん。その人が依頼を受けたのはいつだ?」
「今日の朝ギルドから連絡があったけど、依頼をいけた人は昨日の夕方だったそうよ。」
「そのタールさんの友人の村はここから遠いのか?」
「そうね、徒歩で2日程度かしら。馬車を使えばもっと早いんだけど、村まで馬車は出てないから。」
なるほど。
だとしたらまだ間に合うかもしれないな。
「その友人の村の場所を教えてもらっていいか?」
「いいけど‥まさかお兄さんも行こうって言うの?私が言うのもあれだけど、とても危険だと思うわ。お兄さんがどれくらい強いか知らないけど、無茶しないで。」
「心配しなくていいよ。こう見えて割と強いんだ。それにこっちには魔道具を自由自在に操る『魔道具の勇者』がいるんだ。そう簡単にやられたりしないよ。」
「『魔道具の勇者』?‥‥‥わかったわ。そこまで自信持って言ってくれるのなら‥友人の村はアースンから東に2日程進んだところで、森のそばにあるわ。その森にオークの村ができたみたいなの。ごめんねお兄さん‥‥友人と、その優しい冒険者さんを助けて‥」
「ああ、任せとけ!」
その冒険者がどれくらいの冒険者ランクかわからない。
だが、ギルドがオークの村討伐を許可したんだ。
それほど低くはあるまい。
高ランク冒険者になっても、困っている人を助ける‥そんな貴重な冒険者を死なせたくはない。
「卓、ラケッツさん。悪いけど、獣人国に帰る前に少し寄り道するぞ。」
「承知いたしました!ここでマルコイ様印の特製魔道具が活躍するわけですね!う~ん‥楽しみ過ぎる!」
「はぁ‥‥‥ちなみに『魔道具の勇者』って自分の事ですよね‥?」
「何を言ってるんだラケッツさん。当たり前じゃないか!」
「当たり前じゃないです!まだそれを了承したつもりはないです!」
「またまた。活躍はイーキェさんにばっちり伝えとくから。」
「うっ‥わ、わかりました。頑張ってみます。」
いいぞ、チョロケッツ。
さてと、それじゃあ正義の冒険者を助けに行きますかね!
「マルコイ様、依頼を受けた冒険者と1日時間差がありますが、如何いたしますか?」
「ん?羽根人形があるだろ。魔力込めれはかなりの速さが出るからすぐ追いつけるぞ。」
「なるほど。ところでその羽根人形とやらは、自分にも扱えるんでしょうか?」
ん?
「羽根人形だよ。卓も使った事あるだろ?」
「いえ、自分はマルコイ様の魔道具は全て舐めるように拝見しましたが、畏れ多くて使ってはおりません。」
「あ、マルコイさん。俺も使った事はあるけど、そんな長距離は飛んだ事ないっすよ。」
むむむ‥
なんてこった。
ここで卓とラケッツさんがまともに飛べるように練習してたら、間に合わなくなってしまう。
あれだけタールさんに、任せとけって大見栄切ったのに間に合いませんでしたとかかっこ悪過ぎるぞ‥
自動二輪車は作れたとしても、これも練習がいるはず。
多分ラケッツさんは自動二輪車に乗ったら、スピード出し過ぎてどこかにぶつかって再起不能になってしまいそうな気がする。
仕方ない‥
俺は『スペース』から魔道具を取り出す。
「これなら問題ないだろ?ラケッツさんも使った事あるし、これなら練習の必要もそれほどないからな。」
俺が取り出したのは、蜘蛛のような多脚の魔道具、『脚がいっぱい速いぞ君』だ。
これがあれば羽根人形程ではないが、普通に徒歩で歩くよりも遥かに速い。
おそらく1日くらいの遅れならすぐに取り戻すはず。
今から出れば多分冒険者に追いつくだろう。
「それじゃあすぐに『脚がいっぱい速いぞ君』を起動させてくれ。自分が進む代わりに、魔道具が動いてくれるから。」
そうなんだよね。
魔道具がかなりのスピードで動いてくれるけど、これって中に乗ってる人も動かないといけないんだよね‥
ラケッツさんも卓もバテなきゃいいけど‥
「あ、私じゃないんですけど私の友人が依頼を出してて。その依頼を受けてくれた人がいたから、その報酬を預けに行くところなんです。」
「友人ですか?」
「ええ。冒険者ギルドもない小さな村に住んでるんですけど、最近近くにオークの村ができたみたいで‥報酬も満足に払えないような状況で、私も報酬を出したんですけど、足してもとてもオークの村を討伐するような報酬は出せなかったんです。」
ただのオークならそれほど高い報酬は必要ないが、オークの村となると話は違う。
下手するとオークの上位種がいるかもしれないからな。
「そんな少ない報酬でも引き受けてくれた冒険者の人がいて。なんでもその人は報酬なんてどうでもいいと。困っている人がいれば助ける、それが冒険者だと言って友達の村に向かったそうです。」
なんだって‥
冒険者でそんな人がいるのか‥
ほとんどの冒険者は生活のために戦っている。
だから報酬に見合った依頼を受ける。
だけどその人は報酬ではなく、困っている人の依頼だから受けたと言う。
そうか‥
「なあタールさん。その人が依頼を受けたのはいつだ?」
「今日の朝ギルドから連絡があったけど、依頼をいけた人は昨日の夕方だったそうよ。」
「そのタールさんの友人の村はここから遠いのか?」
「そうね、徒歩で2日程度かしら。馬車を使えばもっと早いんだけど、村まで馬車は出てないから。」
なるほど。
だとしたらまだ間に合うかもしれないな。
「その友人の村の場所を教えてもらっていいか?」
「いいけど‥まさかお兄さんも行こうって言うの?私が言うのもあれだけど、とても危険だと思うわ。お兄さんがどれくらい強いか知らないけど、無茶しないで。」
「心配しなくていいよ。こう見えて割と強いんだ。それにこっちには魔道具を自由自在に操る『魔道具の勇者』がいるんだ。そう簡単にやられたりしないよ。」
「『魔道具の勇者』?‥‥‥わかったわ。そこまで自信持って言ってくれるのなら‥友人の村はアースンから東に2日程進んだところで、森のそばにあるわ。その森にオークの村ができたみたいなの。ごめんねお兄さん‥‥友人と、その優しい冒険者さんを助けて‥」
