スキルを模倣して最強無敵!異世界勇者?魔王?どっからでもかかってこいやぁ!

オギコン

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愛別離苦

帰国

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数日後、俺たちはプリカの門の前で馬車に乗り込む準備をしていた。

「マルコイさん!」

声をかけて来た数人が近寄って来た。

冒険者ギルドのギルドマスターやアザウア伯爵、何故かアキーエと一定の距離を保っている男性がいる。

そして満面の笑みを浮かべているイェルンさんもいた。

ちっ、イェルンさんにはバレずに出国するつもりだったのに‥

「マルコイさん、今日出国されるんでしたね。言ってくれたらよかったのに。いくら事前に耳に入るとはいえ、本人から聞きたかったですよ。そんな事されたら嫌われてると勘違いしちゃいますよ全く。」

「嫌ってはないぞ。避けてるだけだ。」

「えぇ!?」

嘘ではない。
流されやすいが、誠実‥‥勇敢‥‥叡智‥‥‥
どれも当て嵌まらないけど、イェルンはいい人だった気がする。
だけど嫌ってはいないが、タルタル塗れの奴に近寄りたくないのも事実である。

「まあこの国にはまた来る事になると思う。だからどうせすぐ会うだろ。」

「本当ですか?お願いしますよ。だったら王様からの伝言も無用になりますね。」

「王様からの伝言?」

何それ、嫌な予感しかしないんだけど。

「ああ、王様がですね『たまにミミウちゃん連れて会いに来ないと、私の方から会いに行くから』と伝えておいてくれと言われまして。」

それは困る。
それにあの人は本当に来そうで怖い。

「心配しなくていいよ。ちゃんとミミウも連れてくる。それよりもイェルンさんはまだ宰相なのか?」

国を出る前に気になっていた事を聞いておこう。

「ええ。そうですよ。今の私は祭司宰相になります。」

いや、何そのパワーワード?

「そ、そんな役職ないだろ‥それに政治と宗教は切り離さないと問題になるぞ‥」

「大丈夫ですよ。本職は司祭ですから。」

「余計に悪いわ!」

こ、こいつだけは‥

まあアザウア伯爵とかガチムチ辺境伯とかいるから心配はいらないか。
とにかく次来た時に宗教国家になってたら、あの教会をぶっ壊す事にしよう。





全ての荷物を馬車に積み準備を終える。

まあ普通の荷物は俺の『スペース』に入れてるから、馬車の中で快適に過ごせるようにクッションとか入れただけなんだけどね。

でももっと快適にするために、獣人国で馬車を作り直すかな‥

いや、せっかく自動二輪車を作ったんだから、自動四輪車という手もあるな。
今から楽しみだ。

「それじゃあ、また来るから。王様に宜しく。」

「はい。王様は心待ちにしてると思いますから、いつでも来てください。」

実は冒険者ギルドにいる時に、コソッと魔道具をギルマスの部屋に隠して来たんだよね。

だから転移でいつでも来れるんだけど、言うと面倒くさいから内緒にしておこう。

俺たちはイェルンたちに見送られながら、馬車を出発させた。








数日野宿をしながら獣人国に向かった。

馬を酷使したら時間もそんなにかからなかったんだけど、急ぐ旅でもないからゆっくりと旅を楽しんだ。

途中でスキル【創造士】で泊まれる家を作ろうと思ったんだけど、作る途中で魔力切れで死にかけたから、お風呂だけにしました。

お風呂は大事だからね。

ラッキースケベ的な物を期待していたが、なぜか女性陣が風呂に入る時にリルが刀を持って風呂場の前に座っていたから近寄れなかった。

信頼って言葉大事だよね。



お風呂については『スペース』に入れて持ち運びました。

だって毎回お風呂に入りたいって言うんだもん‥

どうにかしてリルも一緒に『スペース』に入れれないかな‥?

そしたらラッキースケ‥げふんげふん。



ゆっくりだったため予定より時間がかかったが、特に問題なく獣人国が見えて来た。

途中でモンスターにも遭遇したが、全てリルの妖刀に斬られた。

いや、妖刀じゃないんだけどね。
でも血をたくさん吸えてよかったね。



獣人国の門に到着する。

「次の方どうぞ。え~と‥冒険者のマルコイさん‥‥‥っ!す、すみません、少々こちらでお待ちいただいてもよろしいでしょうか?」

あ、またですか。

先に帰りますよって獣王様に手紙でも書いてた方が良かったかな。

しばらく待っていると、1台の馬車がこちらに向かって来た。

お偉いさんが乗っているのだろう、普通の馬車よりも豪華な作りになっている。

エッケンさんでも乗ってるのかな?

いや、あの人は宰相さんだし、わざわざ一介の冒険者のために足を運ばないだろ。

馬車が到着し、中から人が出て来た。

「マルコイ!よく戻った!それで今回はどんな問題を起こして来た?」

中から出て来た筋肉モリモリの男が、虎柄の模様が入った顔に満面の笑みを浮かべて聞いて来た。

「‥‥‥‥いや、獣王様がここに来るのが今の所1番の問題じゃないですか‥?」

俺は獣人国の王である、ゲリィ・オールバーグ王を見ながらそう呟いた。
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