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愛別離苦

国を作るなら

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「そらそうや。マルコイさんが元々あった国の王様になるなんて勿体無い!マルコイさんはもっと大きな事をせなあかんよ。」

いや、キリーエさん。
いきなり何を言ってるんですか?

俺が目をまんまるとして見ていると、キリーエは何を今更みたいな顔で言葉を続ける。

「当たり前やんマルコイさん。元々あった国は変な指針とか考えがあるに決まってるやん。そういったものじゃくて、1からマルコイさんが自分で考えて仲間を集めて国を作るほうが面白そうやない?マルコイさんを中心とした、マルコイさんが好きなものを作れる魔道具工房やミミウちゃんとの戦い用に大きい厨房作ったり。うちはホット商会があるんやけど、お抱え商会でええからね。アレカンドロちゃんに騎士団長させたり、マルコイさんの好きなようにやれるんやない?もちろんお妃さんはアキーエちゃんで。」

ふむ。

アキーエオレノヨメ。

まあそれは当然としてアレカンドロが騎士団長になるのは、騎士団が壊れていく未来しか見えないけど‥
でも国を上げて魔道具を作る工房が持てるのか‥

そんな事したら、国の財源が傾くとしか思えないが、ホット商会を抱える事が出来るなら資金面も問題無いのかもしれない‥

それに騎士を鉄人形にしてしまえば、国民を徴兵する必要がないから自給率もあがる。

確かにいい事ばかりだな‥


それなら別に‥‥‥‥‥はっ!


「キリーエ‥それって別に王様にならなくてもできなくない?」

「そ、そ、そ、そうや。そやから言ったやない、マルコイさんが王様になるなら、キリエル村を独立させたほうがええて。べ、別に無理に王様になる必要はないで。」

いや、今明らかに気づきやがったみたいな顔しませんでしたかね‥

「いや、だから‥マルコイさんが王様になるにしてもマルコイさんやったら王位を継承せんでも、自分が好きな人と一緒に国を作り上げていけるんやないって事。そしたらもっと住みやすい世の中になるんかなって。」

俺が王様になった国か‥

毎日城のどこかで爆発が起きてる気がするんですけど‥

それでも‥


「まあ今やる事が多いからな。でももしそんな場所が作れるなら楽しいのかもしれないな‥」


「‥!」

あれ?
今キリーエの目光らなかった?

「そやね。やっぱりそうやね!」

「いや、だからといって王様になりたいってわけじゃないぞ。それもいいなって思っただけで‥」

「うんうん。それでええよ。今は他にいっぱい大事な事があるよって。それが終わった時に思い出せるように、頭の隅に入れとってや。」

そうだな。
今はやることや、巻き込まれる形になってしまったけど、たくさんの荷物を抱えている状態だ。
これが軽くなった時に何をするのかはみんなで決めると思うけど、キリーエが言った事も選択肢の一つかもしれないな。

「わかった。ありがとうキリーエ。俺たちのこれからの事まで考えてくれて。流石キリーエだな。」

その後少しキリーエと話をした後に、他を見て回るためにその場を離れた。

「ふぅ。よかったわマルコイさんがまんざらじゃなくて。正直タルタル教の快進撃が止まるところを知らんからね。ホット商会とタルタル教は切っても切れない関係だとは思うんやけど、パワーバランスが大事や。このままいくと、マルコイさんはタルタル教の教祖に担ぎ上げられてしまうかもしれへん。まぁ実際は教祖というか神様なんやろうけど。でもそうやなくて、タルタル教は国の国教、そしてホット商会は国の商会。そしてその両方をまとめて国を治めるのがマルコイさんやないと。」

キリーエはマルコイが歩いて行った方を見つめる。

「マルコイさんが田舎で余生を過ごすなんて事にはならへんと思うけど、マルコイさんは何にも侵されず、好きな事を好きな人たちとやってもらわへんとな。それがうちをここまで商人として育ててくれたマルコイさんの恩返しっちゅーやつや。」

キリーエはそう呟くと、近くにあったグラスに手を伸ばす。

しばらくそのままお酒を楽しんでいると、キリーエの表情が変わる。

「ん?なんや‥この気配‥マルコイさんの儲け話やな‥」

するとキリーエの存在が急に薄くなっていく。

そしてキリーエは人の群れの中を、誰にぶつかることもなく真っ直ぐとマルコイの元に向かって行った‥






国かぁ‥

まあみんなで楽しく生きていくための一つの手段ってとこだな。

まあそれ以外にもたくさん方法はあるだろうから、みんなとよく考えて決めないとな。

この件に関しては、ちょっとした事でとんでも無いことになってしまう気がしますから‥




さてと‥
あとのメンバーさんは‥

う~ん、アレカンドロは何してるのかな?

全然知らない男性の顔を掴んで持ち上げているんだけど‥

あれって喧嘩ですかね?
死人は出てませんかね?
すぐに助けないと辺り一面血塗れになりますかね?

俺はすぐにアレカンドロの元に向かう。

「ああ!アレカンドロさん!ありがとうございました!こんな機会をもらえるなんて最高の気分だ!」

はあ?
これって近寄らないほうがいいやつか?
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