スキルを模倣して最強無敵！異世界勇者？魔王？どっからでもかかってこいやぁ！

戦いの準備

ステーキ料理

吊るしてある地竜を切り分けてどんどんとコンロに乗せていく。

焼き上がったものから順にみんなの皿に置いていく。

もちろん野菜も食べないといけないからね。
ドラゴン肉以外に『スペース』に入っていた野菜なんかもどんどんと並べていく。

「わーい！どんどん食べるですぅ！」

ふむ。
このやり方だと切るだけで済むから、かなり楽な作業でいいな。

自分たちで焼きながらだから、会話も弾むし。

俺はとりあえず怒涛のように肉を切って、なくなったら以前ミミウから預けられた地竜を取り出してやくだけだ。

切るだけだから、そこまで腕を酷使するわけじゃないし、1人でも十分対応できる。

俺の腕にも優しい素晴らしい料理のような気がする‥

切るのは恵でも出来るし、少しの間任せて別の料理を作ってみるか。

しかし別の料理といってもな‥

これだけ鮮度と質の良いお肉があるのに、それを使わない料理はないと思うし。

俺はドラゴン肉のブロックに塩を擦り込んで、少し焼いた後に何枚かに切り分ける。

とりあえずドラゴンステーキを使った料理を作るとするか。

まあ今回は料理って料理じゃないんだけどな。
良いお肉を少し変わった食べ方で食べるだけで。

「『創造:スキレット』。」

俺は普通の鍋より少し小さくて、底が浅く平らな鍋を作り出す。

俺の『スペース』に入っている材料で作るが、材質は鋳鉄で少し厚めに作っている。

そのスキレットにオリーブオイルを入れて、ニンニクと鷹の爪を熱する。

良い香りがしてきたら、そこにキノコ類を入れて、キノコが焼けたら、先程少し焼いたドラゴンステーキを入れる。

仕上げにパセリを乗せてドラゴンステーキのアヒージョが出来上がりだ。

ご飯のおかずってよりもお酒のおつまみだな。

本当は生の肉をそのままスキレットに入れてもいいが、俺は少し火が通ってる方が好みだからな。

でもこのアヒージョは入れるのは何でもいいから簡単で、オリーブオイルを取る事でより良い筋肉を作る事も出来るから一石二鳥だ。

「ふむふむ。やっぱマルコイさんの料理は素晴らしいわ。しかし今回は料理の商品化も去ることながら、この鍋やね‥」

「このスキレットがどうかしたのかキリーエ？」

ふっふっふ‥

びっくりしたよ。
もちろんびっくりしたけど、今回は顔に出さずに済んだ。

だって毎回びっくりしてたら負けた気がするからな！

「ふ～ん、この鍋スキレットいうやね。鍋っちゅうか縁のついた丸い鉄板って感じやけど。」

「そうだな。普通の鍋みたいに大きくないし、皿みたいに使えるかな。」

まじまじとスキレットを見るキリーエ。

「冒険者は普通野営が必要な時、食糧は固いパンに干し肉なんかが主流やけど、これやったら調理ができるやんか。今の料理やったら、オリーブオイルに干し肉とキノコ入れて、固いパンをつけながら食べる。あとはお酒でも飲んだら、寒い冬の野営でもかなり違ってくるわ。余裕のある冒険者たちは大きな鍋をぶら下げて移動しとるけど、このサイズなら少ない人数のパーティでも問題ない。まさに発想の転換や！マルコイさん！この鉄板売れるで！あ、もちろん料理も売っていくんやけど、このスキレットで作れる料理を教えてもらえると助かるわ。」

な、なるほど。

そうだな。
野営で食べる食事は、ほとんどが干し肉を齧るくらいで、余裕があればそこに固い日持ちするパンがあるくらいだ。

温かい料理などあるはずもなく、無理やり水で流し込んで腹に溜める感じだもんな。

俺は『スペース』があるから、特に野営の時も気にせずに温かい料理を作っていたが、通常の冒険者にとっては死活問題だろう。

「そうだな。スキレットはすぐに作れるだろうから、スキレットで作るレシピをまとめとくな。」

「助かるでマルコイさん！もともとホット商会は調理器具も売ってたんやけど、これは新たな分野の進出やね。マルコイさん、他にもあったら言ってや。そしたら、うちは職人さんと打ち合わせしてくるわ！」

他にもね‥

メスキットとか、ケトルなんかもそうかな‥

「ふっふっふ‥まだあるみたいやね。どんどん言ってや。」

「ふぉっ！」

真後ろからキリーエに声をかけられて飛び上がってしまった。

驚かないと決めていたが、どこかに行ったと思って油断してしまった。

「お、おう。」

「ほな、頼むでー！」

そして小走りでキリーエは去っていった。

もういないよな‥

しかしまったく気づかなかった‥
もしかしてキリーエは2人くらいいるんじゃないだろうか‥



まあいい。
気を取り直して、ステーキのアヒージョでお酒を楽しむと‥

「マルコイさん‥お話終わったですか？」

できないですよね！

しっかりとミミウさんがステーキのアヒージョの前でスタンバっていらっしゃいました。

「お、おう。ミミウ待ってたのか？」

「はいですぅ。マルコイさんとキリーエさんが話した後は、街に美味しい料理屋さんが増えるから邪魔したらいけないって思ったですぅ！」

そ、そうか。
食欲に忠実だが、目先の食欲に左右されずに大局を見るか‥

とりあえず確定していることは、結局料理作りにどっぷりハマるってことですよね‥