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戦いの準備
アウローラへの訪問
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翌朝、アキーエたちにセイルズに行って正人たちに渡す装備を考えてくる事を伝える。
「多分数日で帰ってくると思うから。」
「わかったわ。マルコイの数日なら10日はかかると思うけど、何かあったら対応しとくわね。」
ふむ。
さすがアキーエ。
できた嫁だ。
「あーん、マルコイ様!私も一緒に‥」
お前‥嫁‥違う。
とりあえず恵の顔を掴んで黙らせて、隅に置いておく。
「じゃあ行ってくる。」
アキーエに見送られる中、『転移』を使用する。
眼前の景色が入れ替わるように変化する。
『転移』先に選んだのは、アレカンドロの家で俺が使っていた部屋だ。
結構距離があるので多量の魔力を使ったが、今の俺の魔力増量からすると問題ない程度だ。
すぐに家から出て、アウローラの拠点に向かう。
結構久しぶりだな、アウローラに行くのも。
拠点に到着して、玄関を開ける。
「たのもー!」
アウローラに来たら、やっぱりこれだよな。
さてさてラケッツさんは元気かな?
「おうおう。何だお前は?依頼でも持ってきたのか?」
女性の声が奥から聞こえたかと思ったら、金髪でショートカットの女の人が出てきた。
ん?
誰だこの人?
新人さんかな?
着ている服は、普通の頭からすっぽり被るようなワンピースだが、何故か肩にトゲトゲがある。
なんだその主張は‥?
「んだテメー?人が声かけてんのに、何睨み効かせてんだ?あ?何か用かって聞いてんだろうが!」
おお‥
初めて会った時のラケッツさんのインパクトを遥かに超えるぞ。
「おいー!だから来客者にそんなガラの悪い声の掛け方するなって言ってるでしょうが!」
奥から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「でもラケッツの兄貴、コイツあんまり金持ってる風に見えないっすよ。だから客じゃないんじゃないっすかね?」
「だから、そんな風に人を見た目で判断しちゃ駄目だって言ってるでしょうが!すみません、うちの受付が‥‥‥ってマルコイさん!!!ひぃ!」
「久しぶりラケッツさん。」
「ん?ラケッツの兄貴の知り合いっすか?」
「知り合いも何も‥最初に言っただろう!うちに来る人で1番の危険人物だって!」
ほうほう。
ラケッツさんは、俺の事をそんな風に伝えてるんですね?
よくわかりました。
「ところでラケッツさん。さっきの『ひぃ!』って声はなんですか?俺が来ると迷惑でしたでしょうか?」
「ま、ま、ま、ま、まさか、そ、そ、そんなわけないじゃないですか!ず、随分とお久しぶりでしたので、『ひぃ‥さしぶりですね』って言いたかったんですよ!」
ふむ。
明らかに言い訳としては苦しいが、ラケッツさんはこれから『魔道具の勇者』として活躍してもらわねばならない。
ここは穏便にしておこう。
ちょっと厳し目の実験するくらいで。
「マルコイ‥?マルコイってまさかモンスターだろうが、国だろうが、逆らう奴は全部ぶっとばすって噂のクレイジーアンタッチャブルのマルコイさんっすか!」
よくわかった。
ラケッツさんの実験は5割増しにするとしよう。
「何がクレイジーかわからないが、多分そのマルコイだ。えっと‥」
「あたいの名前はイーキェだ!ここアウローラで受付してるんだ。しかしすげー本物かよ!こんななりで一国を一瞬で焦土に変えちまったのかよ‥すげえな、うちの兄貴達よりやっぱり強えのか?」
どこの危険人物だ!
そんな事を出来るのは、うちのアキーエさんくらいだぞ。
「一国を焦土にしたなんて誰に聞いたんだ?そんな事してないぞ。もししてたら犯罪者として追われてるでしょうが。」
「いや、でもあたいはそう聞いたぞ。確か国の半分の土地を一瞬にして焦土にして国を崩壊させたって。それにモンスターも高ランクのドラゴンなんかをまとめて10体くらいぶっ殺して、生肝をその場で喰ったって!」
おい‥
そいつの方がモンスターだろうが‥
「ラケッツさん?」
「いや、そ、そんな風には伝えてないんですけどね。モンスターの大群を魔法で殲滅したとか、ドラゴン肉を食べたとか‥」
ほぼアキーエさんとミミウさんの事じゃないか‥
「マルコイの兄貴!ところで今日は何をしに来たんすか?誰かをぶっ殺しにきたんすか?」
なんでこんな危険な発想の娘さんを受付に雇ったかな‥
「イーキェさん。何をどう勘違いしてるのかわからないけど、そんな事をしにきてないですよ。今回はアウローラの秘密基地で魔道具を作るためにやってきたんです。その挨拶とラケッツさんでちょっと危険な実験もしたかったので連れて行っていいか確認しにきました。」
「なんだそうな‥」
「ちょーっ!マルコイさん今すっごい不吉な事を言われませんでしたか?俺の気のせいじゃなければ俺で実験するとか聞こえたんですけど!?」
しまった、ついうっかり。
まあラケッツさんよ。
今までも同じような事してたんだから、気にしない気にしない。
「多分数日で帰ってくると思うから。」
「わかったわ。マルコイの数日なら10日はかかると思うけど、何かあったら対応しとくわね。」
ふむ。
さすがアキーエ。
できた嫁だ。
「あーん、マルコイ様!私も一緒に‥」
お前‥嫁‥違う。
とりあえず恵の顔を掴んで黙らせて、隅に置いておく。
「じゃあ行ってくる。」
アキーエに見送られる中、『転移』を使用する。
眼前の景色が入れ替わるように変化する。
『転移』先に選んだのは、アレカンドロの家で俺が使っていた部屋だ。
結構距離があるので多量の魔力を使ったが、今の俺の魔力増量からすると問題ない程度だ。
すぐに家から出て、アウローラの拠点に向かう。
結構久しぶりだな、アウローラに行くのも。
拠点に到着して、玄関を開ける。
「たのもー!」
アウローラに来たら、やっぱりこれだよな。
さてさてラケッツさんは元気かな?
「おうおう。何だお前は?依頼でも持ってきたのか?」
女性の声が奥から聞こえたかと思ったら、金髪でショートカットの女の人が出てきた。
ん?
誰だこの人?
新人さんかな?
着ている服は、普通の頭からすっぽり被るようなワンピースだが、何故か肩にトゲトゲがある。
なんだその主張は‥?
「んだテメー?人が声かけてんのに、何睨み効かせてんだ?あ?何か用かって聞いてんだろうが!」
おお‥
初めて会った時のラケッツさんのインパクトを遥かに超えるぞ。
「おいー!だから来客者にそんなガラの悪い声の掛け方するなって言ってるでしょうが!」
奥から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「でもラケッツの兄貴、コイツあんまり金持ってる風に見えないっすよ。だから客じゃないんじゃないっすかね?」
「だから、そんな風に人を見た目で判断しちゃ駄目だって言ってるでしょうが!すみません、うちの受付が‥‥‥ってマルコイさん!!!ひぃ!」
「久しぶりラケッツさん。」
「ん?ラケッツの兄貴の知り合いっすか?」
「知り合いも何も‥最初に言っただろう!うちに来る人で1番の危険人物だって!」
ほうほう。
ラケッツさんは、俺の事をそんな風に伝えてるんですね?
よくわかりました。
「ところでラケッツさん。さっきの『ひぃ!』って声はなんですか?俺が来ると迷惑でしたでしょうか?」
「ま、ま、ま、ま、まさか、そ、そ、そんなわけないじゃないですか!ず、随分とお久しぶりでしたので、『ひぃ‥さしぶりですね』って言いたかったんですよ!」
ふむ。
明らかに言い訳としては苦しいが、ラケッツさんはこれから『魔道具の勇者』として活躍してもらわねばならない。
ここは穏便にしておこう。
ちょっと厳し目の実験するくらいで。
「マルコイ‥?マルコイってまさかモンスターだろうが、国だろうが、逆らう奴は全部ぶっとばすって噂のクレイジーアンタッチャブルのマルコイさんっすか!」
よくわかった。
ラケッツさんの実験は5割増しにするとしよう。
「何がクレイジーかわからないが、多分そのマルコイだ。えっと‥」
「あたいの名前はイーキェだ!ここアウローラで受付してるんだ。しかしすげー本物かよ!こんななりで一国を一瞬で焦土に変えちまったのかよ‥すげえな、うちの兄貴達よりやっぱり強えのか?」
どこの危険人物だ!
そんな事を出来るのは、うちのアキーエさんくらいだぞ。
「一国を焦土にしたなんて誰に聞いたんだ?そんな事してないぞ。もししてたら犯罪者として追われてるでしょうが。」
「いや、でもあたいはそう聞いたぞ。確か国の半分の土地を一瞬にして焦土にして国を崩壊させたって。それにモンスターも高ランクのドラゴンなんかをまとめて10体くらいぶっ殺して、生肝をその場で喰ったって!」
おい‥
そいつの方がモンスターだろうが‥
「ラケッツさん?」
「いや、そ、そんな風には伝えてないんですけどね。モンスターの大群を魔法で殲滅したとか、ドラゴン肉を食べたとか‥」
ほぼアキーエさんとミミウさんの事じゃないか‥
「マルコイの兄貴!ところで今日は何をしに来たんすか?誰かをぶっ殺しにきたんすか?」
なんでこんな危険な発想の娘さんを受付に雇ったかな‥
「イーキェさん。何をどう勘違いしてるのかわからないけど、そんな事をしにきてないですよ。今回はアウローラの秘密基地で魔道具を作るためにやってきたんです。その挨拶とラケッツさんでちょっと危険な実験もしたかったので連れて行っていいか確認しにきました。」
「なんだそうな‥」
「ちょーっ!マルコイさん今すっごい不吉な事を言われませんでしたか?俺の気のせいじゃなければ俺で実験するとか聞こえたんですけど!?」
しまった、ついうっかり。
まあラケッツさんよ。
今までも同じような事してたんだから、気にしない気にしない。
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