「ああ、任せとけ!」
その冒険者がどれくらいの冒険者ランクかわからない。
だが、ギルドがオークの村討伐を許可したんだ。
それほど低くはあるまい。
高ランク冒険者になっても、困っている人を助ける‥そんな貴重な冒険者を死なせたくはない。
「卓、ラケッツさん。悪いけど、獣人国に帰る前に少し寄り道するぞ。」
「承知いたしました!ここでマルコイ様印の特製魔道具が活躍するわけですね!う~ん‥楽しみ過ぎる!」
「はぁ‥‥‥ちなみに『魔道具の勇者』って自分の事ですよね‥?」
「何を言ってるんだラケッツさん。当たり前じゃないか!」
「当たり前じゃないです!まだそれを了承したつもりはないです!」
「またまた。活躍はイーキェさんにばっちり伝えとくから。」
「うっ‥わ、わかりました。頑張ってみます。」
いいぞ、チョロケッツ。
さてと、それじゃあ正義の冒険者を助けに行きますかね!
「マルコイ様、依頼を受けた冒険者と1日時間差がありますが、如何いたしますか?」
「ん?羽根人形があるだろ。魔力込めれはかなりの速さが出るからすぐ追いつけるぞ。」
「なるほど。ところでその羽根人形とやらは、自分にも扱えるんでしょうか?」
ん?
「羽根人形だよ。卓も使った事あるだろ?」
「いえ、自分はマルコイ様の魔道具は全て舐めるように拝見しましたが、畏れ多くて使ってはおりません。」
「あ、マルコイさん。俺も使った事はあるけど、そんな長距離は飛んだ事ないっすよ。」
むむむ‥
なんてこった。
ここで卓とラケッツさんがまともに飛べるように練習してたら、間に合わなくなってしまう。
あれだけタールさんに、任せとけって大見栄切ったのに間に合いませんでしたとかかっこ悪過ぎるぞ‥
自動二輪車は作れたとしても、これも練習がいるはず。
多分ラケッツさんは自動二輪車に乗ったら、スピード出し過ぎてどこかにぶつかって再起不能になってしまいそうな気がする。
仕方ない‥
俺は『スペース』から魔道具を取り出す。
「これなら問題ないだろ?ラケッツさんも使った事あるし、これなら練習の必要もそれほどないからな。」
俺が取り出したのは、蜘蛛のような多脚の魔道具、『脚がいっぱい速いぞ君』だ。
これがあれば羽根人形程ではないが、普通に徒歩で歩くよりも遥かに速い。
おそらく1日くらいの遅れならすぐに取り戻すはず。
今から出れば多分冒険者に追いつくだろう。
「それじゃあすぐに『脚がいっぱい速いぞ君』を起動させてくれ。自分が進む代わりに、魔道具が動いてくれるから。」
そうなんだよね。
魔道具がかなりのスピードで動いてくれるけど、これって中に乗ってる人も動かないといけないんだよね‥
ラケッツさんも卓もバテなきゃいいけど‥
10
お気に入りに追加
554
あなたにおすすめの小説
ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス
於田縫紀
ファンタジー
雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。
場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。

クラス召喚に巻き込まれてしまいました…… ~隣のクラスがクラス召喚されたけど俺は別のクラスなのでお呼びじゃないみたいです~
はなとすず
ファンタジー
俺は佐藤 響(さとう ひびき)だ。今年、高校一年になって高校生活を楽しんでいる。
俺が通う高校はクラスが4クラスある。俺はその中で2組だ。高校には仲のいい友達もいないしもしかしたらこのままボッチかもしれない……コミュニケーション能力ゼロだからな。
ある日の昼休み……高校で事は起こった。
俺はたまたま、隣のクラス…1組に行くと突然教室の床に白く光る模様が現れ、その場にいた1組の生徒とたまたま教室にいた俺は異世界に召喚されてしまった。
しかも、召喚した人のは1組だけで違うクラスの俺はお呼びじゃないらしい。だから俺は、一人で異世界を旅することにした。
……この物語は一人旅を楽しむ俺の物語……のはずなんだけどなぁ……色々、トラブルに巻き込まれながら俺は異世界生活を謳歌します!

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
*****************************
***毎日更新しています。よろしくお願いいたします。***
*****************************
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
スキルは見るだけ簡単入手! ~ローグの冒険譚~
夜夢
ファンタジー
剣と魔法の世界に生まれた主人公は、子供の頃から何の取り柄もない平凡な村人だった。
盗賊が村を襲うまでは…。
成長したある日、狩りに出掛けた森で不思議な子供と出会った。助けてあげると、不思議な子供からこれまた不思議な力を貰った。
不思議な力を貰った主人公は、両親と親友を救う旅に出ることにした。
王道ファンタジー物語。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~
春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。
冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。
しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。
パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。
そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